3歳になりました ①
すくすくと成長し、3歳になりました!!家族の溺愛が激しくて、本当に…本当に大変だった…。父や兄達がほっぺをすりすりし過ぎて赤く腫れた上がり、お母様に雷を落とされ抱っこ1週間禁止された時はお父様とお兄様達が日に日に弱っていく姿がかわいそうだった…。
お母様は私を着せ替え人形にして、日に何度も着替えさせられて大変だったなぁ…。最近は自分の意志を言葉で伝えられるようになったので、大分落ち着いた。
しかし母だけではなく父や兄達からも山のようなプレゼントが度々届くのでいつも申し訳なく思う。私のためにお金を使わないで、公爵家で働いている人や領民のために使って欲しいと伝えたら、感動されてますますプレゼントをもらうようになってしまった…。上手くいかないなぁ…。
ちなみに私へのプレゼントは領民の税金から使われているのではなく、公爵家の私財の部分から買っているそうなのでちょっと安心した。贅沢をしていてクーデターに遭い死亡!なんてなったらたまらない。せっかく転生したのだから精一杯楽しく生きたい。
「お嬢様、今日はお庭を散歩なさいますか?」
声をかけてきたのは専属メイドのジゼル。茶色い瞳のつり目で、茶色い髪は真ん中分けにして顎の位置に切り揃えてある。ピシッと背筋を伸ばしすらっとした立ち姿で、キビキビ行動していていつもフットワークが軽いな〜って思って見ている。前世だったらモデルさんになれそう!20歳なんだって〜若いね〜!
「うん!ドムおじいちゃんのところに行きたいの!!」
ドムおじいちゃんとは公爵家の庭師のお爺ちゃんのことで、70歳くらいなんだけの今だに現役で庭仕事をしている穏やかな人である。70代には見えない筋肉ムキムキで、怒ると恐いらしいけど私は一度も怒られたことないから優しい印象が強い。
「まぁ!ではお帽子をお持ちしますね」
そう声をかけてきたのは乳母のアンナ。青い瞳で白髪の髪をお団子に結んでいる優しい女性。以前はお父様の乳母をしており、その後はお兄様達の世話をしていたんだけど、お兄様達は自分のことは自分でできるようになったので今は私のお世話をしてくれている。とても優しいおばあちゃんで、大好き。
あ、もちろん公爵家で働いている人たちはみんな大好きだけどね!!みんな優しくて親切!!家族や周りの人たちに恵まれて本当この家に生まれてよかった!!!
「アンナさん、ありがとう!」
私がお礼を言うと、アンナがニコニコと微笑んで帽子を被せてくれた。
「本日のお茶はどちらで召し上がりますか?」
「えっと、今日は庭師のみんなとお茶したいの!準備をよろしくお願いします」
貴族にはお茶の時間が設けられていて、その都度たくさんのお菓子が用意される。たくさん用意されてもそんなに食べきれないので、少しでいいと言ったが聞き入れられなかった。ならば働いているみんなとお茶したいって両親にお願いして許してもらった。両輪は仕事があるし、兄達も家庭教師の先生とお勉強や剣術などの習い事がたくさんあってなかなか時間を合わせられないんだよね〜。でもそんな合間を縫って私に会いにきてくれる。それこそ5分しか入れなくても来てくれるんだからありがたいよね!
「よし!しゅっぱ〜つ!!」
私の掛け声にあわせてジゼルがドアを開けてくれる。ドアの前には私の専属護衛騎士が2人がドアの前に立っていた。
「ランスさ〜ん!こんにちは〜!」
ひしっと扉前にいた騎士さんの足に抱きつく。
「お嬢様、こんにちは。元気そうで何よりです」
今、私が抱きついているのは濃い茶色の短髪に緑の目の細マッチョな体格の男性。私がくっ付くとしゃがんで抱っこしてくれる。爽やかイケメンって感じ!ランスさんは剣が上手で、まだ18歳なのにソードマスターなんだって!ちなみにうちのお父様と2番目のお兄様もソードマスターだよ!!ハイスペックでビックリだよね!!
