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A CRISIS (接触戦争)  作者: 松由実行
第八章 Base Deffence (基地防衛)
185/405

14. LDMS (Last Ditching Manoeuvre System)


■ 8.14.1

 

 

「大下は・・・控えめに言ってもかなりイカレた奴だが、少なくとも奴の作るものは、性能という面では信頼できる。」

 

 LDMSの試運転を行うと言った達也の言葉に、明らかに絶句した部下二人に対して達也はたたみ掛けるように言った。

 それに対して部下二人の頭に浮かんできたのは、お互い様、類は友を呼ぶ、どっちもどっち、といったような言葉だったが。

 

「いずれにしても、新しい機能をぶっつけ本番でいきなり戦闘中に使うわけにはいかんだろう。一度使ってみて、使いどころも把握しなければ。」

 

 その点についてはテレーザ、ジャッキーの二人とも異論は無かった。

 ただそもそもが、戦闘時であろうがそうでなかろうが、そのような怪しげな非正規かつ試作段階の機能を使いたいなどとはとても思えなかっただけで。

 

「お前達はこのままRARを継続しろ。俺が試験する。」

 

「小隊長が居なくなったらアタシ達どうすりゃ良いのよ?」

 

「大丈夫。彼はあたしの思い出の中で生き続ける。」

 

「おい、ちょっと待て。なんで俺が死ぬ前提なんだ。」

 

「あの見るからに変人が作った機能がまともとはとても思えない。」

 

「多分、ポチッとな、で、ドカン。」

 

「そんな訳あるか。実機で使う前に試験は行って安全性は確認してある筈だ。」

 

「どうだろうね。怪しいモンだと思うけどね。」

 

「人柱?」

 

「分かった分かった。とにかく一度使ってみる。お前達は少し距離を取ってろ。どんな影響があるか判らん。」

 

 これ以上掛け合い漫才をやっていても埒があかないと見切りを付けた達也の指示に従い、二人はデルタ編隊を解き、1km程度の距離を置いた。

 二人が充分に離れたことを確認し、達也はコンソール下に増設してあるレバーに手を伸ばす。

 そのレバーは、いかにも非常時に使うものであると主張するかのように、黄色と黒の縞模様に塗装された基盤の上に白い文字で「LDMS」と表示されており、その表示の下に緊急脱出(イジェクト)レバーと同じ色合いの黄色いレバーが取り付けられていた。

 

 達也はそのレバーに手を掛ける。

 

「LDMS起動試験を行う。5秒前、3、2、1、ゼロ。」

 

 ゼロの声と共に達也はレバーを思いきり引いた。

 レバーは思ったより重く、元の位置に対して10cmほど手前に動いた。

 

 コンソール中央の機体情報や戦術マップの上にオーバーラップして黄色の文字で「LAST DITCHING MANEUVER /w GPU」と大きく表示され、その下に小さく「ROUTE SEEKING...」と一瞬見えたような気がした。

 

 視野が動いた。

 達也の眼には、HMDバイザーを通してスーパーワイヴァーンの特徴的な形状の大型キャノピーの外に、砂塵で朧に霞んだタクラマカン砂漠の赤茶けた大地と遙か彼方の地平線が見えていた。

 左を見れば遥か南方に霞む崑崙山脈、北には万年雪で山頂を白く染めた天山山脈が見えていた。

 

 自分が動いているという感覚無しに、その景色が一瞬で消えた。

 いつの間にか機首が上に向いており、機体を炎が包んでいる。

 まるで炎の中を切り裂いて飛んでいくかのように、炎が凄まじい勢いで後方に流れる。

 慌てて周りを見ると、先ほどよりも少し薄くなった炎を通してその向こう遙か下方に海面の波のように砂丘が連なるタクラマカン砂漠が見え、崑崙山脈から遙か南に続いていくチベットの高原地帯、さらにその向こうに朧に霞むのはヒマラヤ山脈だろうか。

 周りを見回すと、どの方向を向いても山地や山脈の連なりが遙か彼方まで見渡すことが出来て、丸く球体の一部となった地平線の向こうに青く霞んで消えている。

 機体を包んでいた炎は消え、感覚的に高度はまだ上がっていっているようだったが、半ば呆然と達也が周りを見回している間にその異常な上昇も収まったようだった。

 

