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85/110

85.プロポーズ

今うちの侍女達の悲鳴聞こえてよね?

なっ何事??

急いで悲鳴の聞こえた方に行くにつれ………………あっ、これは()()()()()()()()()()


「キャァァーーーーーーー。カッコイイィィィ!!!」

「一晩だけでもOKですぅぅぅ!!!」

「私を連れ去ってください。キャァァーーーーーゴホッゴホッ。」


……………なんてことを口にしてるんだうちの侍女達は。

しかも興奮しすぎて噎せてるじゃない。

私が甘やかしすぎたのかしら。。。


「うちの侍女達がすみません、カペロ様。」


侍女達が遠巻きにカペロ様を囲んで輪になっていたところを私が来たことで侍女達が道を開けてくれる………………のはいいが、なんなのなんなのこの獲物を今から確保します的にギラギラした目付きで囲んでる図は……………。

いや、わかるよ!カペロ様はカッコイイから興奮してるのは……でもさすがにこんな大勢に囲まれてギラギラした目で見られたらカペロ様だって怖いよ!!


「夜分遅くに申し訳ない…………が、お庭でいいので少しお話しできないかな??」


「はい。それでは行きましょうか。」


にっこり笑顔で返事をしながら、どうしたのかな??こんな遅くに訪ねてくることは今までなかったのにカペロ様何かあったのかしら?と疑問に思いながらもお庭に歩いていく。


外に出て驚愕した。

庭がライトアップされていて妙にロマンチック感が半端ないんですが!!!!

今までこんなことしたことなかったじゃない!!

後ろを振り替えり、目に入ってきた侍女たちを見て犯人を見つけた。

汗だくになった侍女達が私を見て親指を立てている………。

……………誰がこんな演出頼んだんですかぁぁ!!!!

ロマンチック感が半端なくて変に意識しちゃうじゃない!


「ライトアップされているとはいえ夜なのでよかったらお手を。」


「お気遣いありがとうございます。」


差し出された手にそっと自分の手を重ねるとカペロ様はホッとしたような顔をしていた。

なんでその表情をするのかわからなかったが…………………実はとてもありがたかった。

慣れている自分の家の庭といえどライトアップされていたとしても足元は薄暗いし何度躓きそうになってその度に踏ん張っていたのだ。

もういつ転けてもおかしくない状況だった。

せめて転けるときは間抜けな転け方にならないよう受け身のイメトレをし始めていた頃だった。

うきゃぁぁぁ!!!カペロ様はこんな然り気無い気遣いが素敵だ!!


周りはライトアップされて日中とまた違った雰囲気の出ているお花に隣にはまだ正装のカペロ様。

薄暗い中ほんのり照らし出されてる全身からはさっきの夜会と比べ物にならない色気が漂っている。

カペロ様を見てるとみんな騒ぐわけだよね。

と改めて納得してしまった。


……………………こんなロマンチックなシチュエーションに隣には素敵な紳士がいる。

誰だって憧れるシチュエーションじゃないか!!

雰囲気にやられそうだ。


「カペロ様、何かあったんですか?」


「………………なんで婚約破棄を告げたか聞いても?」


歩くのをやめて私の目をまっすぐに見つめ聞いてきたカペロ様に本当のことを……………言えるわけない。


「私がグレイ様に相応しくないと思ったからです。」


かなりふわっとまとめてしまったが本当に思ったことである。


「そうか………夜会の帰りに寄りたいところがあると話してただろ?本当はそこで話をしたかったんだが………今日どうしても伝えたいんだ。」


おもむろにカペロ様が片方の膝をついて私を下から見上げて握っていた手をカペロ様の唇に引き寄せ優しくキスをされた。


えぇぇぇぇ!!!?

カッカペロ様!?

自分の顔が熱をもっていくのがわかる。


「リーゼ、俺はリーゼのことが好きだ。小さい頃クリスと遊んでいるときに挨拶してからずっと好きだった。婚約を申し込みに行く直前にグレイセドの婚約者に決まって…………あんな後悔はもうしたくないんだ。もし正式にグレイセドと婚約破棄するなら俺を選んで結婚してほしい。」


えぇぇぇぇ!!!けっ結婚??

婚約じゃなくて!?

これってプップップップロポーズにならない!?

うぎゃぁぁぁぁぁーーーーー!!

ビックリした顔で見てたのがわかったのかカペロ様が表情を少し崩した困った顔をして私に伝えてきた。


「ごめん、普通は婚約が先なんだがもう早く結婚したいんだ。


婚約するってことはいずれ結婚することだけど、こんなドストレートに言われて本当に私のことを想ってくれているんだとわかる。


「これは…………プップップップッ……………………………プロポーズですか?」


顔から火が出そうな勢いでだんだん小声になりながらカペロ様に聞くと、私の顔を見たカペロ様が今まで見たこともないふにゃり顔で


「そうだよ。私のお姫様。」


愛しそうに私を見つめるカペロ様を見てると本当に想ってくれていることがわかるし、本物の王子様のようでドキドキが止まりません。

いや、だってこんな素敵な人からのプロポーズ誰だって嬉しいしドキドキしちゃうよね!!


グレイ様のこと好きなのに……………こんな自分が嫌になる。



遠くから二つの影が私とカペロ様を見ていることはこの時の私は気づいていなかった。

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