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A CRISIS (接触戦争)  作者: 松由実行
第九章 TACTICAL PROJECT 'BOLERO' (ボレロ)
251/405

32. ボレロ第三から第五段階


 

 

■ 9.32.1

 

 

 Comprehensive SOL Solar System Recovery (CSSSR) Project : GIGANTOMAKHIA

 包括的太陽系奪還計画 ; ギガントマキア

      PHASE 'Stratospheric haze'

      第一段階 ; ストラトスフェリク・ヘイズ

 

   Tactical Project 'BOLERO'

   戦術級計画 ; ボレロ

      3rd Stage ; Operation 'Beluga Flock'

      第三段階 ; 作戦名 「ベルーガ・フロック」

 

 

 本作戦は、地球上のファラゾア降下点を全て破壊・殲滅し、地球上からファラゾア侵攻の拠点を全て駆逐するための戦術級計画「ボレロ」の第三段階に位置づけされる。

 作戦目的は、カナダ・マニトバ州北部、ハドソン湾近傍の街であるシャマタワ近郊に展開するファラゾア地上施設群、通称シャマタワ降下点の破壊・殲滅、および可能であれば破壊を免れたファラゾア地上施設の占拠と、占拠したファラゾア地上施設からの有益な資材或いは情報の奪取を行うことである。

 

 シャマタワ降下点は、ファラゾア来襲初日である西暦2035年07月15日に地球上に設置された初期降下点十カ所のうちの一つであり、大小四十五の地上構造物が直径27kmの円上およびその内側に存在することが、軌道監視艇からの上空偵察で確認されている。

 またシャマタワ降下点は、西暦2052年頭の時点で北米大陸内陸方面に半径約800km、北方にはハドソン湾のほぼ全域、ヌナブト州のほぼ全域がその勢力圏として認識されていた。

 北米方面に展開する米国およびカナダの各国軍と、地球連邦空軍はシャマタワ降下点から約800kmのラインを中心として戦線を構築し、北米大陸内陸部方面および同東海岸方面へのファラゾアの進出をかろうじて食い止めている状態であった。

 

 ファラゾア侵攻初日、情報、ライフライン、流通など全てのネットワークを破壊され国家としての体を成さないほどにまであらゆるシステムを失った米国とカナダは、送電網が崩壊したことによってその電力供給の30%近くを担っていた核分裂式の原子力発電所のほぼ全ての反応炉が制御を失い暴走しメルトダウンしたことで、領土の約30%に達する地域が強度の放射能汚染地域と化した。

 

 とりわけ五大湖沿岸地域、東部沿岸地域と云った大規模工業地帯の多くが放射能汚染され、ワシントンDC、ニューヨークと云った東部沿岸の大都市が都市機能をほぼ喪失したことの影響は甚大であり、北米大陸の東側1/3はほぼ完全に無法地帯化し、復旧困難な地域となった。

 両国とも大陸の東側に多くの大都市や大工業地帯を擁していたため、その国力への影響は極めて大きく、ファラゾア来襲前には地球上に存在するほぼ最大最強の国家であった米国と、その米国とともに発展していた大国であったカナダは、こぞって発展途上国並みかそれ以下の国家へと転落した。

 当時の国連と、関係の深かった同盟国からの食料、物資、軍事など多方面にわたる支援により両国はどうにかファラゾアの侵攻を食い止め、国家を維持し続けることが可能という状態であった。

 

 ファラゾアの来襲から十五年、巨大な北米大陸を二分し、元来多くの資源に恵まれていた両国は往時の1/3ほどの国力を取り戻すに至った。

 新たに設置された核融合発電所は大陸の大部分へと電力を供給し、ファラゾアに邪魔されることの無い陸上輸送網が復活して物資を流通させ始め、物資が行き渡ることによって都市は徐々に治安と経済活動を取り戻し、同時に政府の統治が各所へと行き渡るようになった。

