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楠先輩の不思議な園芸部  作者: ひょうたんふくろう
楠先輩の不思議な園芸部
3/127

2 イチゴとトマトとまごころとシーズン ☆

【写真提供:谷川山(枯葉山)さん】です。

本当にありがとうございます!

「それでつられちゃったの? あんた、大丈夫?」


「……たぶん。 それに、よっちゃんだっておいしいっていったじゃない」


「それはそうだけどさぁ」


 華苗はクラスでできた友人──よっちゃんと話していた。


 よっちゃんは元気で明るい子だ。ある日、お弁当を食べる相手がいなくて華苗が一人寂しく包みを開けていたとき、一緒に食べようと声をかけられたことをきっかけとして仲良くなったのである。それ以来、基本的に華苗はよっちゃんと一緒に行動していることが多い。


「たしかにおいしいイチゴだったけど、実はスーパーで買ったものとか……」


「ない! それは絶対にない!」


 あのあと、楠はどこからか取りだしたパックにイチゴをいっぱい詰めて華苗を送りだしてくれたのだ。他の部活も見て来いといって。


 なんだかんだいいながらも、楠自身、部活を強制するつもりはなかったらしい。土産を持たせた時点でなにかしらの下心がなかったとは言い切れないが、それでも常識の範疇だろう。ひどいところではなかなか帰してくれなかったりするのだから。


「男一人のとこに、このちんまいのが入るとか……。こわかったらすぐおねーさんのとこに来るのよ?」


「そんなちんまくないもん!」


 結局他の部活も見て回った華苗だったが、どれもイマイチでピンと来るものはなかった。ある種の決心がついた華苗はいっそそれならば、と園芸部に入ることに決め、先ほど受理されたばかりである。


 なんだかんだいっても楠はいい人のようだし、なによりイチゴ食べ放題だ。ひょっとすると、お菓子部に入るよりもおいしい思いが出来るかもしれないと考えたのである。


 なお、全く関係ないが華苗とよっちゃんでは頭一つ分よっちゃんのほうが大きい。傍から見れば、今の華苗は親戚のお姉さんに学校の相談事をしているように見えたことだろう。


「でもさぁ、イチゴにしろなんにしろ、一回収穫したら、また食べられるの、一年先なんじゃない?」


「……あぁっ!」


 友人の言葉に気付いた時には、時はすでに遅かった。その当たり前すぎる事実に気付かなかったあたり、華苗は結構バカなのである。


 尤も、このあまりにも当たり前すぎる現実を当然のように否定されることを、今の華苗はまだ知らない。


 もしその事実を知っていたのなら、華苗の高校生活はまたちょっと変わったものになっていただろうが、それこそ神のみぞ知ることである。





「……楠先輩、準備、できましたぁ」


「…どうした、元気がないな」


 放課後、華苗は園芸部員として例の校舎裏の畑にいた。


 ちょっと長めの黒髪を邪魔にならないよう後ろで一つにくくり、部の備品である軍手、長靴をつけ、自前の汗ふきタオルを首にかけている。


 麦わら帽子は楠の予備のものだ。入部祝いということでなぜかプレゼントされたのである。


 ちなみに、汚れてもいい動きやすい服装で、とのことだったので今日は体育に使うジャージを着ている。今度楠が自分のと同じ特注品のオーバーオールを学校からの部費で注文するそうだ。


「先輩、イチゴ食べ放題って、嘘、なんですよね……」


「…俺は冗談は言うことがあるが、嘘はほとんど言わない。それよりさっさと収穫だ」


「……はぁい」


 楠はさっさと籠を手に畑のイチゴを植えてある場所へと向かう。華苗に付き合う気はさらさらないらしい。


 楠は昨日と同じように、慣れた手つきでイチゴを収穫していった。最初こそがっくりしていた華苗だったが、楠の見よう見まねでイチゴを収穫するうち、なんだかルンルンと楽しい気分になってくる。


 イチゴの収穫は割と簡単なのだ。園芸初心者でもすぐに慣れる。


「先輩、なんだか楽しいですね!」


「…そうだな、俺はこうやってのんびりと収穫するのが好きだ。農家だと、せわしっこそうでやってられん」


 話しながらも二人の手は止まらない。黙々と単純作業を繰り返す。ある種の快感がそこにはあった。落ちモノパズルをひたすら繰り返す、といえばわかりやすいだろうか。


「先輩、先輩! こんなにいっぱい採れましたよ!」


「…なかなか筋がいいじゃないか」


 全身をつかって畑をかけずり回り、湧き出てくる汗をタオルで拭う。熱い日差しが容赦なくむきでた肌を焦がすが、それすらどこか痛快だった。土の匂い、草の匂い、風の肌触り、全てが心地よかった。


