挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

203/391

第百九十一話 お買い物

 冒険者ギルドに入ると、職員の人が連絡してくれたようで受付に行くまでもなく、すぐにヨーランさんがやって来た。
「おー、待っておったぞ。そいじゃ、返す分の肉もあるし、倉庫の方へ行こうかのう」
 俺たちはヨーランさんに付いて倉庫に向かった。
 倉庫にはホレスさんがいた。
「そいじゃ、儂から買取代金の詳細を説明させてもらうからのう。と、その前に、肉の方を渡しておくか。ホレス、用意は出来てるな?」
「はい、もちろん。えーと、ブラックサーペントとジャイアントドードー、それからコカトリス2匹分の肉だ」
 そう言って出された肉を次々とアイテムボックスにしまっていった。
 鳥系の肉が切れてからこれで少しは確保できたし、ブラックサーペントの肉も久しぶりに手に入れてホクホクだ。
「買取代金の詳細を説明していくからの。まずはキュクロープスじゃが、皮が金貨180枚だの。これは本当に傷が少なくて良い状態だったからな、高めの値段で買取させてもらったぞい。それから眼球が金貨58枚じゃ。これは少しばかし傷があったからな、すまんがその分少しだけ買取代金が下がっておる」
 眼球に関しては、昨日そんなこと言われてしな。
 これはしょうがない。
 ま、金に困ってるわけじゃないしね。
 それに買取代金下がっても金貨58枚なんだから十分過ぎる。
「それから魔石じゃな。これは金貨215枚じゃ」
 へー、さすがAランク。
 1個で金貨215枚になったか。
「ほんでキュクロープスの討伐報酬が金貨350枚じゃ」
 おお、キュクロープスの素材やら討伐報酬だけでけっこうな金額になるな。
 この後にこの街を案内してもらう予定だし、そのときにいろいろ食器類なんかも購入するつもりだからその軍資金になるな。
「それから持ち込みの分じゃが、ブラックサーペントが皮やら毒袋やら魔石もろもろ含めて金貨80枚だの。そいでジャイアントドードー、これは魔石持ちじゃなかったのでの、金貨12枚じゃ。コカトリスは肉を除くと羽だけになるからの、それが銀貨4枚じゃな」
 肉目的だったんだけど、けっこうな買取代金になったね。
「全部で金貨895枚と銀貨4枚じゃな。今回も大金貨の支払いでいいかの?」
「はい、それでお願いします」
 金貨895枚と銀貨4枚か。
 けっこうな金額になったね。
「そいじゃ、これが代金の大金貨が89枚と金貨5枚と銀貨4枚じゃ。確認してくれのう」
「えーっと、1、2、3……はい、大丈夫です」
「滞ってた案件が、こんなに早く片付くとはのう。ホッとしたわい。ムコーダさん、本当にありがとうな」
「いえいえ、そういうお約束でしたし。それに、みんなも依頼は楽しんでやってますんで」
 そう言ってフェルたちに目を向ける。
「フォッ、フォッ、フォッ。そうかそうか。ムコーダさんは期待の冒険者じゃからな、これからも頑張ってくれのう」
 期待の冒険者って言われてもね……。
 その期待が重いです。
 ほぼフェルとドラちゃんとスイのおかげなので。
「それじゃ、これで」
 挨拶を済ませると、俺たちは冒険者ギルドを後にした。
 ギルドの外に出ると、既に5人の少年少女が待っていた。
「お、みんな早いね」
「うん、少し早めに集まってたからね」
「それじゃ、早速案内してもらってもいいかな?」
「ああ。それじゃ最初はこっちだ」
 アントンが指差す方向にみんなで歩いていった。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 最初に案内されたのはイーダ商会という焼き物全般を扱う店だ。
「目利きと品ぞろえに関しては、ネイホフでもこの店が1番」
 そう5人が口をそろえて言っている店だ。
 何でもネイホフにある陶器工房の品はすべて取りそろえられているとか。
「ムコーダさん、あそこがイーダ商会だよ」
 アントンがそう言って指差した店は、みんなが言うだけあって大きな店だった。
 中に入ると、すぐに店の人が近寄ってきた。
「いらっしゃいませ。……あれ、確か君は、セヴェリ工房の四男坊の……」
「はい、アントンです。お久しぶりです、イーダさん」
「おお、そうだそうだ。アントンと言ったな」
「先輩冒険者のムコーダさんに街を案内していまして、こちらを紹介させていただきました」
 2人の話からいくと、この人がこの商会の商会主みたいだね。
 アントンって四男坊だったんだ。
 この世界って長子優遇の世界だから、四男坊じゃ家を継げるわけないし大変だわな。
 まぁ、それもあって冒険者になったってことなんだろうけどさ。
「ムコーダさん、こちらこの商会の主のイーダさんです」
