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お決まりのやつです

-あ、やっべ-


聞いたことない声がするような。いま夢みてる?


-あの〜…-


想像力には自信があるはずなのに、目の前は真っ白だ。

やはり明晰夢なんて童心が成す技なのだろうか…


-ねぇ!目ぐらいあけたら⁈-


誰?目を開けろ?夢なのに指図されるなんて、どこのどいつが登場してるんだ⁉︎

と思った瞬間眩ゆい光を見た。

というよりは光の中にいると思う。


「うわっ、何⁈眩しい!」


-あ、ごめんなさい。人間だと目が潰れるの忘れてた。今修復と調整をしますから-


と声がして、光量がするする小さくなるのと同時に見えるようになり、男か女か分からない美形がいるのを確認。

若干光ってるし…


-見えます?こんなに神気を抑えなきゃなんて、人間って不便ねぇ-


しんき?人間は不便?

夢の登場人物にしては心当たりがないし、光ってたし、話してる割には口は動いておらず、隣の席の会話を拾ってるような感覚で聞こえている。それも夢だからなのか?

と首を傾げてると、光の人があっ!と手を叩く。


「忘れてた、君たちは音で会話するんだった。これで会話しやすくなったかしら?」

「あ、喋った…」

「そりゃ説明しなくてはいけない事だらけだから、喋りもするわ。それに魂への語りは神道を修めてない者には負担にしかならないしね。」

「説明⁇魂?しんどう?」

「今どきの人間にしては察しが悪いのね?簡潔に説明すると貴方は亡くなられたのです。そしてその理由は…」

「理由は…」

「ごめんなさい!私が間違えて貴方の命を終わらせてしまいました!」

すごい勢いで光の人が土下座をした。人生で初めて見る土下座が夢って、ストレスだろうか?

「あ、ちなみに夢じゃないから。なんだったらみてみる?」

と光の人が大きな鏡を取り出し、なぜか映像が映される。

それは自分の部屋でベッドには自身かいる。

「は?」

「申し訳ないけれど、一度魂が天に昇ってしまっては元の肉体には戻れなくて、しかも予定にない貴方の魂がきても来世の用意がなくて…」

「お決まりのやつきたーっ‼︎」

さすがにここまで言われたら、夢だと思っていたのが恥ずかしいくらいの展開だ。自分が一番望んでいた展開じゃないか!

「え、急に喜んでる…感情の起伏こわっ」

光の人が若干引いてるが、間違いならこちらの要求も通りやすいというのが定石!引いてるうちに畳み掛ける!

「間違いなら、引いてないで転生させて!それも異世界、異世界転生よー‼︎」

「も、もちろん来世の用意がない者を間違いで亡き者にした責任は重いのだけれど、さすがに異世界ってなると担当が違うから好きにはできないというか…」

「え〜、ならどれだけなら勝手にできるの?」

担当違いなら仕方ない。それもよくあるパターンだ。

「そうだねぇ、ある程度の容姿と大丈夫ね。あとどんな世界かくらいなら近い条件の担当を探せる。ただ細かいところまでは無理。そういうのは各担当者がバランスを整える為に必要だから。ただ貴方の場合は私のミスでお詫び付きだから優遇はしてもらえるわ。…多分ね。」

「容姿と世界観⁈少ないんだけど!いやでも無い尽くしで放り出されるパターンもあるから、まだマシ⁇」

なら…と光の人に、世界観と容姿と希望を伝える。

「わかった。必ず担当に伝えるわ。この度は本当に申し訳ない。異世界に転生だと手続きが色々あるから、そろそろ始めなくては。次に目を覚ます時はお望みの異世界よ。次の世界では余剰の寿命も加算されるから生まれてすぐ死ぬとかはないはず。」

と光の人の光量が上がっていき、目を開けられなくなり、そのまま意識もなくなっていく。


ただこの時は気付いてなかったのだ。光輝く美形が多分ねと呟いてたことに。

まぁお決まりの展開っすよね

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