少し前のボク
思いつきと勢いだけで投稿してるから、先に謝っておきます。ごめんね!
-あ、やっべ-
浅い眠りと深い眠りの真ん中で、ボクが聞いた声はどの友人にも似てなかった。
平成の始まりと共に産声をあげたボクは、まぁ普通に子供時代を過ごし普通に思春期と反抗期を超えて成人し、タイミングが悪かったのか就職は叶わなかったが、趣味を我慢しなくていいくらいには稼いで、ふと気づけば平成は終わっていて令和と呼び方が変わっていた。
年号が変わるのは初体験で、少しだけ何か変わるかもと期待してた程の変化はなくて、今までと同じ毎日が続いてるだけ。
今日も未だにアナログな紙の書類の不備チェックをしたり振り分けたり綴じたり封筒に入れたりデータ化したり…自分で選んだ仕事だから文句は無いが、さすがに30を越えた辺りから眼精疲労が酷い。目の奥の鈍痛を抱えながら帰宅する。
どれだけ疲れてもやめられないのが、スマホで漫画やラノベを読むこと。もちろん紙媒体も忘れてはいけないし、アニメも要チェックだ。
何年も前からこの業界は異世界への転生や転移、無双が流行りでボクのお気に入りもそういうのが多い。
ありがたいことに平和な世しか知らないし、自身も何か特別な能力があるわけではないから、驚異的な能力や武器は正直憧れる。
そういう作品に触れる度に、自分だったら…と何度想像したか数えきれない。
「やっぱり、異世界なら魔法は捨てきれないなぁ…」
ベッドに寝転びスマホ片手に
転生したら偉大な義理の祖父母に育てられたけど世間の常識は教えられずにいたから実は世界最強になっちゃった!な話を最新話まで読み終えたところで、いつもの想像をしていた。
(魔法…魔法使いたいなぁ。イメージだけならこの主人公にも負けないのに…)
せめて夢の中ではと眠りにつく。
それが始まりになるのをまだ知らずに。