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A CRISIS (接触戦争)  作者: 松由実行
第六章 大中华帝国的衰落
147/405

22. 百里香包子早餐


■ 6.22.1

 

 

 28 May 2045, Bailixian Baozi Zaocan, Jinhua St, Nangang, Harbin, Heilongjiang, China (PROC)

 2045年05月28日、中华人民共和国黑龙江省哈尔滨市南岗区进化街 (中華人民共和国黒竜江省哈爾浜市南崗区進化街)、百里香包子早餐

 

 

 朝の狭い裏通りを、人々が次々に歩いて行き交う。

 また一人、いかにもどこかのオフィス勤めと云った風采の茶色いジャケットを着た男が、公寓(マンション)の扉を開けて通りに出てきて、和兴路の方角に向けて歩き去っていった。

 

 男が出てきた公寓の出入り口の、通りを挟んでほぼ向かいに、店先に蒸籠を堆く積み上げた小さな食堂がある。

 「百里香包子早餐」と赤い文字の看板を掲げたその店は、包子(パオズ)饅頭(マントウ)を中心に提供する家族経営の食堂であり、早朝から店先で蒸籠蒸しの湯気を上げるその店には、特に朝の通勤時間帯に客足が途絶えることが無い。

 以前はこの辺りには車通勤の者が多くなかなか売り上げも伸びなかったのだが、ファラゾア来襲後、中国国内でも一般に流通するガソリンなどの化石燃料が欠乏し始めると、殆どの住民がバスや電車通勤に切り替えた。

 店の前を歩いて出勤する住人が多くなったことで、足を止め朝食を買い求める客の数が何倍にも増え、その分だけ朝の通勤時間帯の店の売り上げも増加したのだった。

 

 勿論多くの客は紙のパッケージに押し込まれた包子や饅頭を、もう一つのこの店の売りである豆漿と共に足早に帯走(テイクアウト)して行くのであるが、地元住民の中には僅か二十席ばかりの店内で新聞を開いて寛ぎ、店主やその家族である店員達と楽しげに会話をしながら、ゆっくりと朝食を摂っていく者もいる。

 今も店の中で三人ほどの客が、店の奥の壁に据え付けてあるTVを眺めたり、どこか途中で買って来たらしい新聞を読んだりして、思い思いに寛ぎながらゆっくりと朝食を摂っている。

 

 テイクアウト客が一瞬途切れた時、この店の店主である梁皓然は半屋台式の構造で店先に出している調理場からガラス越しに店内の様子を確認した。

 客はそれぞれ食事をしており、特に問題は無いようだ。

 ケーブルTVは朝のニュース番組を流しており、小綺麗なスーツに身を包んだ女性キャスターが、今年の中国国内の経済成長は変わらず好調である事を無表情に告げていた。

 ファラゾア来襲の後、電波を使用するTVは一切が放映を取りやめていたが、最近になって中央電視台(国営放送)のケーブルTVが一部放映を再開した。

 放映している内容はどこまで本当のことなのか分かりはしなかったが、情報源が新聞しかなく、ネットもラジオも無いこの世の中で、他に見るものも無いので半ば仕方なく店ではずっと流し続けている。

 

「皓然、お早う。」

 

  梁が横目を使って白けた視線をTVのニュースキャスターに向けていると、蒸し器の湯気をくぐって一人の常連客が現れた。

 

「やあ、楊さん、お早う。いつものでいいかい? 今日はゆっくりだね。食べてくのかい?」

 

 近くのマンションに住むという、楊俊熙という名の男だった。

 国営石油公社の下請け会社のオフィスに勤めていると言っていた。

 吉林省から黒竜江省に掛けて採掘の進む大慶油田に、国から仕事を受けてやってきたらしい、羽振りのいい男だった。

 今日はゆっくりと店で朝食を摂って行く積もりの様だった。

 楊は、時には慌ててテイクアウトを買い込んだかと思えば、別の日にはゆっくりと遅い朝食を摂ったりもした。

 出勤時間が自由になる程の高い地位に居るのだろうと、梁は想像していた。

 

