84.王族専用船
「アレラ、塔じゃ! 塔に上るぞ!」
扉へのノックもそこそこに入ってきたムリホ王女は相変わらず唐突である。
オレは凹んでいるから寝かせて欲しいというのに、腕を引っ張られる。
昨日行われた晩餐会で、叙勲を受けた主賓がまさかのぼっちだったのだ。
誰も魔王に近づきたくなかったらしい。オレは魔王じゃないのに。
一方ムリホ王女はケリカ王女救出の功績がその場で公表されたことからか、貴族達に大人気だった。
元々アラルア神聖王国という最も歴史ある国の王女なのだ。人気も頷ける。
そして貴族達に囲まれたムリホ王女もコリス司祭もオレの側に来なかった。
というよりも一歩も動けず何も食べられなかったそうである。
さらに晩餐会には社交界にまだデビューしていないはずのケリカ王女が特別に参加していた。
彼女は一度だけオレのところに来て挨拶したものの、後は引っ張りだこだった。
ケラハ王はというと、彼女に悪い虫が付かないようひたすら牽制していた。
ケリカ王女は時の人だから仕方がないとはいえ、オレだって時の人なんだよ……だから晩餐会で遠巻きに魔王と囁かれたのは相当に凹むことだったのだ。
魔王は嫌だ……勇者になりたい……でも今は布団になりたい。
「船じゃ! 船が来たのじゃ!」
オレの気持ちなどお構いなしなムリホ王女はオレをベッドから引きずり出して部屋の外へと連れ出した。
既に寒い季節なためオレの着ているネグリジェはふわふわで透けたりはしないのだが、寝間着で廊下へ連れ出されたことに変わりはない。
寝間着にスリッパで真っ昼間の王城を歩かされるのはどう考えても羞恥プレイである。王女様は鬼である。
慌てて追いかけてきたメイドがオレにカーディガンを掛けてくれた。
大人用のロングカーディガンなので、オレのネグリジェは完全に隠れてくれた。
むしろ裾を引きずらないように気をつけて歩く必要があるくらいだった。
王城の居住区に設けられた尖塔は城壁よりも高い。
そのため、王都の真横を流れるメリロハ川がはっきりと見える。
ムリホ王女が指差した先を見遣ると、オレの目に大きな船が飛び込んできた。
いや、外洋船としては小さいのかもしれないが、オレにとってはこの世界で初めて見る大きさの船である。
「あれじゃ!」
「なんですかあれ……えーと」
両舷に大きな水車型の外輪が付いている、三本のマストを持つ外輪船だった。
だが空太としてのオレが外輪船であると理解していても、アレラとしてのオレはこの世界の単語で“外輪船”を何と呼ぶか知らなかった。
そのためにオレは外輪の動きに合わせて指をくるくると回し、あーとかえーとかしか言えなかったのだ。
「外輪船です。そして我が国の王族専用船です」
後からやって来たコリス司祭がオレに単語を教えてくれた。
そうか、あれが……というか、どう見ても川を遡上する大きさではない。
ケラク賢王国の王都付近ではメリロハ川の川幅は三百メートル程である。
王都付近に橋が架かっているので、橋を渡ったことのあるオレは知っていた。
その川幅を考えるとあの外輪船は甲板の長さが五十メートルくらいはある。
ちなみに甲板の幅は見た目の比率から十二メートルくらいだろうか。
川幅と比較できてしまうため、外輪船が際立って大きく感じた。
海岸線から遙かに遠いここまでよく遡上してきたと言わざるを得ない。
