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51.王宮2

着いてすぐに連れていかれた部屋は応接間ではなく、物はシンプルだがカーテンやソファーはピンク色で所々に薔薇の刺繍があり可愛らしいお部屋だった。


「きゃぁぁぁ!この部屋すっごく可愛いですね~。王宮にもこんな可愛らしい部屋があるなんて知りませんでした~。」


「ふふ。リィ目が輝いてるね。」


はっ!部屋をはしゃぎながら見渡していく令嬢らしからぬ行動をしてしまった。しかも王宮でなんてこった。

コホンッとわざと咳をし、クスクス笑っているグレイ様とクリスお兄様のところに戻った。


「気に入ったみたいでよかった。ここはリィの部屋だよ。」


「えっ?」


恥ずかしくて俯いてた顔を上げて目を見開く。


「王宮ではいつも気を張っているだろ。だから休まる場所をと作っていたんだ。」


えーーー!まさかの王宮に私の部屋が!!

しかも、どれも高そうですよ。どれ程の値段がするのか考えるだけて恐ろしくなります。

グレイ様が私のことを考えて部屋の内装もしてくれたのかな……嬉しい。私のことを考えながら………ふふふ。

私のことで頭いっぱいになってくれていると嬉しいな。


「グレイ様、こんな可愛らしい部屋をありがとうございます。使う日が楽しみです。」


「ん?今日から早速使ってもらうよ。」


「えっ?」


「お母様に聞いてなかった?どうせ明日は王宮に泊まる日だから今日から泊まるんだよ。」


「えーーーーー!!聞いてなかったですよ。でも私なにも準備してきてませんよ?」


「これはリィの荷物だよな。」


なんてこった!

私のお泊まり道具をいれるバックをクリスお兄様が持っている。

あっ…………だからか。

お母様や侍女達の言動ややたらにやにやしてた意味がわかりました。

みんな知ってたのね。

王宮に泊まるだなんて……グレイ様と同じ建物内にいると思うとたまらんじゃないですか!

絶対にグレイ様の寝姿を想像して悶々としちゃうじゃないですか!

せっかくネックレスに魔法をかけてもらったのに…今夜は寝れるかなぁ私。


―――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――

―――――――


「クリスに聞いた夢のことだが、これからの話のためにもリィの怖い思いを思い出させてしまうがもう一度聞かせてくれるか?」


グレイ様が辛そうな顔をして言うから、私のことを思ってくれているのが伝わってくる。


「わかりました。」


夢でのことを怖いながらも詳細に話をした。

今でもヒロインのカヴァル・シーファ様の生々しい表情も覚えてる。

夢………じゃなく現実に会ったかのように。


「これからグレイ様に接触されると思います。ヒロインのカヴァル・シーファ様はグレイ様ルートを行くとはっきりと言われましたから。」


そう。休み明けまでに私はグレイ様と離れることを決断しないといけない。

気持ちは絶対に離れたくない。

でも、グレイ様の身に起こることを考えると離れなければとわかってる。

目に見えない強制力が働いて、グレイ様が心変わりするかもしれないと思うと心が押し潰されそうになる。


「心配しなくても大丈夫だからな。リィ以外の女性に靡くことはないよ。」


「そうそう。リィが思ってるよりずっとグレイセドは一途だよ。それよりも、今後のカヴァル・シーファの動きと魔術師だな。」


「ああ。それは半分はもう解決してある。」


「…………なるほどな。」


えーーーと、会話が全くわからないんですが!?

もう半分解決??どういうこと??

しかも、グレイ様クリスお兄様目と目で会話しているからあれで納得したクリスお兄様も意味がわかりませーーん。


内容はさておき、目と目で会話するグレイ様とクリスお兄様………二人が真剣な顔で見つめあってるのはたまらんですね。

イケメン二人は目の保養になります!見てるだけでヨダレが垂れそうです!!

お兄様に婚約者に最高です!

はぁぁぁぁぁ。もう少し二人がくっついてくれないかな。


「「リィ、変なこと考えてないか?」」


二人が一斉に私を見て言ったからギクッと体が反応してしまった。

えっ?何故わかったんですか!?


「「顔にやけすぎ。」」


顔に出てたのかぁーーー!!

二人から指摘されるって相当にやけてたんだろうな……。


「ごめんなさい。グレイ様とクリスお兄様があまりにも絵になってしまってつい……。えへへ。」


ここは笑って誤魔化しておこう。


「それよりも今後どうするか話したいが、とりあえず詳細は後だな。」


そう言うとグレイ様が私をお姫様抱っこをして、レースで囲まれているお姫様の気分を味わえるベッドに寝かされた。


「なんで…………?」


「自分の体調もわからなくなるほど衰弱してるぞ。顔色が悪い……今はゆっくり寝ような。大丈夫、寝るまで側にいるしこのネックレスが守ってくれるからリィが怖いような悪夢は見ないよ。」


私の首元のネックレスを触りながら言ってくれた言葉は不安な心にストンと入ってきた。安心したのかグレイ様の声が子守唄のように眠気に襲われ意識はプツンと途絶えた。

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