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21.教室

振り返るとそこにはホルソンご令息が私を支えていた。


「すっすみませんでした。助かりました、ありがとうございます。……ホルソンご令息?!」


少し大人びたが小さい頃の面影があります。

おぉ!いい男に成長しております!

イケメンの部類じゃない!これだけイケメンだと攻略対象に入ってそうだ。

ホルソンJr.も一緒のクラスなんだー。

知ってる人が二人もいた!少し安心だ。


「ウォレット令嬢大丈夫ですか?痛そうですが席まで支えていきますよ。」


有無を言わさずホルソンJr.は席まで支えながら歩いてくれた。


「サラモンご令嬢もホルソンご令息も助かりました。ありがとうございました。」


痛いため座って頭だけ下げお礼を言う。

サラモンご令嬢が隣でホルソンご令息が斜め前の席だったのね。


はぁぁぁぁ。

初日から私なにやってんだろ。悪目立ちしすぎじゃない。

周りの視線が男女ともに突き刺さる。。

あれだけ目立てばこうなるよねー。。

でも、、なんでこんなに見られるんだろ!?

今は席に座ってるだけで変なことしてないし………何か変なのかな私。


「サラモンご令嬢。凄く視線を感じるんです。私って何か変なんでしょうか?」


髪型や制服を見てもみんなと変わりないと思うんだけど。。


「ふふ。それはウォレット令嬢が可愛いからですわ。成長されてますます磨きがかかってますわね。『秘宝の妖精令嬢』は本物ですわ。」


えっ??なになに??

何て言った今!!

小さい頃『小さな妖精』と呼ばれてたのは知ってたけど…。


「何ですか………その『秘宝の妖精令嬢』とは?」


「えっ?知らなかったのですか?あのお茶会以来表舞台に出てこないため、見た人は凄く運がいいことやグレイセド皇太子が大切にしてるなどの噂が元ですわね。」


なにそれーーーーーー!!

いやいやいやいや。

私を見たって何も起こらないし…………ただ引きこもってただけですからぁぁぁぁ!!

凄くいいように解釈されております!

グレイ様から大切にされてるとは思っておりましたが、秘宝とかレベルが違いまーーーーす!


「えーと……私そんな風に言われるような人ではないですよ。それに、私嫌われてるんです……あのお茶会でよくわかりました。サラモンご令嬢の方が外見も内面も素敵です。」


「ふふ、ありがとう。けれどウォレット令嬢は嫌われてませんよ?」


「優しいですねサラモンご令嬢は。私が見るとみんな目を反らすか怖い顔で見てくるかだったのです。」


伏し目がちに思い出しながら話した。

クラスの聞き耳をたてていた生徒達は、、それはウォレットご令嬢に恥ずかしがったか嫉妬したかだろう!と全員心の中で一致していた。


「ウォレットご令嬢は自分をわかってらっしゃらないのね。」


サラモンご令嬢が微笑みながら言っていたことがよくわからなかった。

うーん。嫌われてるわけではないのかな。。

それならそれで嬉しいことではないか。


「サラモンご令嬢、よかったら私と友達なってください。そして是非リーゼと呼んでください。」


「ええ、私もナージュと呼んでくださいませ。」


やったぁぁぁ!

初めての友達だ。嬉しい嬉しいです!


「入学初日で友達ができて嬉しいです。」


にっこり笑うとナージュ様も周りの皆さんも固まってる。

私なにもしてませんが?嬉しがるのは駄目だったのかな?


「リーゼ様………グレイセド皇太子が囲う理由がわかりましたわ。」


ん?急に何故グレイ様が出てくるの?

わからず首をかしげると、周りがざわついている。

よくわかりませんが、今日は友達ができて素敵な一日に変わりそうです。



――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――

――――――――



「では、リーゼ様また明日。学園にいる間不自由なときはおっしゃってくださいね、私もお手伝いいたしますわ。」


「ナージュ様ありがとうございます。また明日お会いしましょう。」


私もグレイ様の教室………には行けないか。教室わからないしこの足では無理だ。

どうしようかな~。ここで待ってる?あっ、廊下で待ってようかな。

立ち上がりそっと歩こうとしたとき、荷物の重みで挫いてる足に思ったより体重がのってしまって…………いたーーーーーーい!

よろけて転けそう…………自分の手では支えられず…………あっこれ駄目なやつだ。

このまま倒れちゃう!と覚悟を決めたときお腹を抱き抱えられピタリと倒れるのが止まった。

ふわっといい匂いがして、安心できる匂い。


「グレイ様。」


抱き止めてくれている人に振り向きながら呼んだ。


「リィ座って待ってないと危ないだろ。」


とうとう……………私はグレイ様を匂いでわかるようになってしまった。

とんだ変態だ。

まだみなさんいらっしゃるから変なことは思わないようにしないと言葉に出ちゃいそうだ。


「すみません、廊下で待っていようと思いまして。今日は教室ではナージュ様やホルソンご令息に助けていただきました。」


にっこり笑って今日の報告をした。頑張ったよー私。


「へぇ。馬車で帰りながらゆっくり聞こうかな。」


ん?笑顔だけど目が笑ってないように感じるのは私だけでしょうか?目が鋭くなったんですが何故ですか?

周りの方達もざわざわしてたのにシーンとして急にどうされたのかしら?

私なにかいけないこと言ったかな。


「はい。私もグレイ様にたくさんお話がしたいです。」


周りの生徒は、「いや、そういう意味ではないだろう!」と心で突っ込んでいたが誰も口にすることはなかった。

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