ケラク賢王国の王都は、人族の国々がある対岸を守る要塞を中核に発達している城塞都市である。
王都は城壁を増築しながら少しずつ大きくなっているそうであるが、王都の周辺は未だに魔物が出るため城壁の外に住人はいないらしい。
だが、当然のことながら王都なため人口は増加傾向にある。
人口増加に対応するため、対岸と橋を架けて衛星都市を設けているのだ。
その橋を架けるために、王都付近は両岸を狭めて定期的に川を浚渫しているのである。
隣接する魔王の領域からの魔物の流入は初代国王の没後から少しずつ増加しているらしく、防衛のためケラク賢王国の財政は代を重ねる毎に厳しくなっているらしい。
そのためメリロハ川の開発は進まず、今も王都の一本しか橋が架かっていない。
というケラク賢王国の歴史を思い出しながら、オレは外輪船を見つめていた。
「あの、あの船は何をしているのですか?」
外輪船は橋から少し下流で先程から外輪を忙しなく交互に回し、前進と後退を繰り返していた。
傍目には川の中央付近でまごついている様にしか見えない。
だがしばらく見つめていると、どうやら上流を向いていた船首を下流に向けようとしていることが分かってきた。
つまり信地旋回しようとしているのだが、その理由がオレには分からなかった。
王都付近のメリロハ川の流量は運河と呼んで良いほどに多い。
水深は川岸までそれほど変わらないのだから、川幅いっぱいに旋回すれば良いはずなのだ。
「まさか、川が思った以上に浅いのか?」
ムリホ王女の呟きにオレは同意できなかった。
船体を見る限りそこまで喫水が深いようには見えなかったのだ。
「川の中央以外は喫水が足りていないようです。座礁しかけたのでしょうね」
何を考えているのでしょうか、と呟くコリス司祭はいい笑顔だ。
あの船の船員達がコリス司祭という公爵令嬢からどんなお言葉を頂くのか考えると少々可哀相に思えてきた。
「あの、どう見ても、足りているように見えるのですけど……」
オレは例によって疑問を垂れ流してみた。
「いえ、あの船はフィンキールを備えています」
「ふぃんきーる?」
「はい。船底の中央に外洋で安定して航行するための長い板を取り付けています。長さは喫水線から甲板までの高さと同じくらいだったはずです」
つまりオレにはガレオン船のように見えているあの船は、ヨットレースに出ているヨットみたいに軽快に進むのだろうか。むしろ飛んじゃう?
ヨットは縦帆というイメージがあるオレはそう思いながら改めて見てみるも、やはり帆桁は水平で横帆を使うとしか思えなかった。
遡上には不要だったのか帆が全て取り払われているだけに、オレには船の種類が全く分からなかった。
むしろオレは船の種類をほとんど知らないことに気付いてしまった。
あれは外輪船、それで良い。うん。
アラルア神聖王国から王族専用船が来たことで、オレ達はアラルア神聖王国に帰還することとなった。
とはいえオレはムリホ王女に連れられて初めて行くのであるが。
ケラハ王に挨拶した船長はその後でコリス司祭にたっぷりと絞られていた。
何故コリス司祭がそこまで怒っているのだろうと思ったら、あの船を製造したのはコリス司祭の父が治める公爵領とのことであった。
意外なことにコリス司祭は海の女だったのだ。でもかなづちらしい。あれ?
