心の声が止まらない
四章
ありがとう。助かりました。
気にしないで。あなた名前は?
アキトです。
わたしはガタ…… いえターキーよ。
なんだ女か! 俺様はアキトだ!
生意気なガキ。逃げ出したくせに。
あらまあ下品だったかしら。以後気を付けなくてわ。心読まれてない?
おい、女! 俺様の相棒にしてやる。嬉しく思え!
まったく口の減らないガキが…… おっとまただ。
聞いているのか!
仕方ないわね。いいわ協力しましょう。
ターキーが仲間に加わった。
それでおいくつ?
十四だ。
あら、以外。私もよ。
そうか。よしさっそく俺様の役に立て!
はいはい。良いですよ。本当は十六だけど引っ張ってもらわないとね。
聞いてるのか?
ハイ。
ガータ姫は美しいのか?
ええ、それはもちろん。今年で十六だとか。もうお相手もいるとかいないとか。
そうか。王の話では姫を救出した者に城と姫を与えるらしい。お前は女だから関係ないがその辺も魅力的だ。ぐふふ。
こいつ何を考えてやがる。逃げたくせに頭の中は一人前か?反吐が出る。あらまた下品だったかしら。
綺麗だといいな。ガータ姫。うん? 何を赤くなっている。
いえ何でもない。先を急ぎましょう。たぶん姫は最上階の部屋に閉じ込められていると思うの。
おう、そんなことまで教えてもらったのか。俺様はここに来てから日が浅いので助かるぜ! 他には?
後は村人にでも聞けばいかが?
その村人がいねえんだよ!
村人モドキⓑが突撃してきた。
アキトは斧で応戦。
ⓑは戦意を喪失した。
数字の入った板を探せ。エレベータ―に乗り、板を枠にはめよ。以上。
ⓑは姿を消した。
角を左へ。エレベーターを発見。目の前に005と書かれた板が落ちていた。
よし順調だ。
さっそく五階へ
開くと同時に敵が襲い掛かってきた。
逃げて!
そんなことできるか!
明らかに相手は格上に見える。
まだ早いわ。
でも…… 仕方ない走るぞ!
こっちよ!
いや違う! こっちだ!
敵は走り回る二人にイラつきだした。
突進
うまくかわしエレベーターに突っ込む。
と同時に閉まる。
悔しがるがどうにもならない。
おいお前ら! 俺の負けだ。良い事を教えてやる。まず魔王は恐ろしく強い。レベルで言えば99。今のお前らは見たところ3と2だろう? それでは話にならない。まずなるべくレベルを上げるのだ。良いかよく聞け! レベルを上げるにはアップの実を食べる事だ。その辺に自生している。よく見て歩け。最後にアップの実に似たアップアップの実。レベルが半分になってしまう。しかし一時的だ。一時間もあれば元に戻る。問題はその間はレベルアップできないと言う事だ。せいぜい気をつけるんだな。
そう言うとエレベーターは行ってしまった。他を当たるしかない。
行きましょう。
ああ。
ラッキー。生えていた。これだろ?
だめ! アップアップだったらどうするの?
うるさい! 俺様の嗅覚は発達してんだ!
あれどうしたの?
いや…… ははは。
間違えたわね。もうそこで大人しくしてなさい。二度と勝手に食べないでね。
レベル2から1へ。
三十分が経過。
レベルは2に戻った。
まったくあなたのせいで無駄な時間を使っちゃったじゃない。反省しなさい!
ふん。知るか! 俺様のやり方に文句を言うな!
この……
これ以上の悪口はやる気をなくすと考え口を噤む。
歩き出す。
アップの実を発見。
一気に五粒を完食した二人。
お腹いっぱいだぜ!
いいえ、それは錯覚。これはエネルギー補給にはならないの。そんなことも知らないの?
知るかよ! じゃあ飯はどうする?
知らないわ。とにかく行くわよ。
レベルアップ
ターキーはレベル8
アキトはレベル7
続く
アイテム
アップの実 一粒につき一つ上がる。
アップアップの実 レベルが半減。一時間以内に元に戻る。
どちらも栄養補給にはならない。
システム
アキト達がエレベーターを利用するにはカードが必要。
手下は問題なく利用できる。