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27.誤解

ナージュ様から聞いてグレイ様と学園祭のことについて話したとき……………


「グレイ様、去年も学園祭あったのでしょう?全然話してくれなかったんですね。………絶対コサージュも舞踏会もモテてたのでしょうね。」


口を尖らせてグレイ様をじとーと目を細目見た。

これだけの容姿のグレイ様にやきもちやいたってどうしようもない……モテるのはわかってた。。

けど、モヤモヤするのはモヤモヤするのだ!!


「ナージュ令嬢にでも聞いたのか?」


「はい。。グレイ様がモテてたことも。。」


「心配することないよ。コサージュは貰ったがリィ以外の女に興味ない。それに学園祭の二日目と三日目は出てないからな。」


「えっ?何でですか?」


「リィが高熱を出してしまって心配で付き添っていたんだ。」


思い出した。熱で朦朧としてたがグレイ様がずっと側にいてくれてたことは覚えてる。

朧気だったけど意識が戻るたびにグレイ様が側にいてくれて安心したことを覚えてる。

そうだったんだ。あの時が学園祭だったんだ。


「ごめんなさい。私知らなくて……学園祭楽しみにしていたのではないですか?」


私のせいで出れなかったことを知って、さっきまでのモヤモヤした心が嘘のように罪悪感でいっぱいになった。


「気にしなくていいよ。リィがいない学園祭は興味がなかったから。だから…今年の学園祭はリィと過ごしたいな。」


頭を撫でながら頬にちゅっとキスをしてにっこり笑顔で言ってくれたグレイ様に私はきゅんきゅんしちゃいます。


「………すみませんモテてると思うとモヤモヤしてしまって……私もグレイ様と一緒に学園祭過ごしたいです。コサージュも渡したいです。」


頬にちゅっとキスを返すと満足そうな顔をしてぎゅっと抱きしめてくれた。


「リィからやきもちやかれるって新鮮でいいな。」


凄い上機嫌でこんなグレイ様初めて見るかもしれない。


「何言ってるんですか。グレイ様は容姿も優しさも持ち合わせてるから……毎日心配してます。」


……グレイ様は私のなんです。っと心で叫んだ。


「心配することないのにな。俺の方がリィを心配してる。」


「私ですか?ん~ナージュ様やサムウィル様以外は話しかけられたことないですよ。きっと皆さんの中でも影みたいな存在になってますよ~ふふふ。」


「はぁ。。わかってないな………これだから心配なんだ。」


「グレイ様……………………聞いていいですか?」


「なんでもどうぞ。リィに隠し事するつもりないからな。」


「去年のコサージュはどうされたのですか?」


はぁぁぁぁぁ。わかってる。頭ではわかってるんだよね。

うざがられるとわかっていても………気になってしまう。

些細なことでもグレイ様を独り占めしたいのだ。

心も体も……………てもう変態だね。。

かぁぁぁぁ、ぶっちゃけ全部を独り占めしたい。


「ああ、あれはリィにあげたよ。」


なんですと?!記憶にございませんが??


「えっ?貰ってませんが?」


「今は制服で毎日服を着なくなったが、ワンピースやドレスを送ってただろ?その包装にコサージュつけて送ってたんだよな。」


「…………もしかしてあの可愛い青バラのですか?」


「そうだよ、学園に入れば話そうと思ってたんだ。学園祭のコサージュは男性が青バラで女性が赤バラなんだ。」


嬉しい!うれしーーーーーーい!

グレイ様私のこと思ってくれていたことが嬉しいです。

三回同じように送られてきてたから覚えてる。

グレイ様からの贈り物はグリーン系統が多いから青色は珍しいなぁ~と思ってたんだよね!

謎が解けました!!


「グレイ様…。」


嬉しくて幸せで嬉しくて幸せで……顔がふにゃりと緩む。

そのまま頭の上にあるグレイ様の顔を見上げた。


「ちょっ…………リィその仕草は反則だ。」


顔を真っ赤にしているグレイ様はそのままソファーに倒れてしまった。

私はグレイ様を放していないため、押し倒した状態になっている。

嬉しくて嬉しくて……止められない。


「グレイ様………大好きです。」


いつもと逆で上からグレイ様を見下ろして頬ずりをした。

グレイ様の肌はすべすべだぁ~気持ちいいです。


「…………っ。リィ。」


ぎゅっと力強くグレイ様が抱きしめてくれたとき、ガチャリと私の部屋に入ってきたお母様。


「リィ、今度の学園祭のことで………………………あら。」


ですよね。ですよね!反応そうなりますよね。

私がグレイ様を襲ってるようですよね。

見られたぁぁぁぁぁ!


「あらあらあら。そういうこと。これはミールに報告しなきゃ~ふふふ。」


報告??いやいやいや、しなくていいですよ。

そんなことしたらお母様の子供が男性を襲ってると言う誰から見てもヤバイ女性になってしまうーーーー。


「おっお母様。」


グレイ様から離れてお母様の方に行かなくては……と思ってたら


「あら?どうしたの?続けていいのよ~。お父様には内緒にしとくから大丈夫よ。ふふふ。」


いやぁぁぁぁぁ、誤解です!

いや、押し倒していたから誤解ではないが誤解です!

さすが私のお母様です!考えが私の斜め上思考です。


「ミールも喜ぶわぁ。私たちの夢にまた近づいたのね。早速連絡をとりましょう~。ふふふ。」


完全に誤解して去っていきました。。

ああなったお母様は止められない。

そしてお母様の凄まじいのは、必ず有言実行するのだ。

王妃様にもばれる。。息子が押し倒されたなんて………何て思われるだろう。。


「リィのお母さんに見られちゃったな。」


クスクス笑いながら凄いご機嫌なグレイ様。

いやいや、醜態を見られたのになぜご機嫌に??


次の日、お母様が王妃様とのお茶会が楽しかったとにやにやと喜びながら教えてくれた。

この誤解が後に大変なことになることをこの時の私は知るよしもなかった。

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