強敵現れる
50階
お決まりのパターン。
開いた瞬間に奇襲攻撃を受ける。
モンスター三体が次々に仕掛ける。
何とかかわし、アップアップの実を投げつける。
鈍くなったところで反撃。
三人組を斧と剣で倒す。
二人はだいぶ慣れてきた。
戦意を喪失した三人組はエレベーターへ。
我らが持っている情報。それはここには近づくな! すぐにでも立ち去れ! と言うことだ。
恐ろしい奴が待ち構えている。急いでこの階を離れろ!
そう言うとエレベーターは行ってしまった。
どういう事だ?
さあ。でも敵さんの指示には従う。この物語では鉄則よ。
二人は急いで札とエレベータを探す。
早歩きがダッシュに代わる。
角を曲がったところで異変。
いきなり声が聞こえる。
アキト!
アキトくーん。
アキト様。
きゃああ!
ファンが狭い通路を追ってくる。
急げ! 追いつかれちまう。
あら、あなたのファンの方々でしょ。相手しなくてよろしいのかしら?
嫌味を言うな! どうせ俺にはファンなんかいないさ。
そう、残念ね。見た目は悪くないのに。
冗談言ってないで先に行け!
ふふ……
猛ダッシュ。
先ほどよりもレベルアップしており難なく撒くことができた。
アキト様!
アキト!
きゃああ!
うるさいファンらしき集団は遠くへ走り去った。
ふう。これか奴らが言っていたのは?
そんな訳ないでしょう。あれはここへおびき寄せるための罠。
そんな……
ほらお出ましになった。
モンスターが現れた。
我は城の守り神の一人。守護城。以後お見知りおきを。
ち! 強そうだ。これでも喰らえ!
アップアップの実を投げつける。
飲み込むが、効果は無い。
どういう事だ?
馬鹿め! そんなせこい作戦が効くものか!
どうしよう? アキト。
仕方ない諦めよう。
何を言ってんのよ!
だって効かないんだぜ。アップアップの実がさ。ここは潔く敵に打たれてさ。
うそでしょう?
おい早くしろ! お前かそれともそこの女か? 何なら一斉に来てもいいんだがな。来ないならこっちから行かせてもらうぞ。
守護城は余裕たっぷり。体を回す。
回し蹴り
ひじ打ち
手刀
技を繰り出し
寸止め。
あぶねー。
遊んでるわ。あの男。
おい! 逃げてもいいんだぞ。
アキトは張り合う。
ちょっと、相手を刺激してどうするの。
仕方ないだろ。言葉だけでも負けるわけにはいかない。
馬鹿! 震えてるくせに。
守護城が構える。
アキトも必死に足を動かす。
両者譲らない展開。
守護城が間合いを詰める。
アキトは少しずつ後退り。
どこまでも後退。ついには壁。後がない。
守護城はターキーに目もくれず一直線に右ストレート。
寸前でかわす。
反動を利用して体当たり。
守護城は堪えきれずに後ろに倒れる。
今だ!
二人がかりで動きを封じる。
止めろ!
苦しい!
乗るな!
クソ!
大人しくしなさい!
どうするターキー?
このまま押さえつけるしかないでしょう。体力勝負。
うっわ! 大変だ!
力の差を考えればこの手しかない。できたらロープか何か縛るものがあればいいんだけど…… 無理でしょう?
そうだ! ロープなら俺持ってるぜ!
なぜかしら?
ロッカーの整理に手間取ってさ。
何だか知らないけど危なそうでなくてよかったわ。
へへへ。
若くして変態かと……
ええ? 何か言った?
しっかり押さえて! 縛るわよ!
止めろ!
うるさい! 大人しくしろ!
頼む! きつく縛らないで!
はい、完了。
手を後ろに体を幾重にも縛る。
頼む!
大人しくしろ!
頼むもっと強く!
あら、大変だ。
守護城は戦闘不能となった。
その敗因は自分の力を過信したことと余裕をこいたため。
また、ターキーを無視したこと。女だと気を抜いたがために本来の力を出す前に撃沈。
行こう! ターキー。
守護城が守っていた壁には隠し扉があった。
二人は慎重に前に進む。
小部屋には銅の剣と銅の盾が二組置かれていた。
道中にはアップの実が五つ落ちていた。
二人は分け合う。
アキトはレベル16となった。
ターキーはレベル17となった。
五十階は解放された。
待て! 俺をどうするつもりだ?
あとちょっとだけ我慢してね。魔王を倒したら助けてあげる。
ターキー? 許すのか?
仕方ないじゃない。守護城は自分の役割を全うしただけ。
だな。見逃してやるか。
そうか。安心した。よしこれを授けよう。
何? 何?
俺の手に触れろ!
アキト。お願い。
アキトはロープを緩めてやる。
動くな!
分かっている。手を出せ!
うわわわ!
何だ? 痺れる!
アキトはシーフを継承した。
急ごう!
急いで札とエレベーターを探す。
あった!
033の札を発見。
33階へ。
続く
モンスター情報
守護城 魔王城を守るサブボスクラスの一人。
基本的にはアップアップの実が効かない。
例外もあり。
このレベルの敵からレアアイテムや技などを得られる。
後の展開にも影響あり。