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17.学園入園前

グレイ様の婚約者になって数年がたった。

私も来月は学園の入学式だ。


グレイ様は一つ年上だから去年入学されたんだよねー。

私が不安にならないように本当に毎日会っていた。

学園に入学されてもそれは変わらない……忙しいのにごめんなさいと思いつつ、「会わなくていいです。」と言えない私がいる。自分の欲求には勝ててない。


…………ヒロインと遭遇してから私は強くなれず引きこもってしまった。

すべては思い出せないが前世の記憶でも引きこもってしまう方だったようだ。原因は性格なのか……よくわからずだ。

サラモン令嬢のお茶会も結局一度も行けなかったけど、文通はずっと続いてる。

サラモン令嬢って本当にいい人なんだよ………。ここ数年手紙で何度癒されたことか。

ホルソンJr.の約束はグレイ様から「僕から伝えとくからいいよ。」といわれたのでお願いした。

きっと知り合いだったのね!グレイ様優しいです。


そう、グレイ様は優しいのだ。

数年間、引きこもりの私を長時間休みがとれると外に連れ出してくれた。

グレイ様となら安心して外に行けたんだよねー。

ほんのすこーしだけ、、すこーしだけどヒロインに会わないかビクビクしてたのは内緒。


まだ社交界デビューしてるわけじゃなかったし、引きこもりになっても誰かに気づかれてる風でもなくて安心した。

だって、『第一王子の婚約者引きこもりです!』なんてとんでもない話だ!!

この数年間はグレイ様と二人の時間を育んできた。

毎日毎日、あのお顔を拝めれるなんて最高でした!なんて思っていたことは墓場まで持っていく秘密の一つだ。


学園でのグレイ様はモテるらしい…………とサラモン令嬢から教えてもらった。

そりゃーそうでしょ!!

優しいうえに容姿端麗で王子様でしょーーーー!

モテますから!!

小さい頃は可愛い要素も強かったグレイ様は、成長して背は高くなって私と20センチは差があるし、可愛いよりも男らしさが増してかっこいい顔になった!

毎日一緒にいてもヤバイですから!間近で見てると気がおかしくなりそうですから!


学園は寮生活じゃないから帰りにグレイ様は寄ってくれてたけど、今度からは学校でちらっとでも会えたら……………ううん、姿を見れるだけで嬉しい。


私も自慢じゃないが成長した。

さすが悪役令嬢だ!!容姿は完璧な女です!!

心の成長はしていない………引きこもってましたから!

………というか、私の気持ちの問題なんだよね。。

体は出るとこでて引っ込むとこ引っ込んでナイスボディになってます。

制服が……………学園の制服が結構ぴったり系なんだよねー。

「リーゼお嬢様。さすがです!女性の鏡のような体です。老若男女問わずですね!!」

侍女たちから絶賛?された。

……………問わずって何が??少し恐ろしいんですが……………。


ドアの音が聞こえて振り返るとグレイ様が来てくれた。

本当に毎日来てくれるので気がつけばお出迎えなし、勝手に入ってよし。となんとも不敬罪に値することが平気で行われてた。


「グレイ様。今日も学園お疲れ様です。」


みっともないが駆け寄ってぎゅっと手を握る。

小さい頃はすぐに頬にキスをしていたが、背が高くなってグレイ様が屈んでくれないとできなくなってしまった。

いつもの恒例でグレイ様の顔が私に近づいてきて頬にちゅっとキスをされたので、私もようやく頬にちゅっとキスを返した。


「ただいま、リィに会いたかったよ。」


グレイ様から『ただいま』と言われると私の中に居場所を作ってくれてるのかなぁと毎度嬉しさが込み上げてくる。


この光景を見て最初は驚いていた…………というよりも歓声があがった侍女達だが毎日の恒例ともなれば慣れて微笑ましい顔で成り行きを見守ってくれるようになった。

いいんだか………恥ずかしいんだか…………いや恥ずかしいです!


「いつ見てもグレイ様の制服姿とても素敵ですね。今度から学園でも見かけられると嬉しいです。学年が違うからなかなか会えないと思いますが…。」


言ってて少し悲しくなった私の表情を読み取ってなのかグレイ様がぎゅっと抱き締めてくれた。


「校舎も一緒で俺が三階、リィが二階になるだけだよ。毎日会えるようにいつもお昼は一緒に食べよう。」


「毎日学園でも会えると思うと嬉しいです~。」


グレイ様にぎゅっと抱き締め返した。

今では身長差もあり、抱きしめあうと私の顔はグレイ様の胸元にくるのでスリスリする。

すぅーーーーーと匂いを嗅いでしまう変態の私。

だってだって……一日学園で勉強に動き回ってるはずなのに毎度ヤバイくらい良い匂いがするんだもんーーーーー!!


「もうすぐ入学式だね。制服着てみた?」


「はいっ。結構ぴったり系で少し恥ずかしいですが。。」


私の顎を右手でぐいっと持ち上げグレイ様のにっこりした顔に向けられた。


「ねぇ、今着て見せてくれる?」

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