「イーダさん、こちらはAランク冒険者のムコーダさんです」
 アントンが仲介してそれぞれ紹介してくれる。
「ほ~、Aランクの冒険者さんですか。それはそれは」
 何がそれはそれはかはわからんけど、何かロックオンされたような気が……。
「ム、ムコーダと申します。よろしくどうぞ」
「今日はどんな焼き物をお探しで?」
 イーダさん、もみ手で買わせる気満々だよ。
 まぁ、買うつもりだったしいいんだけどさ。
「特に決めてはいないんですが、拝見して気に入れば購入させていただきたいと思ってます。あ、アントンとブリジッタのところの工房はこの後に見せてもらう予定なので、アントンとブリジッタのところ以外のものを見せていただければと思います」
 そう言うと、イーダさんはブリジッタのことも気付いたようで「ドヴァン工房のお嬢さんもいらっしゃったんですな」と頷いている。
「それでは、セヴェリ工房とドヴァン工房以外でおすすめのものをお見せしたいと思います。こちらへどうぞ」
 イーダさんの案内でいろいろな陶器を見せてもらった。
 5人が薦める店だけあって、種類も豊富で目移りしてしまう。
「いやはや、すばらしい品ぞろえですね」
「ありがとうございます。私自身が焼き物好きなもので、いろいろ仕入れているうちにこのような店に」
 イーダ商会は本当に種類豊富で、日本の○○焼きという感じの無骨な焼き物もあれば、ヨーロッパの繊細な白い陶磁器のようなものもある。
 絵付けや色も豊富で見ていて飽きない。
 聞けば、各工房が魔法なんかも取り入れながらいろいろ工夫を凝らして独自に作成方法を編み出しているそうだ。
 だから工房ごとに作風もガラッと変わるらしいのだ。
「お……」
 いろいろ見せてもらううちに大きな深皿に目が留まった。
 これ、フェルたちの皿にいいかも。
 今使ってるのは、木皿か前に雑貨屋で購入した安物の陶器の皿だ。
 スイはまだしも、フェルやドラちゃんが顔を突っ込んで勢いよくガツガツいくとカタカタ動いて安定性がないんだよね。
 今はもう慣れちゃったみたいだけど、もう少ししっかりした皿の方がいいかもとは思ってたんだよね。
 今目についたのは、日本の○○焼きという感じの皿で厚みもあるし適度な重さもありそうでいい感じ。
 それに色がいい。
 派手さはないけど、落ち着いた色合いで味がある。
 うーん、いいな。
 買っちゃおうかな。
 フェルたちにどの色がいいか聞きたいところだけど、今回は店で売っているものが割れ物ということで、通路の広さもあるし、フェルとドラちゃんには外で待っててもらっている。
 スイは革鞄の中で昼寝中だし。
 もう、俺が決めちゃっていいか。
 みんなそれぞれ別の色にした方が分かりやすいしいいよな。
 どれにしようか……お、この落ち着いた青緑色のやつがいいな。
 それから、この濃青の瑠璃色と淡い紫色のものいい。
「お気に召しましたか?」
「はい。この皿がいいかなと……」
「さすがお目が高い。それは、今人気急上昇中のフィルミーノ工房の作品です」
 ほうほう、人気急上昇中とな。
「これは1枚おいくらなんですか?」
「こちらは大皿なので金貨18枚となります」
 金貨18枚か。
 けっこうするな。
 でも、日本の焼き物だって有名処のは高かったりするものな。
 なんにしても、この皿気に入ったし、うん、買おう。
「それじゃ、これとこれとこれお願いします」
「ありがとうございます」
「あの、もう少し見させていただいていいですか?」
「ええ、もちろんですよ」
 その後もいろいろと見せてもらい、俺は自分用のマグカップとコップの5個セットとカップ&ソーサーの5個セットも買うことにした。
 マグカップとコップは日本の焼き物風でカップ&ソーサーはヨーロッパの陶磁器風だ。
 マグカップは茶色で武骨な感じが気に入ったし、コップは灰色で色は付けずそのまま焼いた感じが気に入った。
 カップ&ソーサーは白地に青い花模様が入って高級感があって、ちょっといい紅茶とかコーヒーを飲むときにいいかなと思った。
 全部合わせると合計金貨73枚と銀貨8枚だったけど、けっこうな購入金額になったから端数の銀貨8枚はサービスしてくれたよ。
 イーダさんはホクホク顔で「またのお越しを」って笑顔で見送られた。
 5人の少年少女たちには「やっぱAランクは稼ぎが違うな」とか「さすがAランクはお金持ち」とか言われてキラキラした目で見られてこそばゆかった。
「さて、次はアントンの実家の工房に連れて行ってくれるんだよね?」
「はい、こっちです」
 俺たちはアントンの実家であるセヴェリ工房へと向かった。




+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