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第548話 再び始まる女の戦い 3

 続くビーチバレー大会女性部門Fブロックの試合。

現在はFブロック決勝戦の最中だ。


 イーノ・ベルナデッタ・ルシールのチームとアレキサンドリス王国の三つ子王女チームの試合。

イーノさんもある程度鍛えられてるし、ルシールさんはボクのチームでも見せたようにいい動きをしている。流石は元騎士。


 少々意外なのがベルで、思ったより動きがいい。

元々引き込もりだったベルだが体力が無いだけで運動神経が悪いわけではようだ。


 そんなベルも世界樹の実で新しい力を手に入れている。

ベルが獲得したのは『呪い師の紋章』。

(まじな)いや(のろ)いの知識を与えてくれ、紋章の力で呪いも掛けれる。攻撃魔法適正も与えてくれる紋章だ。

ベルが以前から持ってる『解呪の紋章』も併せて呪いに関してはベルがエキスパートになった。

現在は運が良くなるお呪いを掛けてるらしい。

マノンさんが知ったら羨ましがるだろう。


「ジュン殿―!見てくれてますかー!」


「あーはい。見てますよー」


 その素敵な揺れを。

流石はスタイル抜群のイーノさん。ボクが知る限り三本の指に入る美ボディの持ち主。


「イーノの奴…あんなに良い動きが出来る奴でしたっけ」


「エルムバーンからヤーマンに帰る時にダバちゃんと勝負した時より、ずっと強そうに見えるわね~」


「シャツで良く見えないけど、胸元に紋章があるみたいね。イーノ様の『魔王の紋章』は右手の甲にある筈だし、新しい紋章を手に入れたんじゃない?」


「まぁ。イーノ様はどんな紋章を手に入れたのでしょう?」


 イーノさんが手に入れた紋章は『愛の紋章』だ。

ノエラとヘンリーも持ってるが、この『愛の紋章』…実は上位紋章だった。

最近、ノエラの『愛の紋章』は熟練度が上がって個性によって獲得出来る能力を得た。

想い人が近くに居ると、想い人の能力も増すという物だ。つまりはボクの能力が増す訳だが…ちょっと照れる。

イーノさんも熟練度を上げて行けばいずれは何らかの能力を獲得出来るだろう。


 そしてもう一つ、イーノさんは力を手に入れている。

イーノさんが持つ『魔王の紋章』に、魔力を一定時間物質化するという能力が追加された。

武器や防具、その気になれば食器なんかも具現化可能。

強度は込められた魔力の量で決まる。

ボクが知る限りの話だが、こんな事はイーノさんにしか出来ない。

イーノさんは望んだ力を手に入れと言えるだろう。


「更に意外…と言うのは失礼かもしれないけど。イザベラさん達の動きがいいですね」


「胸の揺れの話ですか?」


「……それもあるけど。運動能力の話」


 イーノさん達を相手に中々いい勝負をしてる。

スタイルも悪くない…いや、それはいいとして。

魔法の訓練は基礎訓練のみだとか言ってたけど、武術の訓練は本格的にやっていたのだろうか。


「妹達に興味が出たかな?ジュン殿」


「実の妹だけでなく、義理の妹までジュン様の妻となるのでしょうか?」


「なりません。多少の興味は出ましたが」


 エルネストさんとアウレリアさん夫婦の御登場だ。

さっきまでリアム君と遊んでいたが、遊び疲れたリアム君はお昼寝タイムになったので、メイドに任せてこっちに来たらしい。


「我が国の王族は有事に備え、身体を鍛える事を義務付けられている。まぁ…サンジェラ殿やガウリカ殿のようになるまで鍛える事は強制してないし、なって欲しいと思ってないが…中々に引き締まってるだろう?」


 確かに。エルネストさんもベルナルドゥ陛下も鍛えられた身体をしてる。

イザベラさん達も、イーノさん程じゃないがスタイルは良い。

ボン・キュツ・ボンだ。

実に素晴らしい試合だ。


「しかし、相手が悪かったかな。イーノ・レンド殿だったか。彼女の動きが素晴らしい。ベルナデッタ殿や侍女の動きも悪くない。残念だが、妹達の勝ち目は薄そうだ」


「残念ですね。あの子達の恋が実るチャンスだったのに」


「恋?此処に彼女達の想い人が居ると?」


「……とぼけているのか?それとも本当に気が付いてないのか?」


「どちらにしても、あの子達も苦労しそうですね。カタリナ達も大変だったらしいですし。アンナお母様も」


 …そこまで言ったら彼女達の恋の相手はボクだと言ってるも同然なんだが。

しかし、理由が解らない。彼女達もアレかな、英雄だとか神様に愛されているだとか言われてるボクに興味があると?


「あ。終わりましたね」


「結局負けてしまったか」


 試合はイーノさん達が優勢のまま勝利。

Fブロックの優勝はイーノさん達だ。


「勝ちましたよ!ジュン殿!」


「はい。見てましたよ。有難う御座います」


「え?そこはおめでとうじゃないんですか?というか何処見て言ってるんです!」


 勿論、シャツを着ていても隠しきれないボリュームを持った主張の激しい胸に。

眼福の時間を与えてくれた魅惑の胸に心からの感謝を。


「ジュンお兄ちゃん、わたしの事も見てくれてた?」


「うん、ちゃんと見てたよ。ベルも頑張ってたね」


「どうしてベルは普通に褒めるんです…」


 ベルも今年で十三歳。とてもカミーユさんと並ぶと同い年とは思えないが、それでも初めて会った時に比べればかなり成長している。平均的な十三歳の女の子よりも大きいんじゃないだろうか。

少なくとも十七歳のアイシスよりも立派な胸になってるし。


「どうしてかな?今、物凄くジュンを殴りたくなったんだけど」


「理由も無く殴ったりしないでねー」


 恐るべき勘の良さ…言葉に出してもいないし、アイシスに視線を送ってもいないのに…


「…負けてしまいました」


「無念です…」


「一気にジュン様との距離を縮めるチャンスだったのに…」


「「「はぁっ…」」」


 溜息までユニゾン…気の毒感が増すなぁ。

友人として仲良くなるのは構わないのだが…彼女達の恋が実る事は…ん?


「イザベラ様、イザベリ様、イザベル様。エリザ様が御話しがあるそうです。此方へ」


「「「エリザ様が私達を?」」」


 セバスンがイザベラさん達を呼びに来た。

向こうでママ上がニコニコと手招きしてる…何か非常に嫌な予感が…だってマーヤさん達も居るんだもの。


「セバスン、お母さんはイザベラさん達に何の話が?」


「申し訳ありません、ジュン様。私の口からは申し上げられません。それでは」


 セバスンに口止めしなければならない内容なのか。気になる、凄く。

…ボクも聞きに行くか。ママ上が何か悪巧みをしていて、止める必要があるなら今しかない気がする…


「ちょっと、ジュン君?何処に行くの?」


「次は私達の試合なんだから。婚約者の応援をしっかりしなさいよね」


「私の事も見ててくださいね、ジュン様」


 う…次はシャンゼ様達のチームの試合か…見逃す訳には行かない。

仕方ないな…ママ上には後で問いただそう。

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