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38.ウォレット家2

「最初に言っておく、お前達は狙われている。カシリスにサムウィルあの男爵令嬢から声掛けられたことあるよな?」


「「はい。」」


リィの前世の話は出来ないため、深くは話せないが二人に少しは話していないとな。


「心当たりはあると思うが、狙われてるといっても命ではなく恋愛対象としてのはずだ。」


「あの女……俺の行き先がわかってるように毎日会うし話し掛けてくるから気持ち悪いんだよな。」


カシリスが顔を歪めて話す姿を見ると、相当面倒くさいと思ってるな。


「そうですね。決まって一人の時に毎日話しかけられますね。それによくリーゼ様の事を聞いてきます。」


サムウィルもうんざりした顔で話すため、あまり好ましく思ってないないことがわかる。


「そう。何故だかあの男爵令嬢はリィを目の敵にしてるんだ。グレイセドや俺もうまく避けてはいるが狙われている。そこで、この前の舞踏会の件だ。」


「そういうことか。」


カシリスはピンときたらしいな。サムウィルもなんとなくわかっただろう。


「そう、男爵令嬢にとってリィが邪魔だからあの事件は起こった。見ただろ、あの時のドレスを………狙いはグレイセドだった。」


「図々しい女だ。俺はリィだけでいい。」


「そうだな。お前の気持ちはわかっているよ。ただ、大半は()()()()だと思っているだろうが、グレイセドがドレスを贈った事実があるかないかはもう問題ではなく、結果グレイセドを狙うあの男爵令嬢を利用する者は現れるだろう。」


「クリスと俺が集めた情報によると、男爵令嬢は自分の容姿に自信ありで男関係はゆるく、そこから情報を集めてるみたいだ。男爵もわかっていて野放しにしている。元々男爵が使用人に手をだしできた子で小さい頃平民として暮らしていたのを引き取ったみたいだ。()()引き取ったのか………。」


「利用するためか?」


「そうだ。男爵には裏の顔があって違法な薬の取引をしている。男爵令嬢はそれを利用して男達を虜にしている。虜にされている男達たちは、後に回収しているが後をたたない。男爵は令嬢と俺を仲良くさせたいらしいな。王宮にコネを作りたいんだろう。令嬢は俺やクリスお前達を含む数名を自分の虜にしたいみたいだ。」


「ふっはははっ。凄いこと考えるな。そんなお盛んなご令嬢ごめんだよ。」


カシリスか呆れた顔で言うがサムウィルは厳しい表情をしていた。


「もしかして舞踏会でリーゼ様を連れていこうとしたのは男爵令嬢の指示ですか?」


「そうだ。男爵令嬢は自分の目的達成のためならリィはどうなってもいいと思っている。」


クリスも真顔になり険しい表情になり、それを見たサムウィルにカシリスも表情を固くした。


「二人に話したのは、男爵令嬢に警戒してほしかったこと、サムウィルは同じ学年に男爵令嬢がいるからリィをしっかり守ってほしいからだよ。」


にっこりと笑顔でクリスが言ったと思ったら目が鋭くなり二人を見つめた。


「いいか、これは極秘事項だ。油断するなよ。もし裏切ったら………わかるよな?しっかりやれよ。」


サムウィルとカシリスはこくりと頷いた。

二人とも頼んだぞ。


――――――――――――――――――――

―――――――――――


身支度が終わり、クリスお兄様とグレイ様が待つお部屋まで急いで行く。

この部屋だと思って令嬢らしくはないがバーンと開けて「グレイ様、お兄様お待たせしましたぁ~。」と大きな声で言うと目の前にいたのは……………………………………………侍女達でした。



「「「「…………………………………………………。」」」」



私も侍女達も目を見開いて固まっている。

えーーーーーーー!?


「リーゼお嬢様………………クリス様とグレイセド皇太子は隣の部屋です。」


恥ずかしーーーーーーーーい!!!

家の中とはいえ…………恥ずかしすぎる!いや、家の中だからこそ間違うのは断じてあり得ないですよね!


侍女達が言いにくそうに伝えてくれると私もはっ恥ずかしくて顔が真っ赤になるのがわかる。

侍女達が何も言わず温かい目で見てくれてるのが逆に恥ずかしさを増大させる。


ぎぁぁぁぁぁ!そんな目で見ないでください。

余計恥ずかしいですから!!!!

いつもの騒がしい侍女達でいいですからーーーーーー!

静かにならないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!


「あ…………ありがとう。隣に行ってきます。」


そう呟いてドアを閉めた。

だっ大丈夫だ!!隣に聞こえてないよ!

クリスお兄様やグレイ様に聞こえてないよ!大丈夫!!

自分に言い聞かせながら隣の部屋に行く。

スゥーーーーーハァーーーーー!と深呼吸をし気を取り直してドアを開ける。


「グレイ様、クリスお兄様お待たせしました~。」


何事もなく入ったら、目の前にはテーブルを囲んで椅子に座っているグレイ様、クリスお兄様そしてサムウィル様にカシリス様がいて皆さんこっちを見ています。


「あっ、サムウィル様とカシリス様もいらしてたのですね。いらっしゃいませ。」


…………………………………クリスお兄様とグレイ様くすくす笑わないでください。

サムウィル様にカシリス様その温かい眼差しはやめてください。

皆さん聞こえてたのね?聞こえてたのでしょ??!!

声に出して笑って!声に出して突っ込んでください!

何も言われないのが一番堪えるのですよぉぉぉぉぉーーーーー。

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