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趣味の違い

今回はアラストールとスクルドの喧嘩で夜叉王丸は無責任を突き通す物語です。

「・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・」


その日、飛天夜叉王丸伯爵の屋敷である朧風おぼろかぜの鍛錬室は緊迫した空気で満ち溢れていた。


妻の一人で拷問・死刑を担当する地獄の処刑人アラストールともう一人の妻で北欧の神界の処刑人の異名を取るワルキューレの長を務めるスクルドが武器を持ち睨み合っているからだ。


アラストールは鎖鎌を構えスクルドはハルバードを上段に構えながらお互いを威嚇していた。


「前々から言おうと思ってったけど、貴方の時代劇の趣味って最悪よね」


分銅を振り回しながらアラストールはスクルドに冷笑を浮かべた。


「権力を立てに悪を退治する時代劇って最悪じゃない?」


「あーら?それなら貴方の時代劇の趣味の方が最悪じゃなくて?」


アラストールに負けじとスクルドも冷笑を浮かべた。


「金を貰って法に照らし合わせずに人を殺す時代劇なんて王道から外れてるでしょ?」


「言ったわね。くそ女神っ」青筋を立て声を荒げるアラストール。


「そっちこそ言ってくれるじゃないの」


ハルバートを振り回すスクルド。


「・・・・・・はぁ」


二人の妻の喧嘩の様子を部屋の端で見ていた夫である夜叉王丸は重たい息を吐きながら呆れ果てていた。


『くだらねぇー』


頭を抱えながら懐からMDプレイヤーを取り出し耳にイヤホンを付ける夜叉王丸。


『まったく高が時代劇の好みで喧嘩なんて情けない』


この二人の喧嘩の理由は二人の時代劇の趣味の違いからきていた。


アラストールの好きな時代劇は必殺シリーズや子連れ狼を始めとした人知れずに悪を退治する非王道時代劇に対しスクルドが好む時代劇は暴れん坊将軍や水戸黄門と言った王道時代劇で二人は何かと趣味でぶつかり合っていた。


夜叉王丸も時代劇は好きだが、どちらを好きかと問われれば必殺シリーズ系の時代劇が好きだが王道時代劇も嫌いではない。


特に夜叉王丸の好みの時代劇は鬼平犯火帳や旗本退屈男などの型破りな主人公の時代劇が好みで暇さえあればスクルドと一緒に見たりしている。


それがアラストールには気に入らないようで今日の喧嘩もスクルドと一緒に暴れん坊将軍を見ていた所にアラストールが乱入し逆上したスクルドが喧嘩を吹っ掛けたのだ。


つまり根本的な理由は夜叉王丸の独占なのだ。


しかし、当の本人は我関せずを貫きMDを聞く始末だ。


「はぁっ!!」


「ふっ!?」


妻の二人が真剣勝負をしている所で夜叉王丸はMDを聞きながら眠っていたそうだ。











今回の好みの時代劇を書いてすいません。

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