「ああ、ここで食べる。新聞あるかい?」

 

「テーブルの上に載ってるよ。無けりゃ、その辺探してくんな。」

 

 楊はカウンター脇の通路を通り過ぎると、奥の食事スペースに歩いて行った。

 ガラス越しに、楊がテーブルの上に投げ出してあった新聞を拾い、すぐその隣の調理場から一番近いテーブルに腰を下ろしたのが見えた。

 

 楊のいつものメニューである暖かい甜豆漿(ティエンドウジャン)と、饅頭蛋(マントウタン)、肉入りの包子を皿に盛り、ふと思い付いて脇で湯気を上げている蒸籠を一つ手に取り、両手に皿を満載にした状態で梁は調理場から店内に入った。

 豆漿(ドウジャン)の入ったドンブリと、饅頭の載った皿を楊の前に置く。

 さらにその横に、まだ湯気を立てている蒸籠を置いた。

 

「ありがとう・・・これは?」

 

 注文していないはずの蒸籠を見て、楊は梁を見上げた。

 

湯包(タンパオ)を作ってみたんだ。サービスだ、食べてみてくれ。評判が良ければ店で出すことにするよ。」

 

 そう言って梁は近くのテーブルから、箸と蓮華を取って楊の前に置いた。

 ついでに調理場脇から小皿を取り、髭生姜を載せて、これもテーブルの上に置く。

 

「随分ハイカラな物を作るじゃないか。大好物だ。ありがたく戴くよ。」

 

 そう言って楊は笑い、テーブルの上に置いてあった容器を手に取って、髭生姜に黒酢を掛けた。

 楊が笑うと、右眼の下にある傷痕が引き攣れるように目立つ。子供の頃に窓ガラスで切った痕なのだと言っていた。

 早速髭生姜と湯包を蓮華に乗せ、楊は蓮華を口に運んで熱そうに湯包を頬張った。

 

「旨いな。これは良い。絶対売れるよ。俺が保証する。」

 

 しばらくして湯包を嚥下した楊は、そう言って顔を綻ばせた。

 羽振りが良く、多分色々と旨いものを食った事があるだろうと当たりを付けていた楊の脇で彼の感想を待っていた梁は、その所作から多分楊は南の方の出身なのだろうと思った。

 

「そうかい。良かった。楊さんが旨いと言ってくれるなら大丈夫だな。」

 

 そう言って楊に満面の笑みを向ける。

 

「惜しいな。折角この街でも旨い湯包を見つけたというのに。皓然、俺がここに来られるのも今日が最後なんだ。今日はお別れを言いに来た。」

 

「急な話だな。どうした、転勤かい?」

 

「いや、会社は辞めるよ。この街を出る。」

 

「何かあったのか?」

 

 梁は訝しげな顔で、声を低めた。

 楊が何か良からぬ事に加担している様な人物には見えなかったが、人は見かけに依らないという。

 

「あれさ。」

 

 そう言って楊は顎をしゃくり、奥の壁で共産党政府の公式見解をたれ流し続けるTVを指した。

 TVでは先ほどから画面の中央を占領している小綺麗な格好の若い女性キャスターが、新疆の奥地を占領しているという宇宙人侵略者と人民解放軍の戦いを報じていた。

 曰く、人民空軍は大規模な最新鋭戦闘機部隊を投入し、非道な侵略者の戦闘機を586機撃墜して反撃作戦に大勝利した。

 この勝利によって戦線は100kmほど押し戻された。

 インタヴューに答える空軍の司令官は、人民空軍はさらに戦闘機が補充されたところで更なる大規模反攻作戦を実施する予定である、侵略者の殲滅に向けてさらに大きな前進を記す事が出来るだろう、と満足げに語っていた。

 

「新疆に行くのかい?」

 

 新疆にも油田がある。

 楊が公社からの請負の仕事をしているなら、危険なところに回される可能性は充分にあった。

 公社の人間は、自分では危険なところに絶対赴かず中央でぬくぬくとしているだけと聞いている。

 要するに、大中華帝国の貴族様だ。

 

