11.お披露目5
なんだかグレイ様雰囲気が柔らかくなってる。
「私が頭打ってたとき何かありましたか?」
聞いたとたん顔がとろけんばかりの甘いあま~い顔になり、私のおでこにちゅっとキスをした。
うきゃぁぁぁ!!
いぃぃぃぃぃぃま甘い要素ありましたぁぁぁ??
動揺してしまい顔が熱くなってるのがわかる。
なんなんですか!あのとろける顔は!!
私を殺すきですか?キュン死にしますよ!
「リィ、覚えてる?」
何を!?
と聞きたいが…………わかってます。。
あのことだよね?あのことですよね?
ここはどうするか。
すごーく恥ずかしい。けどけどグレイ様に嘘はつきたくない。
……願望丸出しであんな醜態を晒したんだし……こんな変態女嫌だよね。。
グレイ様から『変態』と言われたらどうしよう………生きていけない。悲しすぎる。
目頭が熱くなって視界がぼやけてくる。
「おっ………………………覚えてますっ。。グズッ。」
耐えきれず瞳から涙が溢れ出す。
グレイ様に嫌われたくない。それだけ。
「何で泣いてるの?」
「……だって…グレイ様から変態と…グズッ…おっ思われても仕方ないですぅ………。きっ嫌われたくないですっ……。」
グレイ様の顔を見れずに胸元で泣いてたからグレイ様の洋服が濡れてしまった。
頬がグレイ様の両手で包まれて顔を上へ向けられる。
「リィの気持ちが嬉しかった。意識がなくても僕から離れなくて、そんな姿が愛しかった。リィ大好きだよ。」
とても幸せそうにふにゃっと笑うグレイ様の顔初めて見た。
この顔は誰にも見せたくないなぁ。
ふつふつと独占欲が支配してくる。
こんな顔を見せられたら涙なんて引っ込んじゃう。
「ずみばせん。願望が剥き出しになってしまって。。」
「願望だったんだ。」
クスクス笑うグレイ様はやっぱり幸せオーラ全開だ。
はっ。願望とかペロッと言っちゃった!
こんなこと毎日思ってるんじゃないですからね……たぶん。
………………本当に変態だよ私。。
こうなったら、開き直るしかない!!
「はい。願望です!!だってグレイ様のこの容姿端麗な顔に思いやりがあって優しくて……本当に完璧なんです。私だって女の子です。そんなグレイ様が近くにいたら変なこと考えちゃいます。触りたくなりますよ!!」
…………………………………………真面目に言ったつもりがこれ何の暴露?
言ってること変態だよね!!!
グレイ様が近くにいたらたまりませんって言ってるよね?
最後の一言いらなかった。。
いやぁぁぁぁぁぁ。終わった。私終わった。
女の子として終わってるわ。。。
「へぇ~。リィって僕をそんな風に思ってたんだ。」
幸せそうにふにゃっと笑うグレイ様を見て、これから先も私だけが知ってたいなぁ。。
こうなったら開き直るしかない!
本人がいいと言ってるんだから素直に受け取ろう、自分の願望のためにも。
「頬ずりしたり、頬にキスしたり、ぎゅっとしちゃきますからね。」
ここまで来ればもう怖いものなんてない!
変態万歳だ。
「いいよ。なるべく二人の時にしようね。大勢の前でも僕はいいけどリィが恥ずかしいでしょ。」
フッと笑った顔は初めて見る少しいたずらっぽい笑顔だった。
今日は沢山の表情が見れて嬉しいな。
私もそれだけ暴露してますが。。
そうだ、、大勢の……………………いやぁぁぁぁ。
忘れてた!そうすっかり忘れてた!
このまま記憶がなくなればよかったのに…………みんなの前でしちゃってたんだ。。
恥ずかしいったらない。。。
しかも、さっき「私が離れなかった」と言ってたよね!?
なんてことだ。だからずっと抱き締めてくれてたのか。
重い私を起きるまでずーと………もう本当に何から何まですみません。
小さく「はい。」と頷きながら呟いた。
体を少し離してグレイ様の顔を見て疑問に思ったことを聞いてみた。
「私が倒れる前、何故グレイ様かなり不機嫌だったんですが?」
グレイ様の笑顔が温かいものから一転氷のような冷たさを帯びているのは………気のせいではありませんね。
やらかしたのかな、、私。
「そうだね。………リィはどうして強くなりたいと思ったの?」
「あっ!はいそうなんです。だってグレイ様容姿端麗ですから私強くならないと、今日みたいに……ううん、もっとこれからグレイ様はかっこよく成長されてご令嬢達が好きになってしまいますわ。……私なにもありませんもの。心身ともに強くなればきっと打ち勝つと思いまして。」
だって………ご令嬢だけじゃなくて学園にはいったらヒロインがいるから……強くなってないと耐えきれない私。。
「なるほどね、わかった。これでも態度で示してたんだけど不安にさせるくらい足りなかったんだね。もっと積極的になることにするよ。ずっと僕だけを見てるといいよ。」
んん??怪しげなことを言われた気もしたが……。
わかってます。わかってるんです。
グレイ様が私のこと想ってくれてることも、行動で示してくれてることも。。
でも不安なんです。ヒロインが現れると思うと不安でたまらない。。今言っても何も出来ないから。。
だから、体動かすとか心身ともに鍛えれば不安が消えるかなぁと思ってた。。
「………」
「リィが安心できるって何かな?」
「……安心。。……グレイ様と離れてると……不安になります。」
「そっか。一日の間何処かでお互い一緒に時間を必ず作って一緒にいよう。」
「グレイ様……忙しいですよ。」
「それはお互い様だよ。僕も学ぶべきものがあるけどリィも王妃教育が始まるから王宮に来ること増えるし忙しくなるよ。なるべく一緒にいよう。そして二人の思い出を沢山作ろう。」
「……はい。」
グレイ様にこんなこと言わせてごめんなさい。
伏し目がちになってる私の瞼にキスをしてぎゅっと抱き締めてくれた。
私もグレイ様の背中に手を回してぎゅっと抱き締めた。
この日、グレイセド王子の婚約が国中に公表された。
公表に付け加えて、婚約者の小さな妖精令嬢ことリーゼがグレイセド王子が大好きで離れられないことも大々的に広まっていたことを私は数日後に知ることになる。