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30.学園祭3

「グレイセド皇太子実はお話があります」


役員さんが真剣な顔にステージを降りてグレイ様と別室に移動したら、クリスお兄様までいた。

役員さんとクリスお兄様、グレイ様の隣に私が腰をおろす。


「別室まで来ていただきありがとうございます。早速本題ですが、今回投票にコメントが多く見られたのですが…………………。」


ちらっと私を見る役員さんなんだろ?私に見られたくないのかな?大事な話かもしれないよね。


「私は少し離れたあの椅子のところで待ってますわね。」


こくりと頷いたグレイ様を見て私は移動した。

私が椅子についた頃には深刻な顔をしたグレイ様やクリスお兄様たちが話し合っていた。


「で、何があった?」


「はい。コメントが多くみられたのですが、その中にこのようなものが…………。『リーゼ・ウォレット許さない。』と書かれてたものが一つだけございました。悪ふざけで書かれていたのかもしれませんが、ウォレット令嬢は投票結果からも好意を持たれる方ですので、これだけとなると異様に思いまして。」


「報告ありがとう。この紙は貰っていく。クリス後で時間いいか?」


「リィの帰宅後に話そう。」


皆さん深刻な顔で話してる………大切な案件なのかもね。

私は役に立たないから見守ろう。


「リィおいで。」


呼ばれて小走りでグレイ様のところまで行く。


「もういいのですか??」


「ああ、帰ろう。」


「役員さんにクリスお兄様。お先に失礼いたします。」


にっこり笑って挨拶をすると、役員さんが顔を真っ赤にして持っていた投票用紙をバサバサと床に落としてしまった。


「すっすみません。」


みんなで拾っているとグレイ様の手が止まって用紙を凝視している。それを見たクリスお兄様が困った顔をして、


「……………グレイセド、気持ちはわかるが落ち着けよ。」


「…………………ふざけるなよ。」


えっ?どうしたのグレイ様!

急に怒った表情になり用紙をぐしゃりと握りつぶした。


「リィの前だ。冷静になれ。」


「ああ、悪い。リィ帰ろう。」


いつもの笑顔だけど少し苛立ちを隠せないように見えた。

こんなに怒ってるグレイ様見たことがない。。

あの用紙には何が書かれてあったんだろう。



――――――――――――――――――――――

――――――――――――


「グレイ様…何かあったのですか?」


いつもとかわりないように見えるが、毎日側にいる私には怒りのオーラが出てるように見える。

ここまで怒ることがあまりないグレイ様だからよほどのことがあったに違いない。


「リィに心配かけてダメだな。少し考えることが出来たが…。リィおいで。」


グレイ様の腕の中へ行くとぎゅっと抱きしめられ髪の毛を撫でるグレイ様。


「グレイ様と一緒に選ばれて嬉しかったです。中庭のことは恥ずかしかったですが………お似合いと思われてるって嬉しいですね。ふふふ。」


「リィが嬉しそうで俺も嬉しいよ。今日はステージ頑張ったからご褒美あげないとな。」


髪を撫でていた手を止めて顎を持ち上げられちゅっと唇にキスをされた。

うわぁぁぁぁぁ。最高のご褒美ですーーー!

ステージのことはさすがに落ち込んでいたから今日の最後に素敵な思い出をいただきましたーーーーー!


「俺もご褒美ほしいなぁ。」


唇を離して私の頬を手ですりっと撫でながら熱い眼差しで見られる。

グレイ様のこういう瞳って見たことなかった。

今日は少し様子が変だ。

もうですね、その眼差しで見られると私どうにかなっちゃいそうです!

グレイ様…………色気も半端なく出てますが!?

本当にどうしちゃったのですかーーー!!


「ごっご褒美ですか?えーと私と一緒のキッ………………………キスでいいのでしょうか?」


「ああ。もちろんリィからくれるよな?」


えっー!!!!!

私からキスするってこと?ハードルが高いです!!

自分からくっくっくっ……………唇にしたことがないのに。


……………いや、何言ってるんだ私は!恥ずかしがってる場合じゃない!

こんな色気が出てて熱い眼差しのグレイ様にキスできるんだ!

たまらんです。


「もちろんです。グレイ様目を閉じてください。」


恥ずかしさよりも欲が勝ちました。

グレイ様が目を閉じると私はグレイ様が求めてくれていることが嬉しくて、意を決してまず頬にちゅっとキスをした。そして次におでこにちゅっとキスをし…………グレイ様の顔がかっこよくていつまでたっても見ていられる。

そっそしてグレイ様の唇にちゅっとキスをする。


やってしまった!自分からやってしまった!

恥ずかしいけどグレイ様の満足な顔が見れるなら何度だってしますよー。


「沢山してくれてありがとう。俺も家につくまで沢山してあげるね。」


そう言ってからのグレイ様は私の頬におでこに瞼に唇に沢山のキスを着くまで続けた。


着いた頃にはグレイ様の機嫌はなおっていてにこにことしていた。

私は体に力がはいらずふにゃりとなっていたので歩くことができず、部屋までお姫様だっこをしてもらうことになる。

その姿を見たうちの侍女達はまた何を勘違いしたのか顔を赤くしにやにやと私を見てくる。

いや、確かにキスはした!

キスはしたが侍女達はどこまで妄想してるのか…………恐ろしくてスルーしよう。


私も自分のことでいっぱいだ!

あんなにキスをされて正気ではいられないですーーーー。

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