表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/62

風の軍旗

「・・・・・さぁて、そろそろ戦も始まる頃だな」


周りを一望できる丘の上で進軍を開始している天界の天使軍を見下ろす軍団長は何所か楽しそうな表情をしていた。


元スリで禁固百年を言い渡された俺を救ってくれて仕事を与えてくれた恩人である軍団長。


今の俺の任務は軍団長、飛天夜叉王丸様の軍である“風の翼”のシンボルである軍旗を持つ役目だ。


大変な名誉ある役目であるが同時に死んでも軍旗を敵に渡してはならない重要な役目を担っている。


そんな大事な任務をスリごとき俺に与えてくれた軍団長は


『死にそうになったら旗を捨てて逃げろ。旗なんて直ぐに取り戻せるが命は取り戻せない』


旗よりも俺の身を案じてくれてた。


その言葉を聞いて俺は誓った。


どんな目に俺自身が死んでも、この旗は敵に渡さないと誓った。


この軍団の旗は黒い布に赤色の翼が書かれ左右に剣と槍がクロスしたデザインだ。


剣と槍は激しい攻撃を黒は気づかれずに隠密な行動を赤い翼は何者にも捕まらない位に早く行動を表わしている。


このデザインは軍団長の故郷である日本という国の武田信玄という武将の風林火山という言葉から頂いたらしい。


はやきこと風の如く、しずかなること林の如く、侵掠しんりゃくすること火の如く、動かざること山の如し、という言葉を軍団長が自身なりにアレンジしたらしい。


皆、この名前の意味を気に入っていて旗持ちの俺を羨ましがった。


俺も気に入っていて旗持ちを誇りに思っている。


「さぁてと・・・・・そろそろ行くか」


腰に差していた真紅の鞘に収まった刀を抜いた軍団長は黒の一角獣に跨った。


「これから天使軍の不意を突いて攻撃する。俺に続け!?」


剣を掲げる軍団長。


おおおおっ!?


他の奴らも各々の武器を抜いて雄叫びを上げた。


「掛れ!?」


刀を片手に軍団長は丘から敵陣に突っ込んだ。


俺を始めとする仲間も軍団長の後に続いた。


「あれは・・・・“風の翼”!!」


一人の天使が横から来た俺の持つ軍旗を見て戦慄の声を上げた。


軍団長の軍は天界にその名を大きく轟かせていた。


俺も軍旗持ちとしてその名を天界に知れている。


「風の翼、旗持ち!スコウ・フェンス!?一番乗り!!」


俺は左手に旗を持って剣を抜いて大声で名乗りを上げた。


軍団長の戦では自分の名を売るため大きく声を出したそうだ。


それに倣って俺も大きく声を出した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