#7.0 迫り来る
今日も2話投稿でいきます。
更新が遅くなり申し訳ございません┏●
お楽しみ下さい┏●
私には長年の悩みがあった。
ふと気が付くと必ず足音が聞こえ、誰かに付けられている感覚に陥る事だ。
初めに、この感覚を覚えたのは、小学5年生の時。
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「ねぇねぇ今日、駄菓子屋に行かない?」
「いいね!私、着替えてから行くから待ち合わせは、いつもの場所ね。」
私は学校からの帰り道、親友と約束を交わし走って帰りスグに着替えた。
小銭を握り締め、待ち合わせ場所に高揚した気分であるいていると、それは来た。
コツン・・・コツン・・・コツン・・・
(良い足音〜。ヒールとか履いてるのかなぁ。)
私は大人の女性に憧れていて、深くは考えなかった。
その足音が、親友と遊んだ後も響くまでは・・・
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その後、成長と共に足音に気付く頻度が多くなり、大学生になった今は月に2〜3回は足音が聞こえてくる。
両親や先生に相談した所、疲れすぎ、考え過ぎ、幻聴、など的をいた回答は得られなかった。
ストーカーの可能性もあったが、私は男性との関わりは極力避ける性格で、近所に不審者の情報も無かった。
だが、この可能性を捨てた私と周囲の人は後悔した・・・
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大学卒業も目前に迫ったある日、14時頃だった。
その日は暑く、汗ばんだ額をハンカチで拭いながら自宅の最寄り駅を降りた時。
いつもより人通りが少ないと思いながら歩いていると、少し後ろから、
コツン・・・コツン・・・コツン・・・
(またあの音だ。やっぱり私って疲れやすいのかなぁ・・・)
いつもなら気にしない私は、暑さでイライラしていた事もあり、後ろを振り返って見た。
(誰も居るわけ無いよね。はぁ・・・疲れすぎ疲れすぎ・・・)
そう思って歩き出すと、足音も着いてくる。
(あぁ!鬱陶しい!なんで私に着いてくるのよ!)
「ちょっと!何年も何年も誰なの!」
私は怒鳴りながら後ろを振り返る。
・・・・・・・・・・・・・・・カランッ・・・・・・ザッザッザッ・・・
空き缶が転がる音と、走り去る足音。
私は恐怖に駆られ家まで走って帰った。
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それから私は無事卒業し、新社会人として多忙を極めていた時。
コツン・・・コツン・・・コツン・・・
(また足音だ・・・まだ明るいし、大丈夫だよね・・・)
早歩きになりつつ、私は家に急いだ。
足音も早くなり、私の耳には息遣いまで聞こえてくる。
コツンコツン・・・ハァハァ・・・コツンコツン・・・ハァハァ・・・
(今まで距離があったのに、今日はやけに近付いてくる・・・ダメッ怖い!)
走り出そうとした時、足をもつれさせて転んでしまった・・・
そこからの記憶は思い出したくも無い。
布で目と口を塞がれ、私は何処かに連れていかれた。
相手は声を出さず、ただ息遣いだけが聞こえる。
私は抵抗したが、その度に痛みが走った。
諦めて抵抗を辞めると、その男は息遣いを荒くした。
私は何処かに捨てられた。
途方に暮れ街を歩いていると、裏路地に迷い込んでしまった。
目の前の店で道を聞こう・・・