「終わりました!」


「…水やりを頼む」


 やがて、全てのイチゴを収穫すると、今度はトマトの水やりに移る。畑に並んで突き刺された棒に、絡みつくようにしてトマトは成長していた。黄色い花が可愛らしく咲いているが、少し萎びている。


 なんでもトマトは水の与えすぎも与えなさすぎもよくないらしく、まさに水加減一つで出来栄えに大きく影響が出てしまうそうだ。楠は葉っぱと花、特に土の乾き具合をみて水やりのタイミングを決めているらしい。ちょっと乾燥しているくらいがちょうどいいそうだ。


「大きくなぁれ♪」


 多すぎず、少なすぎず。小屋にあった赤いぞうさんじょうろで華苗はトマトに水を注いでいく。水が土にしみこむと、トマトがありがとうと言ってくれている気がした。





「…今日のところはこれで終わりだ。収穫したイチゴは好きなだけ持って行っていい。 基本的に、収穫したものは俺たちが自由にしていいんだ。ただ、念のため持ってく前に一声かけてくれ」


 六時ごろになってようやく全ての作業が終わった。二人でやってこの時間なのだから、一人でやってた頃はもっと時間がかかっていたことだろう。案外、人手不足だったのかもしれない。


「はい! 先輩、あしたは何をするんですか?」


「…まぁ、今日と同じ感じかな。うまくいけばあっちも収穫できるかもしれん」


 持ち帰り用イチゴを袋詰めしていた華苗はろくに楠のいうことをきいてはいなかったが、今日と同じ、というところだけは聞いていた。今日と同じならそれでいいとぼんやりと認識する。


 イチゴを一杯もらえたのもうれしいし、なんだかんだで農作業は結構楽しかったのだ。


「…なにか育てたいもの、やりたいことがあったら遠慮なくいってくれ」


「はい。ではお先に失礼します!」


 華苗はホクホク顔で帰路につく。楠はもうちょっと作業をしてから帰るらしい。


 ほとんどの部活では作業を残して先輩より先に後輩が帰るなどあまりないことではあるが、楠はそんなことを気にしないタイプだったし、部活経験のない華苗はそんなことは知りすらしなかったのだ。





「──んなっ!?」


 そして翌日。今度は中学時代のジャージを着て畑にきた華苗だったが、畑をみて一瞬悲鳴をあげそうになった。


 楠はいたって平常通り、小屋から籠や鍬といった農具を持ち出している。驚いた表情の華苗を見つけると、あきれたように口を開いた。


「…昨日は元気がなく、今日は驚愕か。明日はどうなるんだろうな?」


「な、なななな、な」


「…“な”、だけで会話はできん。ちゃんと言葉を使え。どうしたんだ?」


「あ、あああ、ああ」


「…悪いが“あ”でも俺はわからん。腹が痛いのか、頭が痛いのか、それとも気分が悪いのか、高校生なんだからちゃんと言えるだろう? 別に恥ずかしがることはない、ちゃんと保健室に連れて行ってやる」


 そんな楠の言葉は華苗の耳には入っていなかった。華苗が眼にしたのはイチゴ。ただの普通のイチゴだ。ただし、そのイチゴは……。



「なんで昨日収穫したイチゴがまたあるんですかぁっ!」


                      

 そう、昨日華苗は他でもない楠と一緒にイチゴを全て(●●)収穫したのだ。華苗の記憶が確かならば一晩でイチゴが出来るなんてことはあり得ないし、昨日収穫し残した、なんてこともない。ここにイチゴがあるはずがないのだ。


 だが、楠は何を言っているんだといわんばかりに首をひねる。その眼は、トンチンカンな事をいう子供を見るような感じであった。


「…なぜって、また生ったからだろう? 何をそんな当たり前のことを……?」


「いやいやいや! 普通一晩でイチゴはなりません! タケノコだってもっとゆっくり成長しますよ!」


「…まごころこめて、育てたからな。それにちょっと遅めとはいえシーズンだし」


「そういう問題ですか!?」


「…そういう問題だろう。あっちのトマトを見てみろ」


 楠に指さされて見た場所にあるのは、昨日華苗が水をやったトマト畑。昨日はちょっと萎びた黄色い花があったが、今日はない。かわりにあったのは、青くみずみずしいトマトでああった。もうちょっとまてばきっとおいしそうに赤く熟れるだろう。


挿絵(By みてみん)

【写真提供:谷川山(枯葉山)さん】


挿絵(By みてみん)

【写真提供:谷川山(枯葉山)さん】

(なお、二枚ともミニトマトです)


「…あっちはちょっとシーズンからずれてるから、収穫まではいかなかったか。いけると思ったんだがな……」


「いやいやいや……」


「…まごころだけでは、シーズンの壁には勝てない、か……」


「シーズン云々関係ないよね……?」


 もはや放心状態にちかい華苗に向かって、いつも通りといわんばかりに楠はいう。


「…ともかく、今日もイチゴの収穫だ」





 ひとつ、ふたつ、みっつと採っていくうちに、華苗の気分もだんだんよくなってくる。ちょっとひっぱってぷつん、と採れる感じがまたなんとも言えない。この感覚は実際に収穫した人でないとわからないだろう。


