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プロローグ的な2

ただでさえ稚拙な文なのに無理矢理スチーム要素をぶち込んだせいで余計酷くなってるかも。

もしよければ批評お願いします。

 塀の野良猫がひとつ、大きなあくびをした。

 日は傾き隣の家からは賑やかな話し声と肉のほどよく焼けたいい匂いが漂ってくる。これはステーキだろうか?イタクが肉汁たっぷりのこってりステーキに思いをはせていると、イタクの腹が一際大きな音を立てて鳴った。

「腹が減っては戦は出来ぬ、イタクの腹も飯を食わせろと泣いてるようだしそろそろ夕飯にするか」

 ジョーゼフが髭についたクッキーの屑をほろいながら言う。

「ジョーゼフさんはいいですよ、ちゃんとクッキー食べられたんですから。僕も次からはジャムクッキーにしてもらうことにします」

 イタクが剣を鞘に納めると、二人は秋風を避けるようにノロノロと家の裏口へと入っていった。


「二人ともおかえりなさい。ジェーゼフさん、今日のおにいちゃんはどうでしたか?」

 クーが料理をしながらこちらを振り向き聞いてきた。

「練習中に腹がなってしまうほど気が緩んでたようだし、もっと厳しくしてやらんとな」

「僕のお腹が鳴ったのはもういいじゃないですか。それよりクー、今日の夕飯はなんだい?」

 実のところ今日の夕飯については聞かなくても分かっていた。なにせ甘い油のにおいが外にまで漏れていたのだから。それでもイタクが質問したのは、このようにして聞いてやるといつも妹が得意げな顔で料理を見せるのを知っていたからだった。

「ふふー、知りたい?今日のはごちそうだよ~!……ジャジャーン!ステーキでーす!」

 彼女の小さな体には似つかわしくない大きなフライパンの中でジュウジュウと心地よい音を奏でながらこれまた大きな肉が三枚でっぷりと鎮座していた。

「ステーキ!……そういや隣の家も今日はステーキだったみたいだったけれど、今日は何か特別な日だったっけ?」

 椅子に座りながらイタクが首を捻る。

 「もう、おにいちゃんったら!明日は地平祭なんだよ!だから今日は豪華な食事を食べて家族で過ごなきゃダメなのに。」

 地平祭。人々が魔法使い達の重苦しい鎖を剣で断ち切った日。この日はありとあらゆる国の人々が自由を謳い喜ぶ日だった。イタク達の王国と戦争中の帝国でさえもそれは同じのはずだった。

「そうだったのか、そんな大事な日に僕はなぜ修行なんか……。ジョーゼフさん、どうして教えてくれなかったんですか?」

「いやぁごめんごめん、でももし今日が前日祭だなんて言ったらイタクは絶対どこかに遊びに行くだろう?明日は二人とも面白いところに連れていってやるからさ、許してくれよ」

「わかりました、でも絶対に連れてってくださいね!」

 イタクが念を押して約束をする。

「ところでジョーゼフさん、なんだか部屋寒くないですか?」

 イタクは一つ身震いをするとジョーゼフに聞いた。

「言われてみれば確かにそうだな。よし、暖房のノブを回しなさい。それで少しは暖かくなるだろう」

 イタクが言われたように部屋の片隅にあるノブを回すと、部屋に張り巡らされた温水菅にお湯が流れ始める。

 イタクがノブを回し終え椅子に座って「明日は祭りにいくら持っていこうか」などと考えていると台所からこちらに向かってくる声が聞こえた。

「ステーキできたよー!」

 どうやらステーキが焼きあがったらしい。イタクはイスから立ち上がると食器棚から幾つか鉄のプレートを出すとフォークとナイフをテーブルの上に並べた。

「クー、他に何か出すものあるかな?」

 イタクは一通り食器を出し終えるとクーに聞いた。

「んっと、じゃあこのサラダボウルも持ってって。あ、サラダのお皿も持ってきてね。流し台に置いてあるから」

 クーがステーキを盛りつけながら指示する。

「クーはなんだかイタクのお姉さんみたいだな。おいイタク、こんな小さい子にお世話されてて恥ずかしくないか?……まぁ俺ならこんな小さな女の子に世話されるのもやぶさかではないが」

「ジョーゼフさんってたまに変態ですよね」

 イタクがジョーゼフをさらりと流して流し台を見ると、なるほど確かに洗い立ての食器が置いてある。サラダを盛るのに丁度よさげな皿を三枚持つとそれをテーブルに配置し椅子に座る。

 「それじゃあ食べよ!」

 クーが言うと三人が手を合わせる。

 「「「いただきます!」」」」

 部屋のランプの柔らかな光が食卓を照らしていた。

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