 さしもの達也も呆然として辺りを見回すことしか出来なかったが、すぐに我に返るとHMD表示の高度計を確認した。

 高度計の縦線の脇に表示された詳細高度は100000。つまり、高度100km。

 非常識な桁数に一瞬目を疑ったが、外の景色の事を考えれば納得のいく数字だった。

 いまだ機首を上に向けたままの姿勢で安定して浮いている機体のコクピットから、HMDバイザー越しに見えるコンソールの向こうに黒く広がる宇宙空間に星々が光っているのが見えた。

 

「・・・なんてこった・・・ヤバい。」

 

 波立つ白い海のようなタクラマカン砂漠の南に、地表に出来た黒ずんだ皺のような崑崙山脈が、遙か眼下に見える。

 つまり、向こうからもこちらが見える、ということだ。

 そして、見えるという事は、レーザーの射線が通っているという事でもある。

 即ち、今達也の機体はハミ降下点とその周囲に駐留する全てのファラゾア戦闘機械から丸見えの位置に居る、という事に他ならない。

 GPUを最大出力でフル加速して重力波を撒き散らしながら急上昇した達也の機体は、まるで打ち上げ花火のようにさぞかし目立ったことだろう。

 

 機首を反転させようと、達也は本能的に操縦桿を引いた。

 エルロンが動く動作音が機体を伝わって聞こえてきたが、自機は全く動かない。

 動いていないからか、空気が無いからか。

 であるなら、ジェットエンジンは使い物にならない。

 対気速度表示は48km/h。

 高度100kmなどという経験したことの無い場所で、この対気速度が対地速度に対してどういう意味を持つのか想像できない。

 

 スロットル上のGPUスロットルをゼロに合わせると途端に無重力になり、機体の姿勢が不安定になった。

 どうやら機体後部を下にした姿勢のまま落下し始めたらしい。

 GPUはただの推進器でしか無い。GPUで機体姿勢を操作することは出来ないが、落下し始めたという事は、放っておけば機体形状に対する空気抵抗でその内機首を下に向けるだろう。

 GPUを操作して下方向に加速し、沈下速度を早める。

 高度が高すぎて指標になるものが無く、空気が殆ど無い場所で対気速度計がどれだけ信用できるのかも分からず、実際にどれ位の速度が出ているのかまるで掴めない。

 とは言え音速を超える速度でほぼ垂直降下していることは間違いが無く、普段10000m以下の高度で戦っている感覚が染み付いている身としては、尋常ではない高度で余裕があると分かってはいても超音速での垂直降下は、いかな達也とはいえども強く不安を感じさせるものだった。

 

 しかし何よりも恐ろしいのは、ハミ降下点周辺に存在する数千もの敵機から集中砲火を受ける事だった。

 とにかく早く高度を下げて敵の射線から逃れなければならなかった。超音速垂直降下を怖いなどと言っている場合ではなかった。

 さらにもしかすると、ハミ降下点の敵施設に巨大な対空レーザーが設置されているかも知れない。

 降下点の敵施設にどの様な装備が備えられているのか、まるで何も分かっていないのだ。

 

 戦術マップの縮尺を最小にし敵に動きが無いか確認しようとも、そもそも平面距離でハミ降下点まで500km近い距離がある。

 スーパーワイヴァーンの索敵能力では、ハミ降下点付近の敵の動きを捉えることは出来ない。

 GDDでは探知できなくとも、これだけクリアに地表が見えていれば光学シーカーなら何か情報が取れるかも知れないと思い、達也はコンソールに呼び出したシーカー画像の上でハミ降下点に当たりを付けて集中的に警戒させる。

 崑崙山脈の南、アヤクム湖畔から東西100km、南に100kmの範囲を重点的にスキャン。

 光学シーカーは遠方から詳細情報を観察するときなどのために、元々そういうモードを持っている。

 

「チャオリエ04、聞こえるか。こちらチョンイン04。チャオリエ04、聞こえるか。」

 

