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3歳になりました ⑥

精霊王達が帰った後、正気に戻ったみんなから詰め寄られ、質問攻めにあった。みんな目が血走っていてちょっと怖かった。


私は、部屋で歌の練習していたら6人の小さな妖精が現れて一緒に歌おうって流れになったと説明した。するとみんな、私のことを何とも言えない表情で見ていた。いや、私悪くないでしょ?!まだ3歳だよ?!この世界のことなんて全然知らないもん!!絵本で聖霊とかいるって読み聞かせしてもらってたから、妖精が見えるのだって普通だと思うじゃん!!


知らなかったんだけど、妖精…じゃなかった、精霊王が人間の前に姿を表したのは3000年ほど前なんだって。今の王家の先祖にあたる人が加護をもらい、その力を使いながら豊かな国を作っていったそうです。そしてその豊かな国とは私が住んでいるリュミエール王国こそがその国なんだって!!


その後のお父様達の行動は早かった。すぐに緘口令が敷かれ、両親とお祖父様達は急遽会議を開くことになった。お父様は歌とプレゼントをありがとうって言いながらほっぺにキスしてくれた。他のみんなも出ていく時に素敵な歌を聞かせてくれてありがとうって言われた。でも歌を歌ったことで更に問題を大きくしてしまった気がしてショボンとしてしまう。そんな萎れた私をお兄様達が抱っこして慰めてくれたり、護衛の2人とジゼルがオロオロしながら見守っていた。


慰められているうちにだんだん腹が立ってきた。もちろんお兄様達に対してじゃないよ!聖霊王達、絶対分かっていて私に黙っていたよね?!


むうぅ〜!!!私のモチモチほっぺが風船のように膨らんでいく。


「セ、セリーヌ?!どうしたの?!」


「どうした、セリーヌお腹でも痛いのか?!」


「…聖霊王様達に騙されたので、私怒っていますっ!!!もう、絶対歌は歌わないっ!!!」


『『『『『『そんなのダメだ!!!(よ)』』』』』』


輝きと共に聖霊王達再び登場。


『私達は、セリーヌの歌が大好きなのよ!!お願い、もう歌わないなんて言わないでぇ〜っ!!』


『そうだぞ!久しぶりに楽しい娯楽を見つけたというのに!!』


私はオロオロしている聖霊王達をジロリと見て思いっきりプイってしてやった。するとガーンって表情になり慌て出した。


『な、何をそんなに怒っているんだ?』


「わざと黙ってたって私わかってるんだから!!意地悪する人なんてお友達じゃないもん!!!」


『『『『『『っ!!!』』』』』』


って言ったら、しおしおに萎れたナメクジみたいになってしまった。何だかこっちが悪いことしてる気分になる…。はぁ〜…しょうがないなぁ〜。


「こほんっ!…ちゃんと謝ってくれるなら許してあげる!!」


『『『『『『我々が悪かった(わ)!!』』』』』』


「…謝ってくれたから許してあげます。私も怒って酷いこと言ってごめんね?」


そういうと聖霊王達はワラワラと私に駆け寄ってきて口々に謝ってくれた。囲まれたお兄様達は硬直して固まってしまったので、聖霊王達に落ち着いてって声をかけた。


「あ、今まで妖精さんって呼んでいたけど皆さんのお名前は?」


『我々には名前はないよ。それぞれ属性によって呼ばれている。光ならば光の精霊王とね』


「そうなんだ〜、名前がないと不便じゃない?」


『そうか…考えたことも無かったな。ではセリーヌが名前をつけてくれ』


「え?私が名前をつけていいの??」


『もちろん』


え〜っと、どうしようかな〜…見てるとみんなキラキラしてるんだよね〜キラキラ…って言ったら宝石?


「分かった!ではこんな名前はどうかな〜?」

私は彼らの名前は、宝石をイメージしてつけることにした。そして私が接してきた精霊王達の性格はこんな感じだよ。


<光の精霊王:オパール>白銀の髪と瞳、サラサラのロングヘアーの美丈夫。明るい性格。

<闇の精霊王:ジェット>黒の髪と瞳、サラサラのロングヘアーの美丈夫。落ち着いた大人な感じ。

<火の精霊王:ルビー>赤の髪と瞳、短髪のキリリとした目元の美丈夫。活発なハキハキした性格。

<水の精霊王:サフィー>水色の髪と瞳のスレンダーな知的な感じの美女。もみあげは顎くらいに揃えら、後ろはストレートに伸ばされた髪。論理的な感じ。

<土の精霊王:アンバー>茶色の髪と瞳のダイナマイトボディの艶やかな美女。真ん中分けの長めの前髪と緩いウエーブのロングヘアー。おっとりした感じ。

<風の精霊王:エメ>緑の髪と瞳のやや童顔の美丈夫。ニコニコでふわふわな美青年。


精霊王様達の見た目年齢は20代ぐらい。光と闇の精霊王は双子って感じで見た目は瓜二つだけど、髪と瞳の色、性格は真逆って感じ。しかも彼ら2人は髪と瞳が虹色に輝いているんだよね!


私がつけた名前をみんな気に入ってくれたみたいなので、今後は名前で呼ばせてもらうことにする。


『セリーヌ、素敵な名前をつけてくれてありがとう。ちょっと、自慢しに行ってくる!!』

オパールはそういうとみんなと共に姿を消した。


え?誰に自慢するんだろう??


ま、いいか〜!


私は固まって真っ白になってしまっているお兄様達の頭をなでなでして落ち着かせることにした。しばらくすると固まっていたみんなは意識を取り戻し、今日は部屋に戻ろうと言って私を抱っこして連れて帰ってくれた。


この時、私はスルーしてしまったけど、とんでもないところに自慢しに行っているとは思いもしなかった。お父様達ごめんなさい。

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