失敗作の日記・その2
失敗作が変われるわけありませんよね
残念ながら、目が覚めると、そこには見慣れた天井が広がっていた。今日もまた、無事に次の日を迎えてしまったらしい。特に変わった事もなく、ただただ時間だけが過ぎていった。
ああ、そういえば、やけに下の階が楽しそうだったかな。妹がテストで珍回答をしたらしい。父は笑っていた。母も、姉も、皆。とても楽しそうな笑い声が、そこにはあった。
やっぱり、自分が居ない方が皆楽しそうだったな。
明日はきっと変われるよね
「今日も、何も出来なかった」
シャーペンをおいて一息つく。昨日はあれから、全然眠ることが出来なかった。考えても無意味なのに、結果はわかっているのに、それでも考え込んでしまっていた。結局、ただ虚しくなっただけで、自分は必要ないと、再確認しただけに過ぎなかった。
自分に出来ることはなんだろうか
今一度、考えてみる
昔少しだけ弾いていたピアノ、家族の中では1番と言えるゲームセンス、後は………もうないか。
ピアノだってもう弾けない。限られたフレーズがかろうじて弾ける程度だし、そもそもピアノなら姉や兄の方が上手い。ゲームセンスにおいては、ネットの世界に入った瞬間に、その意味は消えてなくなる、たかがその程度だ。
勉強も、皆は自分より出来るし、運動はそもそも自分があまり得意ではない。個性と呼べる個性など、持ち合わせていないに等しい。
結局、自分に出来る事など無かった。
自分だけが出来ることなど見つからなかった。
本当にそんなものあるのだろうか
自分には見つけられなかった
あるなら誰か教えて欲しい
これ以上はもう無駄かな。今日はまだ、落ち着いていられた気がする。もう寝よう、疲れた。
明日は………変われるかな