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110.お泊まり会10

ドサッ


ベッドに下ろされた私は周りをキョロキョロ見渡しここは何処だろうと思いながらグレイ様を見上げると、月明かりで金色の髪がキラキラ煌めいて綺麗だ。

お酒を飲んでるからなのかとても色気が出ているじゃないですか!


「グッグレイさ…………まっ………んっ………。」


だんだんグレイ様の顔が近づいてきて言い終わる前に唇を塞がれた。

待って待って待って!!

グレイ様が何に怒ってるのかわかりません!!


「んんんんっ………。」


唇を塞がれていて言葉がでないしグレイ様の胸を押してもビクともしない。

さすが鍛えてるだけある!!たまらんです!!

じゃなくてぇぇぇ、やめろ!!私の変態思考!!

まずはグレイ様に聞いてもらわないと!!


「はぁっ………リィの知らないところがまだあるとは思わなかったな。」


唇が離れたと思ったら耳元でそんな色っぽい吐息混じりに言うのやめてください!!

身体がキュンキュンするじゃないですか!!

はぁぁぁ身体の力が抜けちゃいます。。

でも、このままだと自分の想いを話せてません。


「グレイ様、私の好きなのはグレイ様です。」


グレイ様の頬を両手で包み込み瞳を見つめながら自分から唇にチュッとキスをした。

ビックリした顔で私を見ている………そうだよね。

最近自分の気持ちをしっかり伝えてなかったから………私もカペロ様への気持ちとグレイ様への気持ちが正直わからなかったけど、今ならはっきりと言える。

だから、間違わないように伝えなきゃ駄目だ。

グレイ様の頬をそっと手で触れながら話をする。


「先程ナージュ様が言った私の初恋はカペロ様だと言うことは本当です。クリスお兄様とよく遊ばれてたカペロ様を王子様と呼んでました。あの頃はクリスお兄様やお兄様以外の男の子と話すことがなくて、家族以外で初めて話した男の子だったのです。優しくていつも気にかけてくれてるカペロ様を幼心ながら好きでした。………ですが、憧れもありましたよ。クリスお兄様達のようにかっこいいお兄様のようで……だから初恋なのですが………どう言えば伝わるのかわからないですが………ごめんなさい、ちょっと待ってください。」


冷静になれ私!!冷静になれ!!

グレイ様は私を真っ直ぐに見つめ話を聞いてくれているが、それは嬉しいですがそんな熱を帯びた瞳に見つめられるとキスしたい!!何もかも投げ捨ててめちゃくちゃにされたい………と思考回路がぶっ飛んじゃいますから!!


「えーと………だから………カペロ様を好きかもしれないと思って婚約破棄を告げたのは好きなのか憧れなのかわかってない状況でこれ以上一緒にいれないと思って…………。」


「今は?」


優しい口調なのに確信を聞いてくるグレイ様。

答えなんてわかっていると言わんばかりのどや顔で。


「グレイ様にだけ胸がギューと苦しくなったり愛しかったりすると気付いたんです。私が恋してるのはグレイ様、あなたです。」


グレイ様の顔を引き寄せて唇にキスをした。


「待たされたな。」


「待たせてごめんなさい。大好きです。」


これからは素直に気持ちを伝えよう。

だってグレイ様が儚げな笑顔をしているから今までどんなに不安にさせてたかが伝わってくる。


「リィは昔から俺のものだ。」


「ふふ。そうです、私は身も心もグレイ様のものですよ。大好きです。」


出逢ってからグレイ様はずっと私のことを優先に考えてくれていた。

こんなに素敵な人いないよ。


「リィが俺だけしか見ないように閉じ込めたい。」


「願ったり叶ったりです。グレイ様になら閉じ込められたい。ずっとずっと大好きです。」


さすがにこの返しにはグレイ様も目を見開いている。『閉じ込めたい』=『監禁・軟禁』を表してることくらいわかってるが、本当にグレイ様からだと嬉しい限りですよ。

ヒロインが最後教えてくれた言葉があった。

転生者だからわかる言葉。

ヒロインが私を転生者だと思っているかはわからないけどハッキリと言える。

ふふふ。私はグレイ様からの『ヤンデレ』は『ヤンデレ』に入りません!!

ゲームを何度もした人だけに現れる『グレイセド皇太子のヤンデレルート』らしいが、グレイ様のことならドンとこい!!ですよ。


「リィには勝てないな。」


よくわからず首をかしげながら見つめるとクスリと笑って


「こんな俺を受け入れることが嬉しくてな。」


「私の愛をなめないでください。私は怖いですよぉ。グレイ様への想いが強くて閉じ込めちゃうかもしれません。」


わざと意地悪い顔をして伝えると、グレイ様は幸せそうに微笑んで私の唇にキスをした。


「嬉しいな。リィからの想いなら願ったり叶ったりだ。」


見つめあい二人で笑いながら軽くキスをした。

気持ちを伝えれてよかった。

グレイ様がギューと抱きしめてくれて、私も絶対に離しませんと強くギューと抱きしめた。


「あっ、一つお願いがあります。カペロ様とお話をさせてください。」


「嫌だ。」


………()()でなく()だと言ってくれるのはグレイ様の優しさなのかもしれない。

不安になっているのかな?


「グレイ様、カペロ様とはきちんと話して(断り)おきたいんです。私はグレイ様とこれからもずっと一緒にいたいから……お願いします。」


「………………………わかった。遠くから見ているからな。王宮の園庭で会うように明日セッティングしよう。」


よっぽど心配なのかな………でもカペロ様と話をしなければ先には進めない。


「ありがとうございます。わかりました。グレイ様大好きでんっ………。」


言い終える前にグレイ様が深い口づけをしてきた。

ドンドンと胸を叩くと唇は離してくれたが何!?と言わんばかりに不思議そうな顔をされた。

いやいやいや、今王宮には友達が沢山いますからね?


「………今日は友達がいるから()()()は恥ずかしいです。」


さすがにハッキリ言うのは恥ずかしいから顔が熱くなっていくのに、グレイ様は意地悪な顔になって唇をペロッと舐めた。

ぎゃぁぁぁ!!!!!

なになになに!!その色気は!!!!

半端ないです!!たまらんです!!!!


「もう我慢できない。みんなとは部屋も離れてるし俺の部屋からは音が漏れることはない。大丈夫だ。」


いやいやいや、大丈夫とは何が!?

もう、グレイ様やる気満々じゃないですか!?

この日は朝までグレイ様が離してくれず、とてもとても濃厚な忘れられない夜になりました。

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