 元来地球上最大の航空機生産国であった米国の航空機産業も急速に息を吹き返し、ファラゾアからもたらされたオーバーテクノロジーを基にして、彼らが活動不能であった時期に他国で開発された技術を急速に吸収して、三つの降下点に囲まれた北米大陸を防衛する為に必要なだけの軍用機を生産する力を取り戻していった。

 

 そして2052年01月29日、力を取り戻しつつあった北米大陸の航空機工業により作り出された航空戦力を中心として構成された北米方面の航空戦力九百三十七機が投入されて、戦術級計画「ボレロ」第三段階にあたるシャマタワ降下点を殲滅することを目的とした作戦「ベルーガ・フロック」が実施された。

 この作戦においては、冬期に結氷するハドソン湾およびその周辺海域への潜水機動艦隊の移動と展開が難しいこと、約一月前にボレロ第二段階である作戦「ロシアン・ブルー」を終えたばかりで、その多くが極東地域或いは北米大陸西海岸地域で補給・整備を行っていたことから、地球連邦海軍の虎の子である潜水機動艦隊は投入されず、シャマタワ降下点周辺で防衛を行ってきた陸上航空基地からの航空戦力が参加するのみで実施された。

 

 作戦の第一段階はこれまでの三回の降下点殲滅作戦同様に、軌道上に配置された菊花ミサイルによる対地攻撃から始まった。

 降下点に存在する四十五の地上施設に対して四十機の菊花が投入された。

 四十機の菊花のうち、地上の対空兵器によるものとみられる迎撃で五機が失われ、三十五機の菊花がシャマタワ降下点に着弾した。

 菊花による対地攻撃で降下点に存在した地上施設はほぼ全てが破壊されたが、いくつかの施設は使用不能なレベルにまで破壊はされたもののある程度原形をとどめる程度の被害であったことが後ほどの航空偵察で確認されている。

 

 菊花による対地攻撃の着弾衝撃波が収まった後、周辺の空中で待機していた地球側戦闘機群が降下点に向けて殺到し、降下点周辺に存在していたファラゾア戦闘機のうち菊花による破壊を逃れた残敵の掃討を行った。

 公式な記録では、シャマタワ降下点周辺で四百三十九機のファラゾア戦闘機の存在が確認されており、そのうち二百十三機が交戦によって撃墜された。

 この交戦による地球側戦闘機部隊の被害は四十八機が撃墜され、三十二機が大破しつつも自力飛行にて帰還、二百三十一機に小破以下の被害が確認されている。

 地球側航空戦力によるシャマタワ降下点周辺の残敵掃討は速やかに行われ、作戦開始後約四時間で降下点周辺空域の制圧が宣言されている。

 

 なお、菊花による対地攻撃の後、降下点付近の残敵掃討中に、高度650kmの軌道上に戦艦三隻、空母三隻、護衛艦その他十隻からなるファラゾア艦隊が出現した。

 これらファラゾア艦は、敵降下点への攻撃を加える事に対応して軌道上に敵艦隊が出現するものと予想して、高度300~1000kmの軌道上を周回する様に再配置されていた桜花R2および、同じく出現が予想される敵艦隊に対応する為地球連邦空軍極東方面より派遣された桜護改三機による迎撃を受け、空母三、戦艦一、護衛艦四の損害を出して軌道上から撤退した。

 

 尚、派遣されていた桜護改の部隊と、軌道上で桜花R2を起動したOSV「タシケント」に対しては、航空戦力に少々不安の残る本作戦内容に鑑みて、軌道上に敵艦隊が出現した場合には空母を優先的に撃破する旨の指示が予め下っていた。

 OSV「タシケント」は軌道上の桜花R2 type Bおよびtype Cを、桜護改部隊は搭載していた桜花 type Cを使用して多数の桜花「三式」を敵空母三隻に浴びせ掛け、これを全て撃沈した。

 なお、撃沈された空母が放出できた敵戦闘機は千五百機に満たず、その全てがシャマタワ降下点に向けて軌道降下したものの、現地で残敵掃討をほぼ終えていた戦闘機部隊による迎撃行動で約千百機を喪失し、四百機強の生存機は全て宇宙空間へと撤退した。