「違う違う。ヤバいから逃げるんだよ。」

 

 ああ、この男もそうなのか、と梁は思った。

 最近時々そういう話を聞く様になってきた。

 シベリアを占領している宇宙人からの攻撃をロシア軍も人民軍も抑えきれず、負けが続いてジリジリと後退している、という噂を耳にする事が増えた。

 その様な噂を聞いた北の伊春や綏化に住んでいる連中は、家族全員仕事も家も捨てて南の方に向けて逃げ出しにかかっているらしい。

 実際にその様な家族を目撃したという客の話を聞く事もある。荷物を満載した自家用車が警察に止められているのを見た事もある。

 その様な脱出者は非公式に「晩逃脚」と呼ばれているが、警察は晩逃脚を取り締まろうと躍起になっており、政府は晩逃客の存在そのものをひた隠しにしているようだ、という所まで噂として梁の耳に入ってきていた。

 幾ら中央電視台が虚偽の情報を垂れ流そうと、市中の噂という物は案外馬鹿に出来るものでは無いのだ。

 

「・・・そんなにヤバいのか?」

 

 梁は楊の向かいの席に腰を下ろし、前のめりに声を潜めた。

 誰もが、自分の身に降りかかるかも知れない危険については敏感になる。

 

「ここから真っ直ぐ北に行って、シベリアにもあの宇宙人がいるだろう? ヤバいのは、そっちだ。戦況は相当危ないって聞いてる。」

 

「噂を聞いた事がある。本当なのか?」

 

 饅頭蛋にかぶりついていた楊は、口の中のものを嚥下すると身を屈め、梁の眼を真っ直ぐに見て言った。

 

「やつらの宇宙船がやってきて、何万っていう戦闘機が出撃してきたって話だ。いくら人民軍が新疆で六百機撃墜したって、そんなのは蛙の小便みたいなもんだ。お話しにもならねえ。手に負えなくなって、露助どもは核爆弾を使ったらしい。」

 

「核って、おいおい・・・嘘だろう?」

 

 街中の食堂の店主でも、核爆弾がどれ程ヤバい爆弾か、位は知っている。

 一発で街一つが消滅し、何十万という人間が死に、爆心地に百年は近づけなくなるという。

 

「嘘なもんか。俺の事務所が石油の採掘関連の仕事をしてるのは知ってるだろう? 新しい油田の探索のために、資源調査をやるんだが。地中には色んな物が埋まってるからな、間違ってヤバイものを掘り当てない様に、探索隊は色んな分析機を持って歩くんだよ。それが今月の十一日に、伊春の北の方で調査していた奴らが全ての放射線計測器が一瞬で振り切れた、って言うんだ。連中、あわ食ってすっ飛んで帰ってきたよ。探索隊には仲の良い奴が何人も居る。絶対間違いない話だ。」

 

「信じられねえ。マジか。」

 

 そう言って梁は、相変わらず無表情にニュースを読み上げている、画面の中のキャスターを見た。

 勿論そんな話は、TVのニュースで一度も聞いた事は無い。

 だがこの国の政府が、自分達に都合の悪い話をひた隠しにするというのは、この国に住む者なら誰もが知っている常識だ。

 

「だから、ヤバイ事になる前に俺は逃げる。友達にも何人か声を掛けた。今日晩、車でそいつらと一緒に街を出るつもりだ。潮州で従兄弟が海鮮料理のレストランを出して成功してる。俺はしばらくそこに身を寄せるつもりだ。皓然、アンタもいつでも逃げ出せるようにしておいた方が良い。」

 

 仕事で北の方に行かされる可能性がある楊が、そんな危ない仕事を辞めて南に逃げるというのは理解できた。

 しかし、哈爾浜まで敵が来るのはまだ遙か先の話だろうと、梁は思った。

 

「楊さん、それはちょっと大袈裟すぎるんじゃ? ロシアとの国境は哈爾浜(ここ)から500kmも北だ。宇宙人どもはさらにその北に居るって話じゃないか。」

 