 対地高度は急激に落ちて現在70kmになっているが、敵との交戦が予想されるからには打てる手は何でもできるだけ打っておきたかった。

 通信対象のリストの中にその名前を見つけたので、領域を管轄するAWACSに連絡を取ろうとするが、通信が通らない。

 距離がありすぎて通信用レーザーの減衰が激しいのか、或いはリストにその名は表示されていても、実は通信機が対象を見失っているのか。

 

 上昇するときには、訳も分からぬまま自動操縦で断熱圧縮で大気が燃え上がる程の速度で上昇したが、徐々に大気密度が高くなっていく降下時に、手動で同じ速度を出したいとは思えなかった。

 実際は達也が操作したGPUによる加速によりすでに秒速1000mを遙かに超える速度で垂直降下しているのだが、周りに速度を感じられる目標物もない高度100kmからの降下では、いつ敵の攻撃を受けるかも知れないと焦る心もあり、降下速度を実際以上に遅く達也に感じさせていた。

 

 高度60kmで光学シーカーに反応があった。

 白く光る光点が多数発生していた。

 ハミ降下点周辺にいた敵機がスクランブルを掛けるようにして迎撃に上がってきているのだろうと達也は理解した。

 限界に近い速度を出してこちらに向かって急行してきているので、断熱圧縮の炎を纏っており、白く光る光点になっているのだろう。

 このままであれば、高度40〜50kmで接敵するものと考えられた。

 余り好ましい状況ではなかった。

 高高度での格闘戦は、空力を利用する地球側の戦闘機が絶対的に不利になる。

 GPUを搭載しているため移動は出来る。敵の攻撃を躱すことは出来るが、低高度に較べて空力を利用して機体姿勢を変更する事が難しくなり、つまり敵に狙いを付けるのが難しくなる。

 逃げることは出来ても敵を落とす事が出来なければ、いつまでも数的不利を改善出来ず、ジリ貧になってその内には墜とされる。

 

 高高度で撃墜された場合、通常のパイロットスーツなどの装備では緊急脱出することも出来ない。

 地上の1/3以下の大気圧と極低温で、低圧症、低酸素症を引き起こすことが確実であり、さらに高高度特有の超音速格闘戦を行っていた場合には、加えて脱出時の爆風も身体に大きなダメージを与える。

 要するに、高高度で撃墜された場合は基本的に生きて帰る事は出来ないものと考えて良い。

 

 しかし敵は目前に迫ってきている。

 戦いたくないからと、通してくれるような敵でも無い。

 

 成る程LDMSの本来の使用法は、超高高度に機体ごと脱出した後、空気が薄いことを利用してGPU推進を用いてM8.0やそれ以上の超高速で水平に飛行する事でまずはとにかく現場からの水平距離を取り、今みたいに敵のスクランブルに追い回されない空域までとりあえず逃げた後にゆっくりと高度を落としていけば良いわけだ、と妙に冷めた頭で達也はLDMSの実践的使用方法を思い付いた。

 次に使うときはそうやって安全を確保しよう。

 その為には今眼の前に迫る敵をどうにかしなければ。

 

 光学シーカー画像などに頼らずとも、肉眼ではっきりと分かる距離にまで光点が近づいて来ていた。

 その数五十二。

 地表は遙か彼方。辺りには敵も味方も何もいない。利用できるものなど何もない。

 達也はスロットル上に取り付けられた、まるでゲーム機のコントローラのようなGPUコントローラを親指でランダムに操作する。

 

 敵のレーザーを躱すため、GPUを使って20〜50Gほどのランダムな加速で上下左右に移動する。

 戦闘機にGPUが搭載されるようになって、昔に比べてランダム機動が格段にやり易くなった。

 その間にも高度は下がり続ける。

 同時に敵との距離も急激に縮まる。

 

