16.調査
あれからのことはあまり覚えてない。
どうやって帰ってきたんだろう。。
せっかくのデートだったのに……私のバカ。。
明日グレイ様に謝らなきゃ……。
帰りの馬車の時に何か聞かれた気がするけど思い出せない。
…………ヒロインは本当にいたんだね。
そして綺麗だった。。遠くからしか見てないのに綺麗だった。
攻略対象の人達あんなに綺麗な子ならそりゃー惚れるよね。
出会いがあって、好意を持たれたら好きになるよ。。
強制力とかでグレイ様も心が揺らいでたら嫌だな。。
はぁぁぁぁぁ。。。グレイ様どう思ったんだろ。。
怖くて聞けなかった。。
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
―――――――――
リィの様子がおかしかった。
今日はいつにも増して挙動不審たった。
何を言いたかったのか。。
湖の女の子を見たときからさらに様子がおかしかった。
リィの態度から初対面なのはわかるが、何かあるのか?
帰りもずっと上の空で話していても会話になっていなかった。
今までこんなことなかった。何かあったに違いない。
帰り道リィが『断罪………ヒロイン』と呟いていたことから、前聞いた話のことだろう。
護衛騎士からは何に驚いて叫んでいたのかわからないと、よく分からない報告が返ってきた。
あの子は何故叫んだのかという話になってくる。
町から少し外れた場所に一人でやってきて叫んでた………変わりすぎてて理解に苦しむ。
リィと初めてのデートを邪魔されて内心苛ついていたのによくわからないとは……はぁ。。
護衛騎士は綺麗な平民の子だったと言っていたが、僕からすればリィ以外の女は皆同じだ。
僕にはリィだけが輝いて見える。
王宮に帰り、僕についている影の者にさっきの変な女を調べるように告げた。
数日中に報告が上がってくるだろう。
リィの不安材料はすべて消してあげるよ。
後は、サラモン令嬢のお茶会だな。
本当は行ってほしくないが、リィの交流も大事にしたい。
僕のことを考えて、嫌なことはしないと言ってくれたリィが愛しかった。
サラモン令嬢の親しい令息となるとサムウィルも含めあいつもくるだろう。
厄介だな…………リィに近づけたくなかったんだが。。
――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
―――――――――
僕の影は優秀だな。数日はかかると思っていた報告を次の日に持ってくるとは。。
報告書をざっと目を通すとまさかと思っていたが…………ビンゴだったようだ。
「ヴィゴありがとう。ここまで詳細に調べてくれて。」
「少々複雑だっただけに手こずりましたが、グレイセド様の頼みならば。」
「それともう一つ頼みたいんだ―――――――――――。」
「了解しました。」
…………………ヴィゴに頼めば大丈夫だな。
報告書に目を通すほどに、幼いのに行動が奇妙な女だ。
それよりも原因はわかっているが初めてのデート以来リィに元気がない。
僕とリィの時間や関係を崩そうとする者は許さない。
学園まであと数年……学園を卒業したら即結婚式をあげるよう計画しよう。
誰にも邪魔させない。リィを手放すつもりはない。