65.実態
「ご報告です。グレイセド様の睨んだとおり財務官は令息を人質にとられカヴァル男爵からの要求を断りきれず手を染めてました。」
「そうか…………財務官、真面目な人柄だったが…………。で、財務は深刻か?」
「はい、財務官は国税の60%もカヴァル男爵に横流しをしてました。カヴァル男爵はそのお金で他国から密輸しておりました。その密輸は主にハアラという綺麗なお花であり、それらを加工して服用すると自我を失っていくと言われています。1度だけでは効き目が薄く何度も服用することで身体が蝕まれていくといった花です。」
「60%も…………事態は深刻だな。」
顔を歪めながら指をトントンと机に打ち付ける。
「財務官の令息は、カヴァル・シーファが近づいてきて数回服用されたものと思われます。部屋に行き見つけたときには重度の症状が出ていました。食べ物をうけつけてなく頬はこけて生気がありませんでした。あの姿では部屋に閉じ込めておくしなかったでしょう。今は保護して今までカヴァル・シーファにより服用して正気を失っていた人がいる施設にいます。本人から聞き取りは出来ず、少し落ち着いてからの尋問となります。」
そこまで深刻になってるとは………財務官の令息といえば、将来有望の令息と聞いていた。。
今回のことで将来どうなるか……………。
期待していた一人をめちゃくちゃにされて腹が立つ。
「わかった。尋問できるようになったらよろしく頼んだぞ。それからヴィゴ、もう少し王宮の官僚達を探ってくれ。少しでも怪しいと報告頼む。後でクリスやカペロ達が集まる予定だ。お前はリファエルとして表に出て参加してくれ。」
「わかりました。」
返事をしてヴィゴが音もなく姿を消した方向を見てはぁ…とため息を漏らす。
予想はしていたが、予想以上に酷いな…………。
国王陛下は知っているのだろうか…………いや、知らないだろう。
国の財政に手をつけたんだ。性格からして知っているとすぐに対処するだろう。
今から国王へ報告にいくか。
はぁ…………あきらかになるにつれリィと会える日も近づいているが………やることが多すぎる。
リィに会いたい。最後に会ったのはあの日か…………………リィに触れて癒されたい。
………………………よし考えるのはやめよう。
触れた感触を思い出して暴走しそうだ。
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「こっちは………それなりのポストについているを新米の若い男数名をターゲットにカヴァル・シーファが近づいていた。まだ何かされているわけではないが……先程リファエルから聞いた財務官の件を照らし合わせると時間の問題だろう。」
カペロが調査報告をみんなにしているがこういった免疫のないカシリスにサムウィルは顔が青くなったいる。
リファエルは無表情で聞いていた。
「カペロその者達が道を外れないように監視してくれ。」
「またか………。はぁ、グレイセド人使い荒くないか?」
「そういうなよ。カペロは得意分野だろ。」
にやりと笑いカペロを見るグレイセド。
そうだよな。グレイセドがいうようにカペロが一番の適任だ。
はぁ~とため息をついてわかったよとグレイセドに言うカペロを見ながらサムウィルとカシリスを見て、
「サムウィルとカシリスはこれまで通りリィを守りつつカヴァル・シーファの行動を監視してほしい。特にサムウィルは同学年だから監視しやすいだろう。何か変な行動があれば随時俺に言ってきてほしいんだ。」
「「わかりました。」」
サムウィルもカシリスも頷きながら俺を見てくる。
二人とも良い表情をするようになったな。特にサムウィルは騎士としても成長していると聞いている。将来が楽しみだな。
「……………ところで最近よく噂を聞くんだが……。」
グレイセドは見渡しながら諭すように話し始めると、サムウィルとカシリスは身体がビクッと動き固まっている。カペロは何食わぬ顔でお茶を飲んでいる。
はぁ…………みんな噂はリィのことを指してると気づいたんだろう。困ったやつだな…リィのことになるとグレイセドも大人げない。
「協力してくれてるのはありがたいが候補は候補だぞ!婚約者は俺だからな!」
グレイセド…………必死すぎだ。いつもの余裕は何処にいった。
ほら、カペロも身体が震えてるじゃないか。
「あははははっ。グレイセドそんなやつだったんだな。リーゼ絡みだとこんなに嫉妬むき出しとは…………くくくっ。」
いやいやいや、お前は人のこと言えないぞ。
リィの前だと無垢なカペロになるじゃないか……くくくっ。
「………カペロが一番信用できない。いつの間にか呼び捨てじゃないか。」
「くくっ。呼び捨てが気に入らなければリィと呼ぼうか?それにグレイセドの方が噂が凄いじゃないか。カヴァル・シーファと楽しくしてるみたいだぞ噂では。」
フッと不敵な笑みを浮かべグレイセドを見ているカペロ。
「わかっているだろ。あれはあの女が勝手に言って噂を広げてる、いい迷惑だ。俺はリィだけしかいらない。お前達リィに手を出してないだろうな?」