「シドさんもこんにちは〜!」
「お嬢様、こんにちは」
もう1人の騎士さんは紺色のぱっつんおかっぱで、青い瞳の線の細い感じの美人な男性。少しニコって笑って挨拶してくれる。シドさんは魔法が得意で、凄腕なんだって!!
そんなすごい人が2人も私の護衛なんて勿体無いしいらないんじゃないかって家族に言ったら絶対護衛は必要だってスゴい剣幕で説得された。あの圧にはちょっと引いてしまった…。2人の都合がつかない時は公爵家の騎士団から私の護衛に来てくれている。本当子どものお守りをさせて申し訳ない…。
今はフレンドリーに接してくれる2人だけど、最初にあった際には声をかけても黙ったまま真っ直ぐ前を向いて目を合わせてくれなかった。30分ぐらい一方的に話しかけたけど全く返事してくれなくて、私が涙目になった姿を見てジゼルが慌ててお父様を連れてきてくれた。
普通騎士さんはいないものとして護衛するそうで、お父様からそのように護衛するように言われていたそうだ。でも、そんなふうな関わりは私は嫌だったので危ない時以外の挨拶やおしゃべりはしてほしいと頼んだ。お父様も私の護衛だから好きなようにしなさいといってくれたのでよかった!
「お嬢様、どちらに行かれるのですか?」
「ドムおじいちゃんのところに行きたいの!」
「かしこまりました。ではお庭までお連れします」
そういうとランスさんは私を抱っこして庭まで移動してくれる。自分で歩けばいいのだが、なにぶんお屋敷が広過ぎて自分で歩いていくだけで疲れて動けなくなってしまうので、ありがたく抱っこして連れて行ってもらう。
庭に着くとドムおじいさんが薔薇の花の剪定をしているところだった。
「ドムおじいちゃ〜ん!こんにちは〜!」
私がブンブンと手を振って挨拶するとこちらに手を挙げてニッコリと微笑んだ。
「おぉ〜!お嬢様いらっしゃい。頼まれていた薔薇、準備してあるよ」
そういって選定した際に切った薔薇の花を私にくれた。私が棘で怪我をしないようにちゃんと棘も取ってある。細やかな気遣いが有難い。
「ありがとう〜これで素敵なポプリが作れるわ〜!!」
そう、今私が作ろうとしているのはお父様の誕生日プレゼントに渡すポプリ!昨年の家族への誕生日プレゼントは似顔絵を描いてあげたらみんな号泣して喜び、金色のピカピカの額に入れてそれぞれの自室に飾っている。恥ずかしいからやめてと言ったのだが聞いてもらえなかった。
私が先生をやっていた時に、子ども達からよくプレゼントをもらった。園庭に咲いている花、園児が描いた絵、お手紙などどれも私の宝物だった。もらったプレゼントを眺めると明日への活力がもらえた。だから自分が子どもになった時に同じようにプレゼントしたのだが、まさか額に飾られるとは思わなかった…。
「ドムおじいちゃん、私何かお手伝いする!!」
「おぉ!そうかい!では種まきを手伝ってもらおうかの〜」
「は〜い!!」
私はドムおじいちゃんが準備していたタネをポットに撒いていく。公爵令嬢が庭仕事なんて本当は許されないんたどうけど両親が好きなようにしていいって言ってくれたので邪魔にならない範囲でお手伝いしている。私は先生時代に農園主任をしたこともあり、花や野菜を育てるのはお手のもの!!テキパキとポットにタネを入れていく。私が入れたポットを運んだり、新しいポットに土を入れたりたくさんの庭師のみんなが手伝ってくれる。ドムおじいちゃんは薔薇の剪定をしつつ、若い庭師に指示を出して仕事を進めていく。かれこれ1時間ほど作業すると声がかかった。
「お嬢様、お茶の準備が整いました 」
アンナとジゼルが芝生にシーツやクッションを置き、お菓子やお茶を準備してくれた。
「わ〜い!!ありがとう〜!!みんなで一緒に食べよう〜!!」
「「「「「はい」」」」」
私やアンナ、ジゼル、庭師のみんなでシーツに座ってお茶をする。護衛の2人は護衛の仕事があって座れないので、口元にお菓子を運んであげる。その様子を見てみんなほのぼのと笑って見ていることに気づいていない私なのだった。