百階への行き方
話を整理するわね。
まず……
固定の札が四隅にある。これは何階でも同様。
うん。010 050 080 099の四つはいつも同じなんだろう?
ええ。貰った札を覚えてる?
確か010と080だったかな。
そう。これが鍵なんじゃないかしら?
うん? どういう事?
もう! ここは何階?
80階。
だから?
うーんと…… えっと…… そうか! 必要な階なんだ。
010
080
アキトはひらめく。
確か。間違えて反対に嵌めたっけ。それでも動いた。
010
080
反対にしても
010
080
⒈は微妙だけど誤差とも取れるね。
そう。それ以外は逆にはめるとエラーになるんだと思うの。
111は反対にしても問題ない。
000も同様に。
でも私たちは001から100まで。
その中で可能なのは010と080だけ。
それでそれで?
少しは自分で考えて!
数字を逆にする?
まったく! もう時間が無いから私の考えを述べるわね。
最初からそうしろよ!
うん?
いえ、どうぞ。
もしかしたらランダムに落ちていると考えていたけど100は無いのかもしれない。
それじゃあ一生無理じゃないか!
黙って! でもそれに相当する物があるならどう?
うん?
もう一度おさらい。一階から百階までしかない。
百階に行くにはどうする?
さあ。
100に魔王
001からスタート
今は080
001から100へ
どう?
そうか! そういう事か!
分かったようね。
100へは001で行ける!
はい、ご名答。でも一階の札がどこかはまだ……
そんなの問題ない! 謎なもんか!
分かるの?
001だって固定だ!
そう、でもどこかまでかは。時間が有ればまだどうにか……
紙を貸してみろ!
アキトはそう言うとひったくる。
まず四隅に印をつける。
はいはい。
その点を結び×を作る。
そして線と線を結び交差したところに印をつける。
ここが001の札があるところだ!
偉い! アキト。見直した!
ははは。
ただのバカじゃなかったのね!
ブヒイイ!
トニーも反応する。
よしこの地点に向かおう!
走って!
この階は開放されているためモンスターの影はない。
目的地へ左へ右へ。
止まって! このあたりだ!
札! 札!
あったか?
まだ!
トニーも捜索に加わる。
鳴き声に釣られ後を追う。
ビイフィイ!
曲がったところにアップの実が自生。
これじゃないってば!
トニーったら!
アップの実を食い尽くす。
レベルアップ。
アキトはレベル50
ターキーはレベル50
どこだ?
あった?
いや、見つからない。
エレベーターがあったわ。
でかした! 近くにあるはず! よく探せ!
あった! こっち!
でかした!
エレベーターの陰にひっそりと札が落ちている。
札を取る。
まさしく目当てのもの。
001の数字が輝いている。
急ぎましょう!
エレベーターへ
001の札を反対にして嵌め込む。
果たして百階に辿り着けるのか?
希望の鐘が城内に響き渡る。
時間切れ?
ゲームオーバー?
アキトの運命は如何に?
ガーター姫危うし!
ターキーはどうなるのか?
扉が開く。
続く