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44.提案

応接間にグレイ様と王妃様がソファに座っている。私とお母様クリスお兄様、お父様にセディオお兄様と勢揃いで向かいのソファに座る。

えっ?そんなに重大な話なの??と思ったほどだ。


「ティア、ウォレット宰相朝早くからごめんなさいね。」


「ふふふ。ミールいいのよ、この日が来るのを楽しみにしていたわ。」


「王妃様、本当に実行されるのですか?」


お父様が渋々納得したように確認をするが王妃様にお母様はにっこり笑って圧をかける。

お父様にセディオお兄様までも恐縮しているではないか……王妃様にお母様恐ろしいですね。


「あなた、寂しい気持ちはわかるけど、これはリィのためでもあるのよ。」


みんながその言葉に納得したのか押し黙る………って私何の話か知らないんですが!?

この雰囲気みんな知ってるの?


「お母様、何の話でしょうか??」


「リィには話してなかったわね。実は今度の学園のお休みは王宮で過ごすことになったのよ。」


「えっ?王宮ですか?どうしてですか?」


「この前リィがグレイセド様をおそっ「お母様ーー!!!!」」


ぎゃぁぁぁぁ!前襲ってたあの時の話をみんなの前で言うつもりですね?

勘弁してください!!!!


「あらあらあら。リィったら恥ずかしいの?」


「当たり前ですわ。前の話を掘りおこさないでください。」


「あら?けど昨日もおそっ「お母様ー!!!!!!」」


昨日の話も出されるともうみんなにヤバイ人認定されるよ!


「ゴホン。取り乱してすみませんが、お母様それは内密でお願い致します。恥ずかしいです。」


「あら~そうだったの?困ったわね……ここにいるみんなもう知ってるのよね。」


「えっ??なんですって?」


ぼぼぼっと真っ赤な顔になっていくのがわかる。みんなを見渡すとお母様と王妃様はにやにや顔をしていて…………もうスルーします。ここは筒抜けだと思ってましたが、お父様やセディオお兄様がなんとも言えない顔をしているのが逆に恥ずかしくてたまらないです。

クリスお兄様は呆れた顔をしながらくすりと笑い、グレイ様は満足そうな笑顔でにこにこしていた。


もうもうもう!穴があったら入りたいです!

私がグレイ様を襲っていたことを知っていたなんて……………あぁぁぁぁぁぁ隠れたいぃぃぃぃぃ!!!!!


「ふふふ。リーゼは照れ屋さんなのね。いいのよ、それだけグレイを好きでいてくれてるってことでしょう?」


照れ屋で片付く問題じゃないです。

私……グレイ様を襲っているただの欲求不満令嬢ですから。。


「はい。好きですが恥ずかしいですぅぅぅぅぅーーーーー。」


恥ずかしさの限界で顔を手で覆ってしまった。


「あらあら、何を恥ずかしがっているの?好きならいいじゃない襲ってもね。」


「そうよ、グレイもリーゼに襲わせるなんて男としてまだまだね。そんな子に育てた覚えはないけれど、不甲斐なくてごめんなさいね。」


王妃様にここまで息子のことを言わせてしまってまずいと思い大声で言った。


「そんな、グレイ様は不甲斐なくないです。ただ私がグレイ様を好きで好きでグレイ様が寝てるのをいいことに、つい魔が差して襲ってしまったのです。」


……………………………………………何故こうなった!?

私は家族の前で王族の前で自分が欲求不満で襲ったのです!と大声で言ってしまった。


「ふふふ。グレイはここまで想われて幸せね。もっと襲ってもいいのよ。」


「あらあら、リィったらそんな大声で……時には身を任せなさいね。」


王妃様にお母様……みんなの前でなんてことを言っているのですか。

自分の息子を襲えだの身を任せなさいだのすごいことを言ってますよ!?


「りぃぃぃぃ……………昔はお父様のお嫁さんになると言ってくれてたのにぃぃぃぃぃ。」


お父様は泣きながら小さい頃のことを持ち出してみんなの前で情けない親父になってるし、セディオお兄様は私の言葉にショックを受けたみたいに固まっている。

こんな妹でごめんなさいとしか言えないです。


「こらこら、リィは正直に言い過ぎだ。オブラートに包まないとお父様やセディオ兄さんには刺激が強すぎる。後、グレイセドしっかりしろ!顔が緩んでるぞ。」


「クリスお兄様…………すみません。」


グレイ様もクリスお兄様に指摘されて頬をほんのり赤らめ『ゴホン』と咳払いをした。


「リーゼはいずれ王宮で暮らすようになるんだし、練習と思って一度過ごしてはいかがかしら?」


王妃様に直接言われると断ることはできないよね。

グレイ様と一緒に過ごせるのは嬉しいが、家族と離れるのは少し不安がある。

だけど、一日だけだし王宮を堪能しちゃおう!!


「わかりました。王宮で過ごす機会を与えていただきありがとうございます。」


「楽しみに待っているわ。」



この時気付いていなかった私は、もう少し後で王妃様とお母様の企みを知ることになり、今まで味わったことのない経験をすることになる。

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