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ヨコシマなスイカ<誕生>

作者: 作者不明

<誕生>

「みんな近づいてはだめだぞ。毒を持っているかもしれないから」収穫に来た農家の親父が叫んだー、キカイダー、ビジンダー。

「変なのがあるぞ、初めて見るな!」驚きと感嘆と絶望を与えてやった瞬間だった。

「本当か、こんなのどうやってできたんだ?」子供の悪意に満ちた言葉に、驚きと感嘆と絶望を感じた瞬間だった。

「さわんなよ、危ねえぞ!!!」親父は一緒に収穫をしに来た子供たちに下がれと言わんばかりに大声を出す。

「何だこれ?見たことないよ、ちょっと怖いね、しかも気持ち悪いよ」子供のひとりが木の棒を持ってきてつっつく。

「これ、やっぱ毒あるんじゃないか?このまま放っておこうよ!」寂しさを感じた。


 確かに他のとは姿が違うかもしれないけど、もう少し大事にしてくれてもいいんじゃないかなって思った。だって特別なんだよ。こんなのどこ探したっていないよ。もっとちゃんと見てよ。この洗練されたフォルムと山田(今だ)かつてないデザインを。って言うか模様を。

不意に、親父は叫んだ。

「ヨコシマだ、ヨコシマなスイカだ、これは!ここから早く離れないと、みんなやられてしまうぞ。(昭和に)」

親父はふと、思い出した。

「昔、爺さんに聞いたことがある。ヨコシマなスイカ現れるとき、南斗と北斗が乱れると。そして灸千種伝説が始まるのだってよ。」


 ※灸千種とはあらゆる植物を乾燥させ、一種類ずつ(時には何種類かを調合し)人間の患部に肌の上からそれを置き、線香の火によって燃やしながら熱さを体内部に伝え、内部からの治療を試みる、一子相伝の秘技。(失敗してもいいし、そうでなくても気持ちいいらしい)

 ヨコシマなスイカが何故生まれたかは誰も知らない。(生物学的に言うと突然変異?)しかし、これからヨコシマなスイカはどうも過酷な旅を続けるみたいだ。時に殴られ、時に蔑まれ、時に笑われ、時に憐れまれ、そして時に忘れられ。それでも生きて行こうと、たった独りでも納得できないものは切っていこうと決めて、ROCK(岩)のように固くなろうと決意し、ROLLIN’(転がる)することにしたのだってよ。(とにかく、昭和臭いらしいぞ)

やっぱり、こんなのダメでしょうか、編集長さん?



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