 楠にはまだまだ遠く及ばないが、華苗の収穫スピードもちょっとだけ上がっている。



「…イチゴが終わったら、トマトに水をあげておいてくれ。昨日よりちょっと少なめにな」


「はーい!」


 現金なもので、華苗はもうすっかりこの異常事態に適応してしまったようだ。つまるところ、華苗はイチゴをお腹いっぱい食べられればそれでよかったのである。


 夢に見たイチゴ食べ放題。それもとびっきり上等なもの。女の子なら、喜ばないほうがおかしいだろう。それに、楠は本当にイチゴ食べ放題という約束を守ったのだ。


 ふんふんと鼻歌を歌いながら気分よく畑の中に入り、くるくると踊るように赤いぞうさんじょうろでトマトに水をかけていく。この畑は通る人もいないし、校舎の中からもほとんど見えないので、ちょっと恥ずかしいことをしていてもまったくもって問題ない。


「…踏み荒らすなよ、トマト」


「きゃぁっ!」


 楠がいるのを忘れているあたり、やはり華苗はバカなのだろう。





「やっぱり、収穫できますか……」


「…収穫できるのはいいことじゃないか?」


 さらにその翌日の放課後。


 もはや恒例となったイチゴの収穫を終わらせ、華苗は楠に持たされた鋏をもってトマト畑の前にいる。鋏は園芸用の、持ち手が大きくて丸っこくなっているタイプのものだ。このタイプのものは使いやすく、使用用途も広くて万能らしい。まるで当然のように赤々となっているトマトを切り取るものである。


 昨日までは青く、一昨日は花だったはずの真っ赤なトマト。いいかげん気持ち悪くすら感じるレベルだが、楠は平然としている。予想していた事とはいえ、いったいこの畑はどうなっているのだろうか。


「先輩、遺伝子組み換えだとか突然変異種だとか使っています?」


「…なにをバカなことを言っている。ここにあるのは全てごく普通の天然物だ。体にいいことさえあれど、害になるモノなどありはしない」


 さも当たり前のように答える楠。もうその話は終わりだとばかりに鋏をにぎにぎして開き具合をチェックしていた。


 楠は絶対にそんなことしないが、収穫後手入れをせずにほったらかしておくと、野菜の水分が付着しているため錆ついたりして劣化が早くなるのだ。それに楠自身、錆ついた鋏で採った野菜はあまり食べたくない。気分的に嫌なのである。


「…八島、おまえ、ちゃんと鋏は使えるよな? 握力が足りないならムリしなくてもいいぞ?」


「そこまで子供じゃありません!」


 トマトはちょっとコツがいるが、手できれいにもぎ取ることが出来る。楠はもぎ取るよりも切り取る派なので愛用鋏をつかっているが、華苗の小さな手ならもぎ取るほうが楽かもしれないと、鋏を渡してから気づく。


 ちなみに楠がもぎ取るのが苦手なのは、力加減を間違えて、トマトを握りつぶしてしまうからである。華苗だったら使いにくい大きな鋏よりも、手でもいだほうがまず間違いなくうまくできていただろう。


「…なるべくヘタのほうで切るんだ。できれば一発でスパンと」


「了解です!」


 二人でパチン、パチンとトマトを収穫していく。


 鋏で一発で切れないと、切り口がぐじゅぐじゅになってちょっと見た目が悪くなる。それに楠自身の経験ではあるが、次に実をつけるまですこし時間がかかるうえ、実がついたとしても質がちょっと落ちている気がするのだ。


 もっとも、この異常な成長をするトマトの話なので、決して一般論ではない。


「…籠に入れるときはヘタを上にな。そのほうがうまくなる」


「意外と細かいんですねぇ」


 華苗は片手で抱え込むようにもった籠に切り取ったトマトを入れていく。手でもぎ取るイチゴも楽しかったが、道具を使って収穫するのもまた面白い。


 慣れてくると流れ作業のようにパチン、パチン、パチンとリズミカルに収穫できる。たまに落としそうになるのはご愛嬌だ。


 赤く立派に熟れたトマトは見た目よりもずっと重く、軟らかくて華苗でさえひょっとしたら握りつぶしてしまうのではないか、と思えるくらいのみずみずしさだが、それでもどこかどっしりとしていて、自然のエネルギーがはちきれんばかりに濃縮されているかのようだった。


「いっぱい収穫できましたけど、これどうします?」


 籠にいっぱいに詰まったトマトを見て華苗は楠に問う。自分だってすでにいくつか籠を新しいのに交換しているし、華苗以上の収穫スピードを誇る楠はもっと採っているだろう。あまりに採れ過ぎてしまって、処分に困ってしまうくらいだ。


