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拝み屋NIGHT・Curtain  作者: SHELLY・BOSS
12/20

#6.5 喰い散らす

ハクビシンって、どんな生体なんですかね・・・


お楽しみ下さい┏●

ここは空気が美味い。

窓を開けると他では味わえない、澄んだ風が入ってくる。

そう・・・純粋な負の心を持った少年の苦しそうな風も。


「いらっしゃいませ。ようこそNIGHT・Curtainへ。こちらへどうぞ。」


見た所、中高生だな。

これはアカかイエローが担当だろう。


「あの・・・この店って、」


「当店は、お客様の怨みを晴らす店でございます。例えば人を殺したい等でございます。」


「怨みを晴らすなんて・・・」


「当店は怨みを抱えてらっしゃる、お客様の前にしか現れません。」


「そ、そんな・・・・・・そうだ・・・俺は悪くなんか無いんだ・・・」


「お話をお聞き致します。」


*********************


典型的な、都会への嫉妬か・・・

人間は住む場所で優劣を付けたがる。

店の多さ、道路の多さ、食の文化、方言の差。

全て醜く小さい。

俺が担当するしか無いな。


「それでは、お客様。怨みを晴らしたいですか?」


「あぁ。俺をバカにして、騙す連中なんて・・・死ねばいいと思う!」


「かしこまりました。ところで、お客様は人を呪わば穴二つ。この言葉はご存知で?」


「そんな事どうだって良い・・・あいつらを殺せるなら何でもするさ。」


「かしこまりました・・・では、失礼致します。」


ゴッ・・・・・・

この感触、久しぶりだな。

客の首をへし折る。

いい気分だ・・・

こいつは、どんな妖になってくれるかな・・・


*********************


「また性懲りも無く学校来たんさ?」


「あぁ。お前らを殺すためになぁ・・・」


俺はそこで意識が薄れ始めた。

覚えているのは、うるさい悲鳴と、1口で虜になった食べ物だけだった。


*********************


良く動くなぁ。

美味そうに人間を喰って、目がキラキラ光っている。

あいつは全員喰うまで止まりはしないだろう・・・

もう少し待ってみるか。


*********************


「コレデェ・・・サイゴォ!!」


俺は学校中の人間を喰った。

もちろん殺すためでもあったが、後半は味覚を満足させる為だった。

あの男が近付いてくる。


「どうだ?怨みを晴らした気分は?」


「サイコウダァ。アリガトヨ。」


「礼なんか要らん。俺が欲しいのはお前の体だ。」


「ナンノコトダ?」


「お前を、おわすって事だ。」


*********************


結局、札になったのは珀尾振(はくびしん)だった。

動物系統は腐るほど居る。

醜い人間の心からは、弱い妖しか生まれない。

次の人間は期待しておくとしよう。

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