↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/42

第17話

数日後、いつも通りの仕事をこなしていると旦那様に声をかけられた。

「何度も済まないね、コハルちゃん」

「パパ、速く本題に」

ソフィア様が旦那様にそう急かすと、おもむろに話を始める。

「バルトラムについて決まった事があってね……」

「彼の死因は、馬車の転落事故による物になった」

旦那様は続けてそう言った。



「彼の悪事、計画については世間一般には公開されない。行政機関の信用を落としたくないんだろう」

「それに伴い、君たちがやった事も無くなる」

「……分かりました」

「ありがとう。……よし、これ以上先は大人のやる事だ」

「時間を取って済まないね、これで終わりだよ」

「はい、失礼します」

そう言って僕は部屋を出る。



★



ソフィア様と二人で屋敷を歩く。

「ねえコハル、ちょっと付き合ってくれる?」

ソフィア様はそう言って僕の前を行く。

「はい、大丈夫ですよ」

「そ、じゃあ行こ」

そしてソフィア様の後をついて行く。

屋敷を出て馬と馬車を手際よく準備していく。

「コハルは馬車の操縦はできる?」

「……経験も無いです」




「なら私がその、教えてあげるから」

「その、はいお願いします」

「乗って」

そう言ってソフィア様が先に乗り、僕もそれに続いて隣に座った。

「手綱を持って」

言われた通りに握ると、ソフィア様が僕の手を上から握りゆっくりと動かし始める。

「こうすると馬が動くから」

「は、はい」

僕はソフィア様を意識しながらも手綱を動かす。

「あっ!」

そして馬が動き出し、その勢いで体勢を崩すが、ソフィア様が僕の手を掴み何とか堪える。



「大丈夫?コハル」

「……あ、ありがとうございます」

顔が近い。心臓の鼓動が早くなる。

「しっかりしてね」

そう言って微笑むソフィア様を見て僕は顔が赤くなる。



「どうしたの?大丈夫?」

ソフィア様はそう言って僕の顔を覗き込んだ。

『コハル様、やはり人間は欲望に忠実です』

(うるさいよ!)

「だ、大丈夫です」

「そう……じゃあ続きね」

再び手綱を握らせてくれる。今度はしっかり握り馬を動かした。



★



「やっぱり覚えるのは速いわね」

ソフィア様は感心するようにそう言った。

「ソフィア様が教えてくれたお陰ですよ」

「そ?なら良かった。……じゃあ行きましょ」

ご機嫌なソフィア様を見て僕は安心する。



ソフィア様に付いて行くと一際大きい建物にたどりつく。

その建物の中は賑わいで満ちていた。市場のような場所で、商人たちが商品を並べ、買い物客たちが忙しく行き交っている。

ソフィア様は自信に満ちた足取りで中へ入って行く。

「ソフィア様、何か買うんですか?」

「そうね」

そう言って辺りを見回し商品を探す。

暫くして一つを選び商人の元へと持って行った。

そしてお金を払うと、こちらに戻って来た。

「はいこれ」



ソフィア様は手に小さな袋を持っており、僕に手渡した。

「これは?」

「開けてみれば分かるわよ」

言われた通り袋を開けてみると、そこには綺麗な花の髪留めが入っていた。

「髪留め?」

ソフィア様は微笑み、僕に言う。

「コハルにあげる」

「い、良いんですか?こんな高価そうなもの」

「ええ、勿論。コハルに似合うと思って買ったんだから」

髪留めを手に取り、僕はそれを見つめる。



「……ありがとうございます、大切にします」

「じゃ、付けてあげる」

そう言ってソフィア様は髪留めを手に取り、僕の髪に付けてくれる。

「うん、可愛い」

満足げに言うソフィア様。

「ありがとうございます」

僕は改めてお礼を言った。そしてソフィア様は言う。



「コハルは可愛いんだから、もっとおしゃれをするべきよ」

「そう……ですかね?」

おしゃれね、まあどっかの女神のせいで出来ないけど。

『そうですよ』

僕の疑問にゼラが答える。

(ゼラ、おちょくってる?)

『まさか』



そんなやり取りをしていると、ソフィア様が言う。

「さ、行くわよ」

「はい、行きましょう。ソフィア様」

その後、ソフィア様と買い物を楽しみ屋敷へと戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。