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99.騒ぎ3

教室では私をみんながめちゃくちゃ温かい目で見てくるんですが…………みんなどうしちゃったんですか?

みんなの意図がわからず困惑してると、


「リーゼ様が思ってるよりも事態は深刻ですわ。」


ナージュ様が困ったような表情で私を見ていることにも困惑した。

サッと私の前に出された紙を見て一番に飛び込んできたのは『秘宝の妖精令嬢狙われていた!!助けたのは5人のナイト』という題名だった。


要約すると学園新聞の号外のようなもので裁判でのことが詳細に書かれていた。

私を狙う者からグレイ様、クリスお兄様、カペロ様、カシリス様、サムウィル様が側で守っていたことやヒロインが悪役令嬢のように書かれてある。………実際やっていたことは悪役的なことではあるけど…………私がヒロインみたいな扱いになっているのも前世の記憶があるからこそ何とも言えない感情になる。

だからか!さっきのご令嬢達これを見て詳細を知ってたのね。

そうだよね。私を守ってくれた皆さんかっこよかったですから人気者ですよね。


読み進めていくと大体が裁判で言われてた内容と一致してる……………ん?なんだって??


『リーゼ・ウォレット令嬢の婚約者はどうなるのでしょうか?』という質問があったがその返答に凝視してしまった。


『婚約者!?それは私からは何も言えませんわ。婚約者はリィ次第ですのよ。リィを幸せにしてくれる人が一番ですからね、ふふふ。』


いや、どう見てもお母様ですよね!!

愛称呼びにふふふって。

いつの間にインタビューを受けたんですか!?

全く知らなかったんですけど!!


…………なるほど。今朝学園についてからの注目度が半端ないと思ってたけど皆さんは私の婚約者はどうなるのかが気になってるってことですね。


表向きは、婚約者候補の三人にグレイ様は婚約破棄の噂があったから…………今回の裁判ではグレイ様は私のことを婚約者扱いしてたから…………どうなってるのか気になるのかぁ。

これは…………私の婚約者のことで名前が出てる人達に申し訳ないことしたな。


「リーゼ様、学園中が注目してますわよ。小説みたいなことが現実に起こってますから…ご令嬢達はずっと興奮しておりますわ。この名前が上がってる5人はすでに有名ですから………リーゼ様も大変ですわね。」


頭痛いです…………。

お母様の一言も重いです…………。

ナージュ様の言葉も重くのし掛かります。


何故か最近のグレイ様は大胆なことが多いです。

プロポーズしてくれてから保留のようになってしまってるしカペロ様のことも考えないといけないです。

ヒロインから言われた言葉も………ずっと引っ掛かって悶々としてます。

あぁぁぁぁぁ………頭がパンクしそうです。



――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――

―――――――




「リーゼ・ウォレット令嬢、ずっとお慕いしておりました。必ず幸せにします。婚約者が決まっていないのであればどうか俺も候補に入れてください。」


歩いていると突然目の前で膝をついて見上げて言ってきた…………のは誰でしょうか!?

今日は歩けばこのような光景になってしまってます…………。

ヤバイです………何度目かも覚えてないし最初の方がどのような方だったのかすら覚えてません。

ナージュ様から朝の時点で()()()()()だと聞いてましたがこの事だったのでしょうか!?

確かに深刻です!!私が覚えられないということに…………理解できますわ!!


「お気持ちは大変嬉しいのですが、ごめんなさい。こんなに素敵な言葉を言えるあなたは私なんかよりも素敵なご令嬢と巡り会えますわ。ありがとうございます。」


微笑みながら思ったことをいうと残念そうな顔をされるのですが、必ず


「伝えてよかったです。あなたのその笑顔を見れただけで幸せです。ありがとうございます。」


と何故かお礼を言われます。

今日だけで何度お礼を言われたでしょう。

首をかしげながらう~んと考えてると隣にいたナージュ様が呆れた顔で私を見ています。


「あなたって………罪作りな人ね。あの方もきっと忘れられないでしょうね。」


ナージュ様から今日何度目だったかわからないが同じ事を言われる。

どういう意味だろう??と真剣に考えてしまう。

私は何かしたのだろうか??と。


「リーゼ様、そのままのあなたでずっといてくださいね。それが皆さんの願いだと思いますわ。」


私の肩に手をポンとのせ、呟いてきたナージュ様がふぅ~とため息を吐きながら笑っていた。



この光景を幾度となく数日間に渡り何度も繰り返したことで『秘宝の妖精令嬢(リーゼ・ウォレット)に求婚をする令息が後をたたなかった。断られたときの微笑みが忘れられず密かに想いを募らせる令息達が大勢いた。』と学園の伝説として後に語り継がれることになることはまだ先の話である。

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