 苦笑いしながら返した梁に、楊は至って真面目な顔で眼を見る。

 

「大袈裟なもんか。宇宙人の戦闘機がバカみたいに速いってのは聞いた事あるだろう? 1000kmなんて五分でやって来るぞ。そして奴等がやって来れば、核ミサイルもそれを追ってくるんだ。五分じゃどこにも逃げられないぞ。」

 

 つい力が入ってしまい、声が大きくなった楊に梁が目配せをする。

 店の中に居る三人の客全員が、こちらを見ていた。

 楊もそれに気付き、周りを見回して、さらに前屈みになった。

 

「とにかく、俺は今夜街を出る。命あっての物種だ・・・そうだ。ちょっと待ってくれ。」

 

 そう言うと楊は上着の内ポケットから名刺入れを取出し、さらにそこから自分の名刺を一枚取り出した。

 名刺入れと共に取り出したボールペンで名刺に何かを書いて、テーブルの上を梁の前に滑らせた。

 

「皓然、アンタには色々良くしてもらったからな・・・中山路と和平路の交差点に中国石油のガソリンスタンドがあるのを知ってるか? ウチの会社がいつも使ってる店だ。そこの店長の劉俊杰という男にこの名刺を見せろ。チケット無しでもガソリンを売ってくれる。逃げるなら、バスや鉄道はダメだ。駅で警察が張ってる。上手く警察の裏を掻いて車で逃げるしか無い。」

 

 梁が眼の前に置かれた名刺を手に取って見ると、「北方資源開発有限公司 探索部経理 楊俊熙」と楊の名前が書いてあり、その下の余白に「劉俊杰」という名前が手書きで書かれていた。

 

「じゃ、俺は行くぜ。皓然、世話になった。縁があったらまた会おう。」

 

 そう言うと、いつの間にか全ての料理を平らげていた楊は、呆然と名刺を見つめている梁の肩を叩き、足早に店を出て行った。

 

 その背中を見送った梁の手元には一枚の名刺があり、そこに目を落とした梁はしばらく席に座ったまま何事かを考えている様だった。

 

 

■ 6.22.2

 

 

 黒い車が音も無く闇の中を走ってきて速度を落とし、路肩駐車の列に空きを見つけるとそのスペースに滑り込むようにして駐まった。

 車が停まるとすぐにエンジンが切られ、しばらくして車の中から黒いコートを着た男が出てきた。

 五月の終わりとは言え、内陸の夜は冷え込む。

 その男がコートを着ているのは、ある意味当たり前と言えた。

 

 その黒いコートの男は辺りを見回すと、駐めた車とは反対側になるマンションの壁に近寄り、まるで壁に張り付くようにして歩道を歩き始めた。

 

 他に人影も無く街灯もまばらな暗い通りに、少し離れた所を通り過ぎる警察のパトロールカーのサイレンが、ドップラー効果で波長を変えながら聞こえてきた。

 哈爾浜市ではここ最近夜に多数のサイレンの音を聞く事が多くなっていた。

 晩逃脚と言われる、北方のノーラ降下地点から攻め込んでくるファラゾアの脅威に怯え、荷物をまとめて逃げ出す者が後を絶たないためだ。

 

 警察は晩逃脚を躍起になって捕まえて回っていた。

 侵略者の侵攻に怯えて逃げ出した者が、逃げた先で色々と共産党政府に都合の悪い話を広める事を嫌っているのだった。

 勿論、次々と周りの者が逃げ出すのを見て、市中でパニックが起こりわれ先にと多くの住人が雪崩を打って逃げ出す事も警戒している。

 

 哈爾浜市は大慶油田の中心的な都市の一つであり、この街でパニックが起これば首都北京や、ノーラ降下地点からの侵攻を警戒して北方に大規模展開している人民空軍への燃料の供給が滞る恐れがあるためだった。

