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拝み屋NIGHT・Curtain  作者: SHELLY・BOSS
9/20

#5.0 食べる事を止められない

食べる事はいい事です!

誰がなんと言おうとも・・・


お楽しみ下さい┏●

「またこんなに食べて・・・少し食べ過ぎなんじゃない?」


「まぁまぁ、子供は元気に食べるのも仕事だよ。」


「でもあなた・・・」


「言ってやるな。見てみろ幸せそうな、この子の顔を。」


僕は食べるのが大好きで、度々太っていると言われる。

でも僕は食べる!

食べる事が幸せだと、思う。

だから僕は、どんな事があっても食欲が減らない。


*********************


小学2年生の時、お父さんが旅立ったと、お母さんに言われた。

どこに行ったのか聞いても、お母さんは答えてくれなかった。

僕は親戚のお兄さん達と一緒に、葬儀場で鬼ごっこをしてた。

逃げている途中で、お母さんに連れられて僕は外に出た。


「この人が新しいパパよ。前のパパは旅に出ちゃったから、この人をパパって呼んでね?」


お母さんは新しいお父さんと手を繋いで、仲良さそうにしている。

僕は軽く頷いて、鬼ごっこに戻った。

お昼ご飯の時間になった。

僕は、いつも通りの量とペースで食べ進んでいるとお母さんに、


「こんな時くらい、食べるのを抑えなさい!」


と、怒られてしまった。


「でも、お父さんは食べても良いよって・・・」


「お父さんは、もう居ないの!外に行ってなさい!」


僕は泣きながら外で待っていた。


*********************


俺は中2になった。

相変わらず義父と母はイチャイチャしている。

俺はそんな両親が嫌になり、グレた。

何度も警察のお世話になりつつも、反省しない日々を送っていた。

今でも食べることは好きだ。

食べていると、嫌な事を忘れられる。

今日も仕方なく家のリビングで、3人で食べる。


「ちょっとアンタ!どれだけ食べるつもりなの!お父さんが稼いで来たんだから、少しは遠慮しなさいよ!」


「うるせぇんだよ!こっちは仕方なく家で食ってんだよ、文句言うならこんなモン要らねぇよ!」


「なんて事言うの!コラッ!待ちなさい!」


俺はイライラをぶつけるように、足音大きく自室へ戻った。


*********************


夜中、息苦しさに目を覚ますと、母が俺に跨ってハンカチを俺の口に押し付けていた。

俺はどかそうと思ったが力が入らず、次第に意識を手放していった。


*********************


「あっちぃなぁ・・・んだよ此処は・・・」


俺は目が覚めたら、外にいた。


「アンタが、あんな事、言うのが、悪いのよ。アンタが、悪いの、お母さんは、悪くないの。」


訳が分からなかった俺は、立ち上がろうとしたが、体が動かない。

それどころか、指1本たりとも動かせない。


「俺に何しやがった!聞いてんのかババァ!」


「お母さんは、悪くないの、アンタが、悪いの。アハッ、アハハ、アハハハハハッ!」


気味悪い笑い声をあげると、母は何処かに行ってしまった。

俺は首をなんとか動かし、自分の体を見てみると、地面に埋まっていた。

首から上だけが外に出されていて、なんとも滑稽な姿だった。


*********************


3日後、腹が減って元気も無くなって来た頃、母が目の前に茶碗を差し入れに来た。


「美味しそうな、ご飯でしょ?食べたいなら必死に首を伸ばす事ね・・・」


そう言われた俺は、痛くなるほど首と、舌を伸ばして茶碗に首を近付けた。

ほんの数mmの所だった。

舌に感じたのは、ジャリジャリした砂だった。

俺は目だけで、上を見ると血だらけになった包丁を持つ母が見えた。

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