 斜め下方から突き上げるように相対速度M10.8で急接近した敵とすれ違いざま、GPUを利用して敵の群れに突っ込む方向、左前方に向けて急加速する。

 ギリギリまで引きつけて、達也の機体は当然脇に避けるものと予想していたらしい敵機は、その予想外の異常な行動に全く反応できない。

 同時に右ジェットエンジンを一瞬だけ、異常燃焼でも構わずフュエルジェットモードで噴射する。

 さらに操縦桿を僅かに左に倒し、右のラダーを思い切り蹴り飛ばす。

 空中衝突寸前で敵機群を躱した機体は、白炎を引く敵機群の中をすり抜けながら機体の重心を中心にして水平方向に独楽のように回った。

 音速の十倍の速度で遠ざかりつつ敵機群の後を取り、機首が敵の後ろを捉える僅か一瞬の間に二機を撃墜した。

 高度40000m。対気速度M4.0。

 先ほどの機動で、希薄な大気を速度で補って翼が大気を充分に掴んだ感触を得た達也は、戦闘機動を開始する。

 

 コークスクリューで一回転した機体の回転を止め、スロットルを開ける。

 操縦桿を引けば、主翼が大気を掴み、音速を遙かに超える速度で機首を上げて旋回を始めた感覚が伝わってきた。

 GPUを操作し、空力旋回よりも遙かに小さな半径で反転した機体が敵機群に狙いを定める。

 その頃には敵もすれ違った速度を殺しきり、数に任せて前方から包囲するように広がり被せてきた。

 GPUで機体を横に滑らし、敵の狙いを外すと同時に包囲するように広がる群れの端の敵に狙いを定める。

 ガンサイトに敵マーカ、瞬時に跳ねるようにレティクルが移動して照準が合い、敵マーカが強調表示される。

 同時にトリガーを引く。

 コクピット下方両脇に設置された150MW200mmレーザー砲二門から不可視のレーザー光が走り、敵に命中する。

 強烈なレーザー光により大量の熱を与えられた外装板が瞬時に熔解し蒸発する。

 発生した金属蒸気は超高空の冷たい大気で瞬時に冷却され霧状の微粒子へと変化するが、音速の数倍の速度で叩き付ける風によって一瞬で吹き払われてレーザー光の邪魔にはならない。

 連続的に着弾する二本のレーザー光は、クイッカーの外装板を融かし喰い破り、内部に侵入して内部構造を爆発的に蒸発させながら破壊する。

 融合炉に連なる重要部分を焼き切られた敵機のリアクタが停止し、急激に機能を失う敵機は煙を噴きながら遙か彼方の地表に向けて落下していく。

 

 翼で空気を掴んだ達也の機体は、水を得た魚の如く、地上遙か40kmの空に優美な曲線を描き旋回し、またGPUを併用することで突然空力飛行機ではあり得ないトリッキーな動きを織り交ぜる。

 その変調したリズムはファラゾア機の追撃を躱し、狙いを外し、裏をかいて優位な射撃位置を確保し、次々とファラゾア機を撃破したかと思えば、敵機がそれに対応してレーザー砲口を向ける頃にはもうそこには居ない。

 その異常な動きに対応できずまごつく、或いは一瞬でも達也を見失った敵を脇から狙い撃破し、攻撃に気付いた敵の群れが向きを変える頃にはすでに別の位置に移動し再び攻撃が加えられる。

 

 GPUを併用することで機体の向きに関係なく動きたい方向に動き、レーザー砲が設置された機首を常に敵の群れに向けて、縦横無尽、予想の出来ない動きで敵を捉え続ける機動は、ガンサイト内に入った敵を瞬時にポイントする照準システムに助けられて、五十対一の圧倒的な数的劣勢であるとはとても信じられない勢いでファラゾア機の数を減じていく。

 集団で襲いかかってきたファラゾア機を撃墜するだけでなく、格闘戦の合間に達也は頻繁に下方に向けた加速をかけており、垂直降下ほどに急速でなくとも、自機と格闘戦空域の高度を徐々に下げ、今やその高度は20000m付近にまで落ちていた。

 

 達也の機体の脇で、攻撃していない敵機が何機も小爆発を起こし、煙を噴きながら放物線を描いて落下していく。

 僅かに振り返ったHMDに、友軍機を示す青いマーカがちらりと見えた。

 高度も下がったため、テレーザとジャッキーが応援に駆け付けたのだろうと思った。

 敵の撃破速度が上がり、程なく残数十五機となった敵は、一瞬上昇して高度30000mに達した後、南に向けて消えていった。

 

