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紳士とファンとその他

地下七階。


どこまで続くのか。


魔王はいるのか?


ガーター姫は?


不安は尽きない。


残り一時間。


もう暑くない。暑くないぞ!

アキト。気を緩めないの! 敵がいつ攻めてくるか分からないんだから。


分かってるって。でもあの暑さに比べたらモンスターの一匹や二匹どって事ないさ。

本当に緊張感のない人。


二人は気づかなかった。

最終決戦が近いのを。


大丈夫前方には誰もいない。


先に進む。


ちょっと待って。何か変よ?


後ろから奇声が上がる。


きゃああ!

いやああ!


うん? うん?

アキトは振り返る。


どこから湧いたのか。数人の女性たちが追いかけてくる。


きゃああ!

アキト様!

お願い!

アキト! アキト!

アキト様!

きゃああ!


アキトのファンが再集結。


一直線にこちらに向かってくる。


あらら。あらあら。大人気ね。

ファンとは厄介だぜ。


そちらは任せた。

嘘? 逃げるしかないか。

頑張って。


道は狭く一人がかわすのがやっとの空間。


必然的にどちらかが逃げ回る羽目に。


その役目はもちろんアキトが担う。


アキト様!

アキト!

きゃああ!


ターキーには目もくれず通り過ぎる。


アキトの犠牲は尊いものであった。


アキトは大丈夫だろうか。

様子を見守る。


あなた。あなた。

ターキーのもとに一人の男が現れる。


イケメン紳士であった。


イケメン紳士?

ご存知でしたか。いかにもイケメン紳士でございます。


ガーター姫を何度も誘惑した見た目とは裏腹の悪党。魔王の手下。


イケメン紳士の誘惑に抗うことはできるのか。


お嬢さん。いかがでしょう。私と一緒に来ていただけないですか。お茶などいかがですか。


この手の誘惑に弱いガーター姫。ついつい甘いルックスと囁きについていきそうになる。我慢。我慢。


いかがですか? お嬢さん。


もうひと押しで完全に虜になる。


三度の誘惑。


その時だった。


アキトを追いかける女性たち。


アキト様!

こちらを振り向いて!

きゃああ!

アキト! アキト!


ターキーは我に返った。


危うくぶつかるそんな状況の中、アキトは直前で足を止め、端に寄る。


ターキーも避難する。


どうだい? 一緒に……

イケメン紳士は誘惑に必死で周りが見えていなかった。


次の瞬間イケメン紳士にアキトのファンが体当たり。


双方が倒れこむ事態に。


今よ! 全力疾走!

アキトは反射的に走り出す。


ファンが気になるとはいえ仕方がない。これもアキト達を嵌めるわな。

そう割り切って次のステージへ。


急いで階段を駆け下りる。

もう追手はいないのだが。


地下八階。


ふうう。助かった。

アキト大丈夫?


そっちこそずいぶん手間取っていたみたいだけど。

だってあの手のタイプに弱いんだもの。

あっそう。


そっけない態度で返す。


イケメン消滅。


ファン消失。


ざわざわ。


うん?


相当な数がいるようだ。


確認してみましょう。


⒈23…… 30は超えてるみたい。

魔王の手下が集結したってところか。


アキト。大丈夫?

平気平気。雑魚共が何人集まろうと俺の敵じゃない。


アキトが先。


切りかかるから後始末は頼む。


やはりまっすぐの一本道。


30以上の手下が列をなしている。


行こう!

うん。


うおお!

歓声が城内を包んだ。


勇者アキトだ! 雑魚は引っ込んでろ!


何を!


ようやくウインナーズソードを振るう時が来た。


行くぞ!


雑魚共は余りの迫力に後退り。しかしその事によって隊が崩れた。


転倒する者が続々。

そしてバラバラに攻撃。


アキトは容赦なく剣を振るう。


うぎゃあ!

一撃で仕留める。


かかって来い!

雑魚共を挑発する。


何を!

舐めやがって!


興奮する手下。


一斉攻撃に移った。


はっはっは。こんなものか。痛くもかゆくもないぞ!


集結した手下を次々と切り刻んでいく。


そこ、動くでない! 隊が崩れる。

隊のリーダーが指示を送る。


いいかここを突破されるな! 我らの役目は時間を稼ぐこと。


隊を崩さずに波状攻撃。


決して効いていないがアキト達を引き止めるには充分。


止め!


三十人以上いた手下も半分以下になってしまった。


引け!


隊は後ろを向き退却。


一斉に走り出した。


バラバラに散らばった手下を一人ずつ丁寧に片づけていく。


アキト頑張って!

ターキーも手伝ってくれ!


二人で数をこなしていく。


もう十人もいない。


引け! 退却!


倒れた者が邪魔で残党を片付けられない。


ちょっとどいてよ!

イライラが募るターキー。


落ち着け! 相手は弱ってきている。


隊長を中心に固め、最後の悪あがきに出る。


倒れた者が邪魔となり本来の力が発揮できない。


降参しろ! お前らに勝ち目はない!

ふん。言われなくてもそれぐらい分かる。


降参して道を開けろ!

最後まで抵抗するのみ。


隊長の意地が仲間を鼓舞する。


行け!

うおお!


行っては戻り行っては戻りを繰り返し手下の数はどんどん減ってきているが時間も削られていく。

上手い作戦だ。


アキトはついに冷静さを失った。


どけ! この剣の威力を見せてやる。


大振りでは当たるはずもなく逃げていく。


アキト! 落ち着いて!


無理矢理振り回す。


強引さが仇となり手から滑り落ちる。


今だ! 囲め!

ウインナーズソードが敵の手に渡ってしまった。


しまった!


よし俺に寄越せ!

嫌ですよ。リーダー。


見たことのない珍しい剣に魅了され仲間割れが起こる。


貸せ!

ダメです! 俺がこいつらを始末します!


ウインナーズソードは人を選ぶ。

レベルの低い者は余計に扱うのが難しい。


奪った剣を振り回す。


俺にも! 俺にも!


ついには醜い争いが起きる。


ウインナーズソードの奪い合い。


何をやっている! 列を作り構えるのだ!


隊長の指示はもう誰も聞いていない。


俺だ!

私だ!

寄越せ!

邪魔だ!

うぎゃああ!


一人が腕を負傷。


収拾がつかなくなっている。


何人かが振り回し、何人かがけがを負い、その場に倒れる。


痛い痛い!

なおも剣の奪い合いが起きる。


これは俺のだ!

ダメだ!


奪い合いは最悪の形で終える。


アキトの元へ。


せっかくのチャンスを無にして何をやっているんだか。

きっちり成敗してやる。


ウインナーズソードを振り下ろす。


ぎゃああ!

叫び声を上げ倒れる。


まとめて残りの者を片付ける。


もう一番後ろで待機していた隊長のみとなった。


無念。しかし最後まで諦めない。


アキトに向かってくる。


勝負!


難なくかわし後ろを取る。振り向いたところで脳天に一撃。


意識を失う。


アキトは勝利を収める。


行きましょう。


部隊を超えたところに階段を発見。


あったあった。


こっちにはアップの実がぎっしり。


これは食べきれない。


アキトはレベル90となった。


ターキはレベル75となった。


よし。もう少しだ。

急ぎましょう。もう三十分しかない。


後ろを振り返るとまだ何人かが立ち上がろうとしている。

敵ながら大したものだ。


地下八階クリア。


地下九階へ。


                          続く


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