63.婚約者候補3
「リーゼ様、私はカシリスお兄様推しですわ。」
突然私の席に来てナージュ様が言い放った……………のはいいが、声が大きくて注目浴びちゃってるんですがぁぁぁぁ。
皆さん気になるのかこちらをチラ見しつつ聞き耳たててるのがバレバレですよー。
「ふふふ。ナージュ様はそう言うと思ってましたわ。て、もう知ってたのですね。」
「とても噂になってますわよ。全生徒がもう知ってますわ。リーゼ様が選んだのは学園トップファイブの中からの婚約者候補ですもの。」
「学園トップファイブ?????何ですかそれは??」
「知らなかったのですか?学園中の生徒が憧れる存在で容姿端麗はもちろんのこと、各人に隠れファンクラブがございます。」
何?なになになになに!!!?
そんなおもしろいのがあったの~知らなかったですよ。
「あれ?5人って誰が入ってますの?」
「ふふふふふ。」
ナージュ様不敵な笑みを浮かべて怖いです。
「リーゼ様のお兄様で王子様のようで完璧なクリス様と入学当初から方を並べて人気な大人の色気漏れ漏れのワイルドなカペロ様、目が合うだけで虜にしてしまう皇太子のグレイセド様に知的なカシリスお兄様、そしてこのクラスの甘いマスクのサムウィル様ですわ。」
あわあわあゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎ…………………………。
全員と関わっているじゃないか!!!!!
色々と突っ込みどころのある紹介でしたが………皆さんそのように見えるのですね~。
て、学園中の中からってすごい話ですよね!!
……………なるほど。朝来てからの女性の生徒の視線がめちゃくちゃ突き刺さってたんだよねー。
そんな人たちと歩いてたらそれは注目浴びるよね。
「リーゼ様は一番に選ぶとしたら誰なのかしら?あっ、クリス様は身内なので無しですよ。」
一番か…………グレイ様を除かないといけないよね。
うーーーーーーん………………。
ふと周りを見ると………………いやいやいや、怖いです!!
私を凝視していて皆さん隠してませんよ。
そんなに気になるんですか……………困りますね。。
「ナージュ様はやっぱりカシリス様ですか?」
「違いますわよ。」
「えっ?でも先程カシリス様推しだと…………。」
「あれはリーゼ様の婚約者候補としてですわ。カシリスお兄様とリーゼ様が婚約すれば義理の姉妹になるので大歓迎ですわ。ですが、今はトップファイブの一番ですわ……………私は今はクリス様ですわ。」
クリスお兄様かぁ~わかりますわかりますよーーー!!!!!家族ひいきだけでなく、私もお兄様ではなかったら相当ヤバかったかもしれないですね。うちの家族は美男美女揃いなので私にとっても目の保養ですからね。
「んん??今は?てことは前は違ったのですか?」
「ふふふ。前はカペロ様でしたわ。赤色に近い髪色にあの整った顔立ちに見つめられると………………。リーゼ様と話をするようになってクリス様の話を聞いて今は両天秤にかけるくらい迷いますわ。」
わからないこともない。あの色気はどこから出てるんだ!!
女の子達を虜にしまくってそうだ!!
「そうそう、カペロ様は優しさの中に強引さがあるなんとも言えない雰囲気がたまらないですわ。」
「わかりますわ。それにカシリス様は知的でクールなイメージですが、話してるとすっごく優しくてギャップにたまらないですわ。」
「それを言うならサムウィル様だって甘いマスクなのに騎士として訓練に励まれてる姿は汗だくカッコイイ!!最高なのですわ。」
「クリス様は実はどこかの国の王子様説があるくらい完璧なのです。武術と剣術も出来て………私も守られたぁぁぁぁぁぁぁぁい。」
「グレイセド皇太子は女性みんなに表面上は優しいですが本当の優しさは一人にだけ。見ていてわかりますわ。皇太子を除いてもクリス様に劣らず文武両道でたまらないんですわ。」
何故かクラスの女性陣はいつの間にか会話に参加していて………きゃきゃきゃっとはしゃぎながらマシンガントークを繰り広げている。
へぇ~皆さんそんな風に思っていたのですね。
わかりますよー。私も一緒です!!皆の意見に賛成です!!
それにしてもうちの侍女達のように皆さんなっておりますよ。
グレイ様………は本当に皆さん平等に優しいのですが、二人のとにはまた違うんですよねー。
体も引き締まってて優しく………………って今は学園!!
落ち着けー落ち着くんだ私!!
あのときのことを思い出してしまってここでにやけるわけにはいかない!
「で、リーゼ様は誰なのですか?」
ナージュ様…………忘れてなかったのですね。
話の流れからスルーできるかと思ってましたが……………。
クリスお兄様とグレイ様以外ですよね………三人とも良い方なのです…今ここで選ぶと噂は広がりそうだし………。
「そうですね~…………………私は………「はいそこまでにしようか。」」
わたしの言葉を遮ってた声の方をクラスの女性が一気に振り向く。