 この戦いでの地球側航空部隊の損害は、戦闘機八十二機撃墜、十九機大破しつつも自力帰還、五百八十七機が小破以下の損害を受けた。

 

 敵航空戦力を排除し、軌道上の敵艦隊撤退も確認された後に、降下点制圧が宣言された。

 その後、地球連邦陸軍兵士を中心として編成された地上突入部隊三百二十八名が二十機の輸送機に分乗して現地の調査に投入された。

 菊花ミサイル着弾時に発生した高熱の影響がまだ大きく残る環境に悩まされながらも、地上部隊はファラゾア地上施設の残骸を中心に綿密な調査を行い、ファラゾア地上施設内部において、破壊されつつもある程度原形をとどめていた各種設備を中心に、多くの貴重な資料を持ち帰った。

 

 

■ 9.32.2

 

 

 Comprehensive SOL Solar System Recovery (CSSSR) Project : GIGANTOMAKHIA

 包括的太陽系奪還計画 ; ギガントマキア

      PHASE 'Stratospheric haze'

      第一段階 ; ストラトスフェリク・ヘイズ

 

   Tactical Project 'BOLERO'

   戦術級計画 ; ボレロ

      4th Stage ; Operation 'Rumfustian Shots'

      第四段階 ; 作戦名 「ラムファスティアン・ショット」

 

 

 戦術級計画ボレロ第四段階の作戦「ラムファスティアン・ショット」は、カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島、ドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴ郊外にある街、サン・クリストバルの外れに設置されたサン・クリストバル降下点に対する降下点破壊・殲滅作戦である。

 サン・クリストバル降下点には、直径約27kmの円周上或いはその内側に大小三十四のファラゾア地上施設が存在する事が軌道偵察によって確認されている。

 本降下点も2035年のファラゾア襲来初日に形成された降下点であるが、それよりも本降下点は、2040年始めから数ヶ月間の長期に渡って実施された降下点攻撃作戦「サント・ドミンゴ」の作戦最終日、2040年4月5日にアメリカ合衆国が発射したMIRVによる核攻撃でその名が知られている。

 

 核融合反応弾を用いたファラゾアに対する攻撃は幾度となく行われているが、この作戦が全ての最初であり、またファラゾアとの戦いの中で所謂弾道ミサイルを用いた核攻撃が行われたのはこの一回のみである。

 一発当たり1.5Mtの米国製W95型核融合弾頭十二発が降下点上で炸裂し、降下点の地上施設に対して相当な損害を与えたものと推察されているが、当時地球人類はその攻撃結果を確認する手段を持っておらず、実際にどれだけの地上施設を破壊できたのかについては不明である。

 

 いずれにしても前述のMIRVによってサン・クリストバル降下点に与えた被害は、2047年になってOSV(Orbital Surveillance Vessel)が実戦投入され、人類が再び軌道上から世界各地を超高高度偵察可能となったときにはすでに完全に修復されており、集中的な核攻撃によって変わり果てた地形の名残が確認できただけであった。

 

 この2040年の核攻撃には、起爆に原子爆弾を使用する旧い世代の「汚い」反応弾が多数用いられたため、イスパニョーラ島上の西経72度近傍を縦に走る旧ハイチ-ドミニカ共和国国境以東の地域は、強い放射能汚染により人類の生存には適さない状態であると推察されている。

 この為、ラムファスティアン・ショット作戦では、サン・クリストバル降下点に存在するファラゾア地上施設の破壊のみを目的とし、敵施設排除後の現地調査、或いは恒久的な再占領は行わないものとされた。

 余談ではあるが、強烈な放射線が飛び交う宇宙空間を主たる活動領域とするファラゾアの戦闘機、或いは地上施設は、前述の様な強い放射能汚染地域でも問題なく存在・活動する事が可能であるものと推察されており、また実際に多くのファラゾア戦闘機がサン・クリストバル降下点周辺に駐留している事が確認されている。

 

