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7.お披露目1

今日は待ちに待った王妃様主催のお茶会だ。

グレイ様の隣で粗相がないように気を引き締めないと!!


今日着ているドレスは本当に素敵で…全体が淡いグリーンに腰から下にかけて金色の刺繍にエメラルドの宝石が散りばめられて動くたびにキラキラ光ってる。


数日前、グレイ様がドレス一式を送ってきてくれた。

メッセージカードも添えられてて『お茶会にはこのドレスを着て来てね。リィのドレス姿楽しみにしてるよ。大好きだよ。』と書かれてあって私の大切な大切な宝物となっている。


朝からこのドレスを見た侍女達が「ドレス素敵」と連呼しながら殺伐と……興奮しながら私の身支度を始めて……怖い怖い。

だってみんな目がギラギラとしてて……素で「そんなに?」と突っ込んでしまったら「この素敵なドレスはリーゼお嬢様のためにあるのだぁ!うぉぉぉぉ!」と力説を始めたから…ちょっと引いてしまって、もう何も言うまいと無になって支度した。


支度が整って鏡を見ると……誰これ!?

……………自信家ではないが……本当に可愛い。

侍女の腕前は凄すぎる。


「リーゼお嬢様、今日はいつもよりも輝いてますね。王子様の気持ち(執着)が凄いですね。」


満足そうに身支度を手伝ってくれた侍女達が口々に言う。後半は意味がわからなかったけど、確かに若干引くときもあったが一生懸命整えてくれた侍女達に心からお礼を笑顔で言おう。


「ありがとう」


「あぁぁぁぁぁ、お嬢様の笑顔は天使ですぅぅぅ。」


涙を流して言う侍女達に一瞬引いてしまいそうになったことは心に止めておこう。


玄関ホールに行くと私を見てお父様とお母様がほぉっとため息を付いた。


「リィ、とっても綺麗よ。ふふふ、さすが私の娘だわ。グレイセド王子もリィを大切にしてくださってて嬉しいわ。」


満足そうに微笑んでるお母様の横でお父様はあたふたしてる。


「私の可愛いリィ、今日は一段と似合ってるよ。……王子の気持ちが(執着)が凄まじいが……。……駄目だ!やっぱり行かせない!お父様とお留守番してよう……な?」


私の手を取り涙ぐんでるお父様の頭を撫でる。

ふぅ、困ったお父様だ。せっかくのお顔が台無しになってる。


「大丈夫よ、お父様。今日はグレイ様の側から離れませんもの。」


ん?んん?

安心させるために言った言葉にお父様の顔が強張っていく。。

何故に??


「だから心配なんだよ。」


ぼそりと呟いたお父様の言葉を聞くことなく、馬車でお母様と王宮へ出発した。


――――――――――――――――――――

――――――――――


王宮へ着くと、騎士の方が控え室へ案内をしてくれた。


「リィ、今日はグレイセド王子に全部任せて身を委ねてると大丈夫だから。」


すべて任せるってことね!

うんうん、お母様も私の緊張をとってくれてるのね。


「はい。グレイ様にすべて身を委ねます。」


大丈夫です!と力こもって大声で返事したと同時にグレイ様が部屋に入ってきた。

グレイ様は大きく目を見開いて一瞬固まってた。

ぎゃぁぁぁ、絶対に聞こえたよね!

大声で宣言しちゃって行儀悪かったよね。恥ずかしい。。


「ふふふ。グレイセド王子お誕生日おめでとうございます。リーゼにはきちんと伝えてますので今日はよろしくお願いしますね。」


見事なカーテシーをして、グレイ様ににっこり笑ってお母様は去っていった。


えっ??お母様は何処に行っちゃうの?

一緒にお茶会に行くと思ってたのに…あまりの綺麗な流れに何も言えなかった…さすがお母様。


「…ィ。戻っておいでリィ。」


ハッとすると目の前でグレイ様は私の顔を覗いていた。

ふぎゃぁぁぁぁ。私が悪いんですが悪いんですが、、急の急接近は心臓に悪いでーす!


「グッグレイ様、お誕生日おめでとうございます。それにこんな素敵なドレスありがとうございます。この前くれたネックレスにとっても合うので嬉しいです。」


幸せいっぱいにお礼を言う私に、頬を赤らめるグレイ様が私の手をとって微笑んでくれる。


「ありがとう。ドレスとても似合ってて本当に綺麗だよ。誰にも(笑顔も姿も)見せたくない。」


うわぁぁぁ。めちゃくちゃ甘い言葉頂きました!

グレイ様素敵です。かっこよすぎます。

今日は来られてる方々はグレイ様に釘付けになるに違いない。

イヤだけど……イヤだけど……。

って、私考えてる時点でグレイ様好きじゃない??


「ふふ。グレイ様の側に寄り添えるので今日の私は強いのです。宣言を聞いちゃったかもしれませんが、グレイ様に身を委ねてすべて任せます。」


「……なるほどね。ウォレット婦人はリィをよく理解してるね。」


「違いましたか?やっぱりすべてを委ねたらいけませんの?」


首をかしげて不安気にグレイ様を見ると、にっこり微笑んで膝をついて私の手にキスをした。


「違わないよ。リィは僕に全て身を委ねて(身も心も全て)側にいればそれだけで十分だ。リィ、大好きだよ。絶対に幸せにするからね。」


見上げる顔は真剣で、嬉しくて嬉しくてこの気持ちを伝えたくて。


「わっ私もグレイはまを幸せにしまふわ。」


……………何てことでしょう。

こんな大事な時に、涙をこらえながら伝えたらうまく言葉に出来てないなんて…最悪だ。。


「リィがいてくれたら僕は幸せだよ。」


クスクス笑いながらグレイ様は私の頬にキスをした。

まだ羞恥はあるが、グレイ様の頬にキスをするととろけるような顔をされて、この顔を誰にも見せたくないなぁと思ってしまった。

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