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おまけ2 結婚式のあとで

 オルヘルスとグランツは式が終わると、一緒にふたりの部屋へ向かった。


 ふたりの部屋と行っても、共用のスペース以外に各々の部屋もあり、オルヘルスは疲れていたのでとにかくドレスを脱いで湯浴みをしたかった。


 屋敷からはオルガを連れてきていたので、部屋に入るとオルガの名を呼んだ。


 ところが誰もいる気配がなく、驚いてグランツを見上げるとグランツはにっこりと微笑んで言った。


「君には言ってなかったが、今日はふたりきりで過ごしたくて使用人はみんな下がるように言ってある」


「そうですの」


 そう答えながら、ドレスをどうやって脱ごうか考えていた。なぜなら、そのドレスはボタンが背中にありひとりでは脱げないドレスだったからだ。


 そこで提案する。


「ほんの少しの間だけ、誰かを呼ぶことはできませんかしら?」


「なぜ?」


 グランツはそう言うと、オルヘルスに一歩近づきオルヘルスは一歩後ろへさがった。


「今着ているこのドレス、ボタンが背中にありますの」


「それで?」


 そう言うと、グランツはまた一歩オルヘルスに近づく。


「だから、誰かに手伝ってもらわないと……」


「ふーん」


 こうしてやり取りをしているうちに、オルヘルスはグランツに壁際に追い詰められていった。


「このドレスはひとりでは脱げないんですの!」


 最終的にそう叫んだとき、オルヘルスは完全に壁に追いやられそれ以上さがれなくなっていた。


 すると、グランツは獲物を捕らえるような、熱っぽい視線を向けながらながらタイを緩めると、壁に手をついてオルヘルスの退路を断った。


「大丈夫、私が手伝うから」


 オルヘルスは激しく鼓動する心臓を静めようと、深呼吸するとグランツの顔を見上げる。と、グランツは真剣な眼差しでオルヘルスを見つめ返した。


 驚いて顔を背けると、その耳元でグランツは囁く。


「大丈夫、約束していたとおり今日を素敵な夜にしてみせる」


 オルヘルスは小さな声で答える。


「はい。よろしくおね……」


 続きの言葉は、グランツに口を塞がれて言えなかった。


ここまでお付き合いくださりありがとうございました。


また、連載中いいねで応援くださったかたや評価、ブックマークしてくださったかた。 


本当にありがとうございました。励まされました。


これからも、皆様が面白いと思えるような作品を書けるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。


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