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偽りの王は本物の王になる

今回はエピローグみたいな回です。

サピオス軍を追い払ったクレス達は一度セレスティに戻り、クレスがアベル王の代わりをしていたことを国民に知らせた。

だがここでもクレスが今まで行ってきたことを国民達が見ており、クレスが偽っていたことを知っても文句を言うものはいなかったのである。


「ふぅ……良かった」


「今更何をおっしゃっているんですか、陛下は国民を思って常に政務を行われていました。国民はそんな陛下を見ていたのですから陛下を認めない訳ないでしょう」


「俺なりに考えていたことが間違っていなかったんだな」


「フフ、何を今更です」



そうして国内での支持を固めると、因縁の相手であるサピオス王国を攻めた。

サピオス王国からしてみれば切り札であったクレスの正体が不発に終わったどころか、余計にセレスティ軍の勢いを増してしまうという本来の結果とは逆の結果になってしまった。それにクレスが王になったころはサピオスの方が国力は上だったが、今ではセレスティの方がかなり上回っており、今回の件で勢いが増したセレスティに勝てる訳はなく長年にわたって続いた因縁の関係はセレスティの勝利にて終わるのであった。





それと同時期にクレスに関しての驚愕の事実が判明する。

クロウがクレスに対する重要な報告があるとのことで、クレスの部屋にクレス、ゴルドを始め、セレーネ、フラグニルも集まっていた。

そしてクロウの口から出てきた発言によってその場にいた全員が驚くことになる。


「ーー主の父親は前国王だ」


「く、クレス様は前国王の子なのか!?」


フラグニルはとても驚いた表情をしていたが、その部屋にいた他の面々も同じような顔だった。


「俺の父親は……前国王なのか?」


「あぁ、我ら一族の調査なのでほぼ事実」


どうやらクレスは先代の王の落胤だったらしいく、それが正しいとなるとクレスはアベルの腹違いの兄弟となる。

ちなみに口調は自分の正体を告白したあとは元の口調に戻した。


「なるほど……兄弟なら顔が似ているのは納得しますが……似すぎでは?」


「それは俺も思う。クロウ、続きを」


クロウの調査結果をまとめると


・先代の王は公になってないがかなりの女好き


・遊びで女に手を出しては、妊娠したとなると子を堕胎させた


・そんな中、クレスの母親は堕胎したように見せて出産した


・だが無理な出産だったのかクレスを産んですぐ亡くなり、彼女の両親によって孤児院に預けられた。

その両親は既に亡くなっている。


とのことだった。


「陛下……苦労されていたんですね……」


「いや記憶がないから実感ないな」


物心ついたころから孤児院だったので実の親にあった出来事を見ていないので実感が全くない。


「ちなみにだが高官達が主の代わりに王にしようとしていた男子は王族に血は一切流れていない。

ーー故に王家の跡取りは主のみだった、これで主は正当な跡取りになる」


「そうか……」


実の両親の事を知っても不思議と嬉しいや良かったと喜ぶ気持ちは無かった。

ただその事実を受け入れるのである。


「俺はだれであろうと今更どうでもいい、俺はセレスティの王であろうとするだけだ」


そうして部屋の窓を開ける。

眼下に広がるは沢山の民が平和に暮らしているセレスティの城下町。

その城下町を見た後、部屋にいる仲間達の方を振り向いて言う。


「俺だけだったらここまでこれなかった、本当皆には感謝している。ありがとう」


いきなりどうしたんだろうかと全員が身構えていると、クレスは照れくさそうに頬をかきながら続ける。


「だからだな……その……これからもどうか俺を助けてもらえると……助かる」


「陛下が入れ替わった時からの付き合いですから今更ですよ。非力な私ですが最後までお付き合いします」


「ゴルド殿が“非力”というのは何か違和感しか感じないが……。

ーーで、ではなく!! このフラグニル喜んで陛下の力になりましょう」


「フッ、我が刃は主の為にあり。これからも変わらず忠誠を誓う」


「本当、今更です。微力ながら私も陛下の妃として支えていきます」


「ありがとう皆

ーーさて今日も政務頑張るか」


とこれからの日々をまた頑張ろうと思うクレスであった。





王であるアベルが戦死したことにより一時は滅亡の危機に陥ったセレスティ。

その際に王の代わりとして担ぎ上げられたクレスにより、危機を脱し繁栄させたことにより後に彼はセレスティの中興の祖と呼ばれた。

中興の祖である彼を支えた4人の人物がいたと歴史書に記載がある。


ーー入れ替わりの時から支えた執事のゴルド


ーー“王の影”として裏で彼の政務を支えたクロウ


ーー敵国の将ながらクレスがセレスティに引き込んだ猛将フラグニル


ーー王妃でありながら幅広い知識でクレスの政務を補助したセレーネ


その4人の支えを得ながらクレスは政務を行い、セレスティを繁栄させたのであった。

とりあえず全話投稿しました。

楽しんでいただけたでしょうか?


いつもとは違う作風だったので書いている時に苦戦しながらも何とか書き上げました。


感想などいただけたら幸いです。

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