「はあ……ともかく、助かりました。メラヘ伯爵をどう帰国させるか悩んでおりましたので」
コリス司祭によると、メラヘ伯爵の遺体を帰国させるには腐らないよう冷却する魔法師が足りなかったとのことである。
ムリホ王女専属の魔法メイド達は土魔法の使い手であって、水魔法を不得手とする者ばかりらしい。
かといって最低限の人数しか連れていない護衛の騎士を冷却専門の魔法師扱いするわけにはいかなかったのだ。
とはいえ他国から人員を借りるわけにもいかないのだ。
表向きはただのケリカ王女誘拐事件なのである。
ただのとは言ってはいけないが、アラルア神聖王国で謀反が起きたことは口外出来ない故、秘密裏に運ぶ必要があったのだ。
それに謀反を起こした騎士を何人か、証人として護送する必要もあった。
水の聖霊様が暴走したあの場で生き残った二人を連れて行くらしい。
しかし陸路では逃亡のおそれがあったのだ。
ちなみに謀反を起こした他の騎士達はケラク賢王国の預かりとなった。
彼らは表向きはケラク賢王国内の犯罪者として、実際は今後もアラルア神聖王国が交渉を続けるという意思を表明するための人質なのである。
ムリホ王女が説明の際に生け贄と呼んでいたが決して生け贄ではない。人質なのである。
「これで外交せずに済む!」
「これで神経をすり減らさずに済みます」
本当は、ムリホ王女とコリス司祭は陸路の外交をしなくて良いという理由で嬉しかったようであった。
「ムリホお姉様、魔王アレラ様。またお会い出来る日を楽しみにしております」
「ああ、何れ迎えを寄越すのでな。達者でな、ケリカ」
ケリカ王女の挨拶に、ムリホ王女が答えている。
結局、ケリカ王女誘拐事件は、表向きは別の理由を用意しつつもアラルア神聖王国が責任を持って彼女を迎え入れる事で決着がついたらしい。
ムリホ王女が帰国して最初にする仕事はケリカ王女の婿探しとなるらしい。
オレはムリホ王女自身の婿探しも気になったのだが敢えて言わないでおこう。
「ではケラハ王、世話になった」
「アレラ嬢。帰国を楽しみにしておるぞ」
「はい」
ムリホ王女の言葉を受けて、何故かオレの方を向くケラハ王である。
オレは堂々とケラハ王に頷いた。だが語彙力が足りなくて頷く以外まともな挨拶を返せなかったのは秘密である。
「お前は来なくていいぞ、ムリホ王女」
「何故じゃ!」
「ケリカの教育に悪いからだ」
何故だか既視感を覚えるやり取りがケラハ王とムリホ王女の間で繰り広げられている。
「構わんじゃろ。何れわらわの家臣になるのじゃ」
「分かっておる。だか今はお前の手綱を取らせる教育をするのでな」
「横暴じゃぞ!」
「心配しないでください、お父様。私もいつかムリホお姉様のような――」
「だから心配なのだ」
二人の会話に割り込んできた少し悪い方向に成長したケリカ王女に、ケラハ王が突っ込みを入れていた。
「ムリホ王女、コリス嬢、そしてアレラ卿。あまり話は出来ませんでしたが、また会えるのを楽しみにしていますよ」
そう挨拶を述べてくれたのは、昨夜王城に帰還したケラム王子である。
彼は国境の視察をした際、魔物の小競り合いが起きて帰還が遅れたらしい。
ちなみに一緒に視察へ行った第二王子はまだ帰還出来ていなかった。
第二王子を毛嫌いしているムリホ王女は会わなくて済んだのでご機嫌な様子だ。
「それでは行くかの!」
だがムリホ王女の宣言は前回と全く変わっていなかったのであった。
オレは気持ち良く王族専用船へと乗船した。
何しろ自国の王族に認められたのだ。嬉しい限りである。
でも友好的な魔王と認められたようなのはきっと気のせいだ。うん、気のせい。
「さてアレラよ。これがこの船の動力、我が国の技術の結晶! ゴーレム魔導エンジンじゃ!!」
船内を嬉しそうに案内してくれたムリホ王女が両手を広げて高らかにソレを紹介してくれた。
ソレは、外輪に繋がっているであろうクランクシャフトにペダルのようなものが付いて、下半身しかないゴーレムの足が乗っている代物だった。
ご丁寧に魔石の保護という名目で腰布まで穿いている。
「ごーれむ……まどう、えんじん?」
オレは聞き慣れない単語に疑問を垂れ流す。
そう言えばアレラはゴーレムとエンジンという単語は知っていた。だが“魔導”という単語は初耳である。そしてエンジンを見るのも初めてだった。
「アレラさん、メラロム都の水門も同種のエンジンを使っていましたよ」
コリス司祭の言葉に、オレはユニコーンに追いかけられた川下りを思い返した。
たしか運河を通っているときに水門を通ったはずなのだ。あっ。
「……船酔いが」
「そういえば、そうでしたね」
ムリホ王女の痴態を思い出してコリス司祭がため息を吐いた。
「おぬしら、辛気くさい顔をしとらんとこちらを見よ。そろそろ動きだすぞ」
錨を巻き上げる音が響き、ムリホ王女がオレ達に声を掛けてきた。
甲板の方からだろうか、出航という言葉が聞こえてくる。階層を一層挟んでいるのに聞こえてくるとは随分大きな声である。
「あ、動いた……」
ゴーレムがゆっくりとペダルをこぎ始めた。
えーっと、自転車? いや、チェーンがないから三輪車?