「…採ったのなら食うしかないだろう?」


「……このまま?」


「…このまま。ウチのはきれいだから洗わないでもそのまま齧りつける」


 そういって楠は手に持った真っ赤なトマトに齧りついた。たらっとトマトの汁が顎を伝って地面に落ちるのが分かる。


 なかなかワイルドな人なんだな、というのが華苗が真っ先に考えたことだった。

そのままもごもごと口を動かし、ごっくんと飲み込んだ楠は軍手で口をぬぐいながら言った。


「…やっぱりシーズンのずれのせいか、いつもより少し味が落ちてるな」


「……シーズンってまだいうんですか?」


 とはいえ、華苗自身、このトマトを食べてみたい。流石に楠みたいにいきなり丸かじりは怖かったので、首のタオルで表面をちょっとだけぬぐう。つやつやぴかぴかのトマトが顔をだした。


「いただきます」


 小さく口を開けカプリと齧りつく。小さめの犬歯がトマトの薄い皮をプツリと切り裂くと同時にトマト特有の甘味が口の中に広がった。


「ッ!」


 しゃくっとした、硬くはないが決して軟らかくはない瑞々しい歯ごたえ。普段はあまり好きではないぬるっとした種の部分も、今回は全然気にならなかった。




「…やはり八島にとってもイマイチだったか? 決して悪くはないんだが、なんか物足りないんだよな……」


 決してイマイチなもんか。これがイマイチだというのなら、普段食べているトマトは一体何だというのだ、と華苗は思う。どうやら楠はふだんから随分ぜいたくなものを食べているようだった。


「おおお……!」


 ただ、そんな文句も今の華苗はいうことができない。無我夢中でトマトを食べているからだ。


 なるほど、洗ってきれいに調理して食べるのもいいかもしれないが、こうして自然のままで齧りついて食べるのもまたいい。むしろこっちが本来の人間のとるべき食事の姿ではなかろうか……とさえ思えてくる。


 トマトの汁で手をべちょべちょにしながらも、十分に堪能した華苗は、タオルで軽く口をぬぐうと深呼吸して言い放った。


「イマイチなどころか、絶品です! こんなおいしいトマトは初めてです!」


「…それならいいんだが。今度はちゃんとシーズンのを食おう」


「一体どうしてこんなにおいしいんですか?」


「…まごころだな」


「ほんとにそれだけですか?」


「…わき芽取りと、摘芯もやったか」


 わき芽取りは成長途中のトマトの芽を摘み取ってしまうことである。こうすると全体でできるトマトの個数は減ってしまうが、その分一つ一つにいきわたる栄養が増えるため、なかなか有効な手段だ。また、害虫の発生予防にもつながるというからすごい。


 出来が悪いのをたくさん作るよりも、少ない量でもいいモノが良い。そんな考えからの技術だろう。


 摘芯はある程度成長したトマトの茎の成長点を切り取り、これ以上の成長を止めてしまうことだ。こちらもやはり、成長を止めることによってその分の栄養を実に渡すことが出来、結果としてより品質のよいトマトが出来るというわけである。見切りをちゃんとしないといけないので、摘芯のタイミングは重要だったりする。


「…昨日、おまえが帰った後にやったんだ」


「いってくれれば一緒にやったのに」


「…手がめちゃくちゃ臭くなるぞ?」


「先輩、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします」


 なんとも現金な後輩である。


 ちなみに臭くなるだけでなく、黒く汚れたりもするので、軍手などをつけることが推奨されている。


 また、楠は言い忘れたが、トマトの茎を棒にうまく結びつけて支えてやることも重要だ。こうしないとうまく成長しないし、きつく結びすぎると成長を阻害してしまう。そのさじ加減もまた重要だ。


「でも先輩、それって普通の農家ではやらないんですか?」


「…普通の農家だったらもっと厳しくやってるな。俺のところはまごころをこめているから、気づいたときにやるくらいだ」


「じゃ、特別おいしい理由には……」


「…なっていない。最初から言っている。まごころがあるからうまいのだ」


 もうそれでいいや、ともはや突っ込む気力も失せつつ華苗は二個目のトマトに齧りつく。うまい物を食べているときは、何も考えずにたべていればいいのだ。


「…よし、今日はこんなもんだろう」


「お疲れさまでーす」


 結局謎の成長をするおいしい野菜たちの秘密は、華苗にはわからなかった。畑になにかあるのか、楠自身になにかあるのか、それとも本当にまごころによるものなのか。答えは楠だけが知っているのかもしれない。


20150413 文法、形式を含めた改稿。

20150415 誤字修正

20150501 誤字修正

20150620 挿絵挿入

20160628 誤字修正

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