 そして斉斉哈爾(チチハル)佳木斯(ジャムス)、牡丹港、長春と云ったこの地域の他の都市でも哈爾浜と同様に晩逃脚が多数発生し、そして漠然とした不安が市民の間に澱み、治安を悪化させていた。

 晩逃脚の逮捕や、市内の治安の維持に武装警察が投入されており、時には人民軍が投入される事もあった。

 その様な政府の過剰な反応が、余計に市民の不安を煽り、また多くの不満を鬱積させている事もまた事実であった。

 

 男は街灯の影を伝うようにして、サイレンの音の動きを聞きながら、そして近くに自分以外の足音が無い事を確認しながら、歩道を音も無く歩いて行く。

 この辺りが、市中に無数に仕掛けてある監視カメラの死角となる事はとうに確認済みだった。

 あとは偶然出くわす警邏の警官達を警戒していれば良い。

 

 晩逃脚の数が多くなり、夜間市内を警察が頻繁に巡回するようになってから、哈爾浜市内はまるで戒厳令か夜間外出禁止令が発せられているかのような雰囲気となっていた。

 夜間出歩けば警察に呼び止められ、外出に明確な理由が無ければ問答無用に連行される事も珍しくなかった。

 その様な警官の警邏を警戒しながら男は歩みを進めた。

 

 しばらく歩き、街灯の途切れた薄暗がりの中、黒コートの男は「黑龙江海上运输有限公司 哈尔滨分支 第二仓库 (黒竜江海上運輸有限公司 哈爾浜分支 第二倉庫)」と書かれた民間企業の事務所の入口らしき建物の窪みの中に姿を消した。

 奥行きのある入口には街灯の明かりも差し込まず、遙か彼方のマンションの明かりや、大きく欠けて地平線にかかり始めている月の明かりでは、その一番奥までを明るく照らす事は出来ない。

 

 男は暗がりの中、壁の窪みに設えてある会社名が書かれた金属製の分厚い表札の後ろに手を回すと、小さな紙片を取り出して右のポケットに押し込んだ。

 すぐさま左のポケットから別の紙片を取出し、先の紙片があった場所に差し込む。

 男が今差し込んだ紙片には、「VERT 8 Complete 10 cibles(緑8 10目標完了)」と書かれているのだが、暗がりの中、折りたたまれた紙片に書かれたフランス語が見える事は無かった。

 

 通りの左右に足音が無い事を素早く聞き取った男は暗がりから姿を現し、何食わぬ顔で歩道をもと来た方角に向けて歩き始めた。

 黒コートの男は乗ってきた車の脇に辿り着くと、一瞬でそれとなく辺りを警戒し、誰も居ない事を確認して車のドアを開けて中に滑り込んだ。

 すぐさまその黒い車のエンジンが掛かり、目立たない様に静かに走り出す。

 エンジンを掛ける時の一瞬、インパネに表示された起動画面の明かりによって暗闇の中に浮き上がった男の顔の右眼の下に、よく目立つ古い傷痕があるのがはっきりと分かった。

 

 滑るように走り出したその黒い車は、街灯の少ない通りをしばらく直進して、他にあまり車も走っていない大通りとの交差点を左に曲がって夜の街の中に消えていった。


 いつも拙作お読み戴きありがとうございます。


 地味な話になってしまいました。

 達也達がブンブン空を飛んで反応弾ぶっ放している脇では、こんな事も起こっていましたよ、というお話しです。


 哈爾浜は行った事が無いので、モチーフになっているのは台北と上海です。おかしな描写があれば、ご指摘下さい。

 それより何より、饅頭とか豆漿とか出す朝飯中心の家族経営食堂の名前が「百里香」ってどうよ? というツッコミが来そうですが、それで書き始めてしまったのでそのまま通してしまいました。

 ホントはお香とか、香水とかを売る店に付ける様な名前ですね。


 中華風の朝飯は、饅頭と温甜豆漿が好きです。

 なんだかよく分からない油で揚げている油條より、パーム油で揚げているタイのパートンコーの方が好きです。

 ちなみに作中で出てくる「湯包」とは、小籠包の事です。

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