ああ、これ見たことある! 白鳥を模した足漕ぎボートだ!
もうダメだ。筋肉どころか足の指まで精巧に作られたゴーレムが完全に池を進む漢にしか見えない。
「アレラよ、口が開いておるぞ」
「衝撃的だったのですね」
ムリホ王女とコリス司祭の言葉は、オレの耳に入らなかったのであった。
「さて。聞かせてもらうぞ、コリス」
場所を移して、ここは船内に設けられた会議室である。
この場にいるのはムリホ王女、コリス司祭、そしてオレの三人だけである。
ムリホ王女に影のように付き従う銀色の護衛騎士は先程退室させられていた。
今頃きっと人払いの為に扉の前に立っているのだろう。
「コリスよ。あやつが使っておった魔法について何か知っておるな?」
「姫様には絶対に教えられません」
ムリホ王女の質疑を受けたコリス司祭は即答した。
二人が会話しているのは、ケラクと名乗った魔王候補の男が使った支配系魔法についてである。
「何故じゃ。アレラはもう使えるという話じゃろう。わらわも知る権利がある」
「教えられません。アレラさんも絶対に使わないでください」
オレがコリス司祭から使用を禁止されたことをムリホ王女はしっかりと覚えていたのだ。
何故今頃話題にしているのかというと、決してムリホ王女が忘れていたわけではない。
王城で誰にも聞かれたくない話なのだと彼女が察していたとの理由である。
「どうしてもか。ならば何となく感じたイメージで試してみるぞ?」
「試すこともなさらないでください」
あくまでも理由を話さないコリス司祭を、ムリホ王女は睨み付けている。
いや、すでに支配系魔法“場の支配”が発動している。かなり本気で不機嫌だ。
「わらわは次代の女王じゃ。そこまで危険視する魔法を知らぬ訳にはいくまい」
「……」
ムリホ王女の発言に、コリス司祭は考え込んでいた。
この場においてオレは空気である。ただ静かに成り行きを見守るしかないのだ。
「それにしても、何故コリスが知っておる」
「……」
ムリホ王女の質問にコリス司祭は黙り込んでいる。
「アレラには使うなと言うたな。アレラは使えるということなのじゃな? それも何故じゃ」
「ひゃい!? つ、使えません、知りません!」
突然の流れ弾にオレは声が裏返ってしまった。いや本当に知らないんです。
「アレラさんは……ユニコーンから直接魔力パターンを読み取った様子でした。ですのでコツが分かれば使えると判断しました」
「そうか」
「使いません! 使いません!!」
ムリホ王女が嗤ったのでオレは即座に拒絶した。
何しろコリス司祭が今にも射殺すかのような目付きでオレを見つめてきたのだ。
「では、アレが居なければわらわに教えられるのか? ほれ、退室せい」
「駄目です。教えられません。だからアレラさんも退室する必要はありません」
「教えられぬ、と言われ続けても理由が分からねばどうにもならぬぞ。わらわの好奇心を見くびるでない」
側近のオレとしましてはアレ扱いしないで欲しいところです。それと好奇心に関しては自重して欲しいところです、姫さま。
オレの心境はどうでも良い話である。オレは空気に徹するのだ。
「いや待て。コリス、おぬしまさか使えるのか?」
「いいえ使えません」
コリス司祭はそこで一旦俯いた。
そして覚悟を決めたようで、深呼吸をすると真っ直ぐにムリホ王女を見つめた。
「本来、あの魔法が何であるか誰も知らないことになっております。現に女王陛下に聞かれても知らないとおっしゃるでしょう」
「分かった。誰にも話さぬ」
