表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/110

12.グレイセド1

―――――――――――――――

――――――――


「グレイ様に全て身を委ねます。」

ドアを開けた瞬間そう聞こえて思考回路が停止してしまった。意味がわかってないのはわかってるが、リィの口から出ることに意味がある。

僕を信頼してくれてるんだろうな。

今はそれでいい。


婚約発表の前にリィに自分の気持ちを伝えたかった。

受け入れてくれて、照れながらも頬にキスを返してくれて幸せだと思った。


今日のドレスは全部自分色に染めた。とても似合ってて本当にこのまま閉じ込めてしまいたい。

……理性をフル回転させ婚約発表も兼ねていたので()()()()()()()やめておこう。

ドレスに喜ぶリィが幸せそうにふにゃりと笑うと可愛すぎて抱き締めたくなる。

衝動をおさえ、エスコートをして連れていく。


僕がエスコートをして現れた姿を見て、勘のいい大人たちがざわつき出したのがわかった。

婚約者がすでに決定されてるなんて思ってもみなかったんだろう。

女の子からの視線を感じる………明らかな熱を帯びた目でみられてリィ以外からは嫌悪感しかない。

僕を見た後、リィを見て凄まじく恐ろしい顔をしてる。いやいやいや、僕にも見られてるよ。

案の定、リィを見た男達は見とれているのがわかる。

こうなることはわかってはいたが、いい気はしない。

早く公表してリィを自分のものだと言いたい。


お祝いを言いつつ母子ともにリィを見ている。

大人は気になって仕方ないらしい。

お母様が『今は触れるな。』と威圧感を出してるので大人は聞いてこないが、子供は正直だ。

男は赤面し、女の子は形相が変わるくらい睨み付けている。

僕が気づいてないとでも思ってるのか……僕にはこれでもかってくらい笑顔の媚をうってくるが………女は恐ろしい。


それにしても一番厄介なのはサムウィル・ホルソンだ。

リィを見てのあの態度、顔をそらした後もリィに気づかれないようにチラチラ見てたな……完全に惚れたか。

しかも、サムウィルは僕の将来の側近候補者だ。リィの話からしたらサムウィルも今後関わってくるな。


……リィはわかってないから厄介だ。

笑顔どころか見ただけで虜にしてる。

他の男達も反応は同じようなもの。。はぁ。。


今後どうするか考えてたときにリィから心配する声が聞こえてきた。

虫除けの話をしたら少しパニックになってる姿を見て抱き締めたくなった。

あぁ、本当に可愛くてしかたない。


お母様がようやく婚約者の公表をした。

ようやくだ。

…さっきの挨拶の時、娘をやたら進めてきた母親もいたからさすがにざわついてるな。

そんなことよりもリィには伝えてなかったから………少し震えてるな。

大丈夫だよ。悪役令嬢や断罪は大丈夫。

僕がさせないなら。リィが側にいてくれるだけで幸せだから。


「幸せだよ。」と伝えたらリィがふにゃりと笑って同じ言葉が返ってきた時はたまらず頬にキスをしたくなった。

ヤバイヤバイ。さすがにここではまずい。

……周りを見わたすとサムウィルが頬を赤らめ…いや首まで真っ赤にして目を大きく開いてる。

はぁ………………今のリィの顔を見てしまったんだろう。

ずっと見てたなリィのこと。

僕の婚約者だとわかった今は下手なことはしないだろうけど。


リィから目が離せないな。



サラモン令嬢………確か数回王宮でサラモンの仕事に付いてきていた時にあったが挨拶だけだ。

僕もリィに一目惚れだから人のことは言えないが、誤解されるような言い方はやめてもらいたい。

このとき初めてリィから僕の婚約者として頑張りたいと聞いて本当に嬉しかった。

愛しくなって抱き締めたい衝動にかられた。

……………あとで沢山しよう。

サラモン令嬢にはきっぱりと断りをいれた。周りも聞いてるから令嬢達に向けての牽制もあった。

リィとの間を邪魔されたら僕はなにするかわからないよ。


で、何がどうなってサムウィルに聞きに行こうとしてるのかな。リィは時々飛んでもない発想をするな。

一緒に行こうとしてくれてるだけ婚約者としての自覚はあるみたいだが、誰が他の男と話をさせるか。

リィは僕のことまだまだわかってないみたいだね。

サムウィルとはあまり関わってほしくなかったが……仕方ないな。リィの突拍子もないところも好きだけど、男が関わると話は別だ。僕がいないところで()()()()()と会えないようにしないとな。

どれだけ僕の想いが強いかこれからリィにわからせていこう。


この状況にイライラが募っていく。

周りには気づかれていないがリィは敏感だから感じ取ってるんだろう。不安そうな顔で僕を見たりしてる。

リィに怒ってるわけじゃないからね。後でたっぷり話をしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