「助かった。試運転は成功だが、酷い目に遭った。上がってきた敵の数が少なくて良かった。」

 

 戦闘を終え水平飛行に移った達也の機体の両側に、まるで護衛(エスコート)をするかのように部下の二機がピタリと付ける。

 

「いやいや、単機で五十機って普通は死んでるからね? まあ、今更だけど。なんにしても生きてて良かったわね。」

 

 テレーザの呆れ声が聞こえた。

 その声に、生きて戻ってきたという実感が湧く。

 

「使いどころと使い方を選ぶ機能だが、上手く使えばその名の通り絶体絶命の窮地から脱出することが出来るだろう。基地に帰ったら説明する。」

 

 彼女たちの機体にも同じ機能が付いている。

 先ほどの発言から、微妙な不信感を持っている事を知ってはいるが、生存の可能性を上げる事が出来るならば積極的に使っていくべきだろうと達也は思っていた。

 

「あー、それなんだけど。アンタがさっきLDMS使ったあと位から、なんかGPUの調子が悪くてね。アンタなんかやった?」

 

「バカ言え。俺の機体がLDMS使ったからと云って、お前の機体に影響があるわけが無いだろ・・・」

 

「チョンイン04。こちらチャオリエ04。聞こえるか?」

 

 テレーザの意味不明な発言に抗議しているところに、管轄のAWACSから通信が入った。

 先ほど超高空からでは通信できなかったチャオリエ04だった。

 

「こちらチョンイン04。聞こえる。どうした。」

 

「このバカヤロウ。なんか悪戯するならするって言ってからやりやがれ。テメエがハミ基地からたった100kmも離れていねえところでバカやったもんで、辺り一帯重力波がグチャグチャに掻き回されてGDDの画面が真っ白だ。すわ敵の新兵器かとあっちもこっちも大騒ぎだ。まあ、無事なら良かったが、基地に帰ったら確実に呼び出されるぞ。覚悟しとけよ。」

 

「・・・実験失敗で墜落したことにしておいてくれるか?」

 

「知るか。レスキューは手前ぇで呼べよ? 諦めてとっとと基地に帰ってお縄に付け。」

 

 しまったな、せめて飛行隊長くらいには話を通しておくべきだったかな、と達也は天を仰いだ。

 見える筈の無いジト眼の視線が、両脇を飛ぶ二人の部下から注がれている気がした。


 いつも拙作お読み戴きありがとうございます。


 LDMSです。

 なんか凄い必殺技機能みたいな感じに見える名前ですが、ただ単に既存の機能を組み合わせた自動シーケンスでしかありません。


 ①索敵システム情報を元に、現在位置から見て最も敵密度が薄い包囲を確認し、ルート設定する

 ②GPU(AGG)をほぼ全開でブン回し、上記①のルートでトンズラする

 ③途中、機体姿勢制御や機体温度モニタ、コクピット内気圧モニタ等を行い、機体が崩壊しない様にパイロットが死なないように遁走ルートを調整する


 ・・・だけの機能です。

 もちろん、シーケンス書くとそれなりに量になるのでしょうが。


 パイロットを殺さないように、宇宙空間でもコクピットを0.3気圧以上に保たねばならないので、ハードウエア的な対応が必要となり、どの機体にでもシステムインストールですぐにポン付けする、というわけにも行きません。


 後々、思いもよらぬ派生技術を生みながら色んなところに繋がっていく技術です。

 すべてはあのマッドエンジニアから始まった。(笑)


 あ、タイトルのマニューバを米語から英語に変更しました。既出の部分については追々英語に修正します。

 本作品、国連を牛耳っているのがヨーロッパ諸国ですので、英語は「英」語表記を中心にしています。

 「ここおかしいだろ」なスペリング、熟語、構文等ありましたらビシバシご指摘下さい。

 (もちろん、舞台が米国の時はいろいろ米語です)

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― 新着の感想 ―
[一言] 完全重力制御の機体が必要になるんですね 成層圏越えて大気圏内戦闘になったら空力パーツは 邪魔な重りでしかないからなあ 変態「ジャイロ効果で機体の制御を行うならいっそ外部にカウンターとなるパー…
感想一覧
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