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父様の妻に

今回は女帝様のラブダーリンの月黄泉と玉藻を主人公にしました。

「こら!月華っ。待ちなさい!?」


妾は着ていた袴を持ち上げて飛天との間に出来た今年で数え50歳(魔界では4、5歳)になった前方を走る娘の月華を追っていた。


妾の制止の言葉に月華は振り返ると舌を出して走り出した。


「待て!母に対して無礼ぞっ」


更に怒り走るも距離を離されていく。


「きゃははははっ!!お母様ったら遅い!?」


月華は笑いながら角を曲がった。


だが、角に待ち構えていた逞しい身体の持ち主によって糸も容易く抱き上げられた。


「こら、月華。また母様を困らせたな?」


月華を抱き上げて叱ったのは妾の愛する夫である飛天じゃった。


「父様っ。お放し下さい!早くに逃げないと母様が・・・・・・・・・・」


「妾がどうかしたか?」


着物の乱れを直しながら妾は飛天に持ち上げられた月華を見た。


「まったく。主は母に対する態度がなっておらんな」


「母様だって玉藻母様に暴言を吐いたりするじゃないですかっ」


月華は右の金色の瞳と左の黒い瞳で妾を睨んできた。


「月華、母様を睨んだりしては駄目だぞ」


月華に顔を近づけコツンと額を当てる飛天。


「だって・・・・・・・・」


「っで今日は何をしたんだ?」


「・・・・・・・・」


「和歌を勉強から逃げたのじゃ」


月華は黙秘したので代わりに妾が説明した。


「それは月華が悪いぞ。ちゃんと勉強はしような?」


流石は飛天じゃ。


「父様まで母様の味方するのっ」


月華は涙目で飛天を睨んだ。


「母様の方が正しいからだよ」


月華の態度に苦笑を漏らす飛天。


「・・・・うー」


月華はまだ納得いかない様子で頬を膨らませた。


「今日の勉強を真面目にやったらご褒美に月華の欲しい物を何でも上げよう」


「飛天っ」


妾は動じた声を出した。


冗談ではない。月華が欲しい物など決まっている。


「それじゃ月華を父様の妻にして下さいっ」


ほら、妾の思った通りの言葉を言ったではないか。


「俺の妻?それは無理かな」


「さっき何でもって言ったじゃないですか!?」


「月華、父様を困らせるのは止しなさい」


「「母上っ」」


飛天の後ろから妾の母上、玉藻が出て来た。


「だって父様はさっき欲しい物を何でもと・・・・・・・・・」


「えぇ。聞いたわ。けどね、飛天は物じゃないわ。だから駄目よ」


おぉぉ、流石は母上。見事な言葉。


「むー」


月華は何も言えずに悔しがった。


「さぁ、和歌の勉強に戻りなさい」


飛天から月華を取り上げ妾に渡す母上。


「私と飛天はこれからデートだから♪」


飛天の腕に自身の腕を絡め母上は笑顔で去って行き後に残された妾は腹いせに月華を夕方まで正座で和歌を教え泣かせた為に飛天から特大雷を落とされた。


「この馬鹿者が!!幼い子供に長時間の勉強は禁止だと言った筈だぞ!!」


「ひぃ!ゆ、許してたもれ、飛天っ。何も悪気が在った訳ではないのだ」


「だまれ!言い訳無用だ!?」


飛天の雷は凄まじく妾は震え上がった。


「ひぃぃぃ!!堪忍して!?」


罰として妾はその夜、飛天に抱かれるはずが無しになり他の妻に取られてしまった。





少し月黄泉が哀れです。

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