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妻の機嫌

今回は、総集偏で登場するジャンヌの妹ティナと夫となったゼオンを主人公にしました。

「・・・・・ティナ♪」


「きゃっ!もうゼオンっ」


俺が後ろから抱き締めると俺の義姉のジャンヌさんの妹で俺の妻のティナが小さく悲鳴を上げ俺を下から睨んできた。


「ティナがあんまり無防備だから抱き締めたんだぞ?」


俺はティナから本を取り上げソファーの上に投げた。


「ふざけないでよっ」


ティナは怒って椅子から立ち上がって俺の腕を振り解くと真正面から睨んできた。


「私は今、読書をしてたのよ。それなのに抱き付いたりしないで」


俺を睨む瞳はエメラルドグリーンの色で怒気が篭っていたが、義兄の旦那の低血圧の睨みを何度も見て来たからまったく怖くなかった。


「えー、だって旦那は普通にジャンヌさん達に何かしてる時でも抱き付いてるじゃないか?」


「お義兄様はお姉様達が嫌がったら直ぐに止めるから良いのよ」


俺の言い訳は無残に返り討ちにされた。


確かに旦那もふざけてジャンヌさん達に抱き付いたりするが嫌がったら止めるな。


「ゼオンも少しはお義兄様を見習いなさいっ」


腰に手を当て仁王立ちして俺を睨み上げるティナ。


その姿に俺は少なからず恐怖した。


流石は人生破綻者の異名を取る旦那を唯一尻に敷けるジャンヌさんの妹だけはあるな。


「聞いてるの?」


無言の俺に厳しく尋ねてくるティナ。


「あ、あぁ。聞いてる」


慌てて頷いてみせる。


「どうしたのかな?ティナ」


「あっ、お義父様・・・・・・・・・」


ティナの振り向いた先にいた人物に俺は気まずい声で


「・・・・・バール殿」


っと名前を呼んだ。


ティナとジャンヌさんの義父の地獄帝国軍総司令官、バール殿。


この方とは戦で一緒に戦うのが多くティナの義父になってからは今まで以上に頭が上がらない人物の一人になった。


旦那もバール殿には人目を置いているようで敬語で話している。


「いえ、少しゼオンを叱っていただけです」


「叱る?ゼオン殿が何かしたのか?」


「あっ、ティナが読書をしている時に後ろから抱き締めただけです」


消沈しながら俺は答えた。


「ティナ。あまりゼオン殿を叱ってはいけないよ。ゼオン殿は悪ふざけでやっただけなんだから」


ぽんっとティナの頭を叩くバール殿。


「ゼオン殿はティナが可愛いから悪戯をしてしまったんだよ」


「私が可愛い?」


「あぁ。夫にとって妻は可愛いものだ。だろ?飛天殿」


バール殿の後ろを見ると旦那がポリポリと頬を掻きながら部屋の中に入って来た。


「旦那、いたので?」


「あぁ。少し用があってな・・・・・・・・・」


「飛天殿には奥方が大勢おりますがみんな可愛いですか?」


「当然です。皆、俺の可愛い妻であり最高の女達です。だから、ついゼオンみたいに悪戯してしまいます」


「飛天殿もこう言っている。だから、ティナはあまりゼオン殿を叱らないでくれ」


「・・・・・はい」


不承不承と言った様子ながら頷くティナに俺は内心、ため息を吐いた。


この分だとティナの機嫌を治すのは骨が折れるな。


「さて、俺は用事があるからこれで失礼する」


「私も失礼する」


後は夫婦の問題とばかりに義父と義兄は去って行った。


さぁ、ここからが問題だ。


俺は身を引き締めてティナに振り返った。




果たしてゼオンはティナの機嫌を治す事が出来たのでしょうかね?

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