 ラムファスティアン・ショット作戦もまた、従来同様に菊花ミサイルによる対地攻撃が行われた。

 作戦後の現地調査は考慮しなくても良い為、三十四の地上施設に対して過剰数である四十機の菊花が投入された。

 四十機の菊花の内、五機が地上施設からの迎撃と思われる攻撃により撃墜され、三十五機が地上へと到達した。

 

 最大でも数百m程度の起伏しか持たない海沿いの地域に着弾した菊花三十五機は、ファラゾアの地上施設を全て破壊しただけでなく、山や丘を削り、大量の土砂を吹き飛ばして海岸線の形を大きく変えた。

 以前の核攻撃の際に壊滅的な被害を受けはしたものの、かろうじて都市が存在した事が分かる程度に、崩壊した建築物の痕跡を多く残していたサン・クリストバルの街は、この菊花の攻撃によって根こそぎ吹き飛ばされ、完全に消滅した。

 

 前述の通り、作戦後の再占領や現地調査は全く考慮されていなかった作戦ではあるが、降下点周辺に駐留していた敵戦闘機を殲滅するという目的のために、米軍およびカナダ軍を中心とした六百五十二機の戦闘機が本作戦に参加した。

 同時に、これまでの作戦同様に降下点攻撃に呼応してファラゾア艦隊が出現するものと推定して、ベルーガ・フロック作戦に参加していた桜護改の部隊もまた本作戦に転戦してきていた。

 

 前述の戦闘機部隊が、菊花の攻撃による破壊を生き延びたファラゾア戦闘機五百三機を殲滅するために交戦している最中に、上空600kmに再び戦艦二隻、空母二隻、護衛艦他八隻からなるファラゾア艦隊が姿を現した。

 ベルーガ・フロックの時と同様に、再配置されていた軌道上の桜花R2と、戦闘機部隊の後方に控えていた桜護改部隊の迎撃に遭い、ファラゾア艦隊は再び戦艦一隻、空母二隻、護衛艦三隻の損害を出した後、軌道上から姿を消した。

 

 ファラゾア艦隊は八百機余りの戦闘機を軌道降下させ、五百八十七機が撃墜された。

 撃墜されなかったファラゾア戦闘機は、大気圏外へと逃走した。

 また、サン・クリストバル降下点の残敵掃討も併せて、この戦いに参加した地球側戦闘機六百五十二機のうち、八十二機が撃墜され、四十九機が大破しつつも自力で帰還、四百十八機が小破以下の損傷を受けた。

 

 かくしてサン・クリストバル降下点の敵地上施設の破壊と、駐留する敵戦闘機群の駆逐、および出現した敵艦隊と大気圏内へ降下してきた戦闘機の撃退は成功裡に完了し、作戦目的は達成された。

 ただし、本作戦だけで無く以前からの問題点であった、桜花による迎撃に遭うことが確実に分かっており、その迎撃によってこれまでも少なくない損害を艦船に対して受けているにも関わらず、なぜファラゾアは相も変わらず艦隊を1000km以下の低軌道に投入して大気圏内の地球側兵力を攻撃しようとするのか、という点については答えが得られないまま疑問が残ることとなった。

 このファラゾアの「愚行」は、とりあえず地球人類側にとって有利に働いているために優先順位高く解析・解決せねばならない問題では無かったが、一見論理的に見えない敵の行動の理由が理解できない、という点において不確定要素を残すものであり、今後も地球人類の命運を左右する作戦を継続的に実行していくに当たって不安材料として残された。

 

 

■ 9.32.3

 

 

 Comprehensive SOL Solar System Recovery (CSSSR) Project : GIGANTOMAKHIA

 包括的太陽系奪還計画 ; ギガントマキア

      PHASE 'Stratospheric haze'

      第一段階 ; ストラトスフェリク・ヘイズ

 

   Tactical Project 'BOLERO'

   戦術級計画 ; ボレロ

      5th Stage ; Operation 'Lazurite Al'aqrat'

      第五段階 ; 作戦名 「ラズライト・アラクラット」

 