「では、お話いたします。名称は発動のキーワードとなるため教えられません。あれは、魔王が魔物を従わせるための魔法です」
「やはりそうか……」
コリス司祭の発言に今度はムリホ王女が黙り込んでしまった。
「あの魔法を教わっても良いのは、王族の中でも支配系魔法が使えない者だけとなっております。何故なら支配系魔法は適性がない限り発動出来ないからです」
コリス司祭は公爵令嬢である。順位は相当低いものの王位継承権を一応持っているらしい。
そして彼女は支配系魔法の耐性はあるものの適性は全くないとの事であった。
「……使うとどうなるのじゃ」
「使えば……一度でも使えば、身も心も魔王になってしまいます。わたくしはそう教わっております」
コリス司祭の言葉は重かった。
「そうか。しかしそれ程危険な魔法、何故コリスは教えられたのじゃ?」
「わたくしは次代の女王の側近です。姫様が偶然使うことのないようにお止めしなければなりません。知らなければいざという時に対処出来ません。その為に教わっております」
その理由は納得がいく事だった。あと、ムリホ王女って次代の女王なんだ……。
あれ? それってつまりオレ重臣になるの? 元村娘が?
「うぬ? いや待てコリス。どうやって覚えた」
「姫様、今日は頭が良く回りますね」
「はぐらかすでない」
少し余裕が出てきたのか、コリス司祭が冗談を言った。
そう、魔法は魔力パターンを知らないと使えないのである。覚えるにしてもそうだ。
誰かに魔力パターンを教わらなければならない。協力的な魔王でもいて教えてくれたとでもいうのだろうか。
「使わずとも伝承する手段があります。それ以上は言えません」
コリス司祭のその言葉に、オレは心当たりがあった。
魔法封じの魔法陣の中で、発動の魔力パターンが組み込まれた魔法具に触れる方法である。
実はオレがドラゴン族の秘伝である蘇生魔法を教わった方法がそうなのだ。
何しろ蘇生魔法は膨大な魔力を使う。
覚えるまで教え、習得するまで練習するというのは非効率どころの話ではない。
それに、誰も使えない世代が必ず発生する。
伝承を途絶えさせない方法でもあるのだ。
「そうか、分かった」
ムリホ王女もどうやら魔法具に思い至ったようである。
しかしオレが知っているとは思っていないらしい。むしろオレが知ってはいけないだろうと短く返事をしたようだった。
「ということは、兄上は……」
ムリホ王女の疑問にコリス司祭はため息を一つ吐いた。
「あの男性に教え込まされた、使ってしまわれた。そういう事だったのでしょう」
つまりメラヘ伯爵が謀反を起こした原因は、人族に仇をなす魔王候補になってしまったから、ということらしい。
コリス司祭の言葉を聞いたムリホ王女がオレを睨んできた。睨まれなくても分かっている。
その表情にオレは慌てて姿勢を正した。
だから姫さま、“場の支配”の出力を増さないでください。
「アレラよ。兄上のようにはなるでないぞ」
干からびて死んでいるメラヘ伯爵の様子がオレの脳裏をよぎった。
「使いません! 干からびたくないです!!」
オレは思考を垂れ流してしまった。
言ってしまってから思う。どう考えても干からびた理由は違うだろう。
コリス司祭が苦笑している。恥ずかしい……。
「あれはまた違うのですけれど……アレラさん、絶対に使わないで下さい」
絶対使いません!!
上手く二話に区切れなかったのでまたしても長文です。
どうしてもゴーレム魔導エンジンを描写したかったのです。