 

 ボレロ第五段階の本作戦は、アフガニスタン自治区南部の砂漠地帯に置かれたルードバール降下点に対する破壊・殲滅攻撃である。

 同降下点も、2035年のファラゾア来襲初日に設置された降下点であり、人口密集地域であるインド亜大陸に対する直接的脅威且つ、ハミ降下点、アクタウ降下点とともにユーラシア大陸を東西に分断する形で配置されており、大陸の東西、或いは洋の東西を移動しようとするあらゆるものの障害として、ファラゾア来襲直後から地球人類がどうにかしてそれを排除しようと熾烈な戦いを繰り返していた降下点の一つであった。

 

 本作戦において、次の第六段階「Raid of Tezcatlipoca (レイド・オブ・テスカトリポカ)」作戦に総力で参加予定の地球連邦海軍潜水機動艦隊は、移動距離の問題と、本作戦で万が一にも大きな損害を受けて次の作戦が実行不能になる事の無い様温存され、参加が見送られている。

 本校加点に対して機動艦隊から発進した艦載機部隊を投入するためには、機動艦隊はアラビア海北部に展開しなければならず、次のレイド・オブ・テスカトリポカを実行するためにカリフォルニア半島沖に到達するためには、アラビア海、インド洋、太平洋といった大洋を東回りに横断するか、或いはアフリカ大陸、南米大陸を大きく迂回してさらに太平洋を縦断するかするしか無く、水中速度50ktもの高速を誇る潜水機動艦隊であっても少々移動距離が長くなりすぎることが懸念された。

 

 また、本作戦の次に予定されているレイド・オブ・テスカトリポカが目標とするラパス降下点はカリフォルニア半島先端に存在しており、攻略を有利に進めるためには機動艦隊を発した艦載機群がその戦力の中心となることが必要であった。

 東南アジア、中央アジア、インド亜大陸から必要な戦闘機の数をかき集めることが可能と見積もられており、艦載機部隊のコンディションを万全な状態に保つためもあって、潜水機動艦隊の本作戦への参加は見送られた。

 最終的に本作戦に参加した航空戦力は、東南アジアを含むインド方面から四百二十五機、極東方面から転戦してきたものを含めて中央アジア内陸方面から四百六十八機、アラビア半島および西アジア方面から三百十二機の、総計千二百五機となった。

 

 ルードバール降下点には、直径約30kmの円周上およびその内側に大小合わせて四十一のファラゾア地上施設の存在が確認されていた。

 これに対して三十八機の菊花ミサイルが対地攻撃に投入されることで本作戦は開始された。

 高度1000km前後の地球周回軌道から地上に向けて撃ち込まれた菊花は、地上からの迎撃によって六機が撃墜され、最終的に三十二機がルードバール降下点に存在した地上施設およびその周辺に着弾した。

 

 周辺の空域で作戦開始のタイミングを計っていた航空戦力がその後すぐに投入され、降下点付近に存在していた残存敵機千八百六十機に対して殲滅攻撃を行った。

 敵機千二百六十八機を撃墜し、五百九十二機が戦線を離脱して宇宙空間へと逃走した事が観測されている。

 残敵の掃討が終了して、降下点付近の制空権確保が確認された後に、輸送機三十二機に分乗した地球連邦陸軍兵士を中心とした地上部隊六百五十二名が降下点中心部に投入され、形を留めていた地上施設四基に対して調査確認を行い、本降下点においても幾多の貴重な資料を持ち帰った。

 

 なお本作戦の開始から終了までの間、敵艦隊の出現は認められなかった。

 

 

 


 いつも拙作お読み戴きありがとうございます。


 少々長くなってしまいましたが、一気に終わらせてしまいたかったので。


 次話から通常に戻ります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 技術と作戦と経験と戦果が伴って、ここから本格的な反撃ですね。 先を楽しみにしています。 [気になる点] まだ当分先の事だと思いますが、何時かファラゾア側の軍人や一般市民から見た地球人収穫作…
[一言] ついに対応されるのか
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