表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/604

第22話 訓練

「リリー、アイとユウがどこに行ったか知らない?」

 

「あ、はい、ジュン様…御二人はエリザ様に呼ばれてノエラ先輩と行きました…」

 

「どうしたの元気ないね?」

 

「いえなんでもないですぅ!リリーの取り柄は元気な事ですから!エリザ様のとこに行かれるんですよね?御伴しますぅ」

 

 元気が取り柄のリリーだから元気がないの解るんだけど…。

言いたくないなら無理には聞かないでおこう。

 

「そう?ならいいんだけど何かあれば相談してね。じゃあ行こうか」

 

「はい…。ジュン様。ありがとうございます」

 

 やっぱり元気ないなぁ。

とりあえず母エリザのとこへ向かおう。

母エリザの部屋の前につくと中から声が少し聞こえる。

ここにいるようなのでノックしてから入る。

 

「失礼します。お母さん、ここにアイとユウがい…る…」

 

「さぁもっと鳴きなさい!ブタのように鳴きなさい!さぁさぁ!」

 

「ぶひぃ!」

 

 ボクはソっとドアを閉めた。

え?なに?今の。

落ち着こう。落ち着いて考えよう。

リリーは驚きのあまり固まってしまっている。

相談はできない。

 

 ドアの向こうに広がっていた光景は…女王様スタイルで鞭をもったママ上がパンツ一丁になって四つん這いになったパパ上を足蹴にしている図。

どうみても18歳未満禁止の図。

そしてママ上の傍に控えるノエラと顔を赤くしてソファに座っているアイとユウ。


 うん、わからん。

どういう状況かわからんがアイとユウが見ちゃダメな図なのはわかる。

親のそういう場面に突入なんてしたくはないし普段なら絶対にしないが

そこにアイとユウがいるとなれば話は別だ。救わねば!

 

「そこまでです!二人とも!」

 

「あら、ジュン。あなたも見学する?」

 

「こらジュン、ノックくらいせんか」

 

「ノックはしました!とゆうかなにやってんです!」

 

「なにって…ナニ?」

 

「うむ。ナニだな」

 

そんなトンチはいらん!

 

「しかもアイとユウの前で!なに考えてるんです!」

 

「あらぁこれは必要なことなのよ?勉強よ」

 

「うむ。これは必要なことなのだ」

 

「そうですよ、ジュン様。これは必要なことなのです」

 

ノエラまでそんな…。

女王様と豚プレイを見せる必要ってなんだ。勉強ってなんだ。

 

「あのね、ジュン。ユウは私と同じサキュバスでしょう?サキュバスとしての力の使い方はサキュバスに習うのが一番なのよ。それはわかるでしょう?」

 

「それは…わかりますが…」

 

「それになエリザはサキュバスとして優秀なのだ。ユウだけでなくアリーゼやシャンゼ、そこにいるノエラもエリザに教わったんだ。サキュバスの力の使い方をな」


「シャンゼ様やノエラはともかく、アリーゼお姉ちゃんもですか?」

 

「うむ。わしとアリーゼの母、つまりお前の祖母はサキュバスではなかったし、他に適任もいなかったのでな。アリーゼはサキュバスの力を正しく使えるようになるのは遅かったのだ」

 

なるほど…理解はできたけど…。

とゆうかいい加減、服着て!

パンイチで威厳はでないよパパ上!

 

「それにしたってユウにはまだ早いでしょう!?それにアイはサキュバスじゃありませんよ!?」

 

 アイの種族はなんとボクと同じ堕天使だった。

これが偶然なのか必然なのかはわからない。

 

「そんな事ないわよお。力の使い方は早いうちに学んだほうがいいわ。義姉さんは遅かったから苦労したのよお。それとアイちゃんはぁ…花嫁修業みたいなものよ。ね?」

 

 そんな修業はいらん!

少なくともボクにそんな趣味はない!

 

「とにかく!今日はこれまで!ほらアイ!ユウ!行くよ!」

 

「う、うん」

 

「ちょっと残念な気もするけど…」

 

 ユウがなにか言ってるが無視する。

顔を真っ赤にして固まってたリリーもなんとか再起動してノエラと一緒に付いてくる。

 

「さて、と今日はボクの修行に付き合ってほしい」

 

 さっきまでの事は無かったことにして記憶の片隅においやる。

気を取り直してアイとユウと一緒に修行しよう。

 

「修行?なにするの?」

 

「いつもみたいに魔法訓練じゃないの?」

 

「うん。今日からは体術や剣術を本格的に訓練していこうと思うんだ」

 

「どうして?前から剣術や体術も習いたいとは言ってたけど急じゃない?」

 

「それにはまあ理由があって…」

 

 前回、ガウル様との戦いはやりたくはなかったが決して無駄ではなかった。

ああやって戦って初めてわかったのだけどボクの魔力は強すぎるのが問題だった。

ガウル様を狙ってはずれた魔法は壁や石畳を砕いたりしたが、あれでもかなり手加減をして放った魔法だったのだ。


 あの魔法は低位だったが威力は普通の実力の魔法使いが全力で放ったものとほぼ同等だったとあの戦いをみていた兵士や使用人達は言っていた。

つまり同じ魔法を一般的な魔法使いが全力で放った威力が百だとすると、ボクが全力で手加減した威力が百となるとゆうことだ。

これでは魔法を使った戦いでの手加減は上手くいかない。

全力で倒すよりも格段に難しい。

そこで体術、剣術を習うことにしたというわけだ。

 

「なるほどねえ。それで体術と剣術ね」

 

「うん。体術はアイに習うとして剣術は…ノエラだれか剣術を教えてくれる人に心当たりないかな。できれば双剣の使い手で」

 

「はい。近衛騎士団に双剣の使い手で双剣豪の紋章を持った人がいたはずです。魔王様に御伺いして御許可を頂いて参ります」

 

「うん。お願い。まずはアイに体術を習うから数時間後で」

 

「双剣?両手に剣持つの?」

 

「うん。ほらボク、両利きだし。そこを活かそうかな、と」

 

それにカッコいいよね。双剣。実に男心をくすぐる。

 

「なるほどねー。てっきりジュンのことだからカッコいいからとか言うかと思った」

 

「ハッハッハー。そ~んなわけないじゃないか」

 

「お兄ちゃん。アイは体術を教えるとして私は?」

 

「ユウはボクと一緒にアイから体術を学ぼう。ユウも魔力は強い。ボクと同じで手加減をしにくいだろうから学んでおいて損はないよ」

 

「わかった」

 

「そのかわりアイが魔法の訓練する時は、ボクとユウで教えるから体術を教えてアイ」

 

「OK。ジュンのためなら無償でなんでも教えるよ」

 

 そうしてアイの師事のもと体術の訓練を始める。

流石、天才空手家にして元体育教師。

教えるのも上手い。

実に分かりやすく優しく教えてくれる。

魔神の紋章の効果もあってか覚えがいいと褒められた。


それからしばらくしてノエラが中肉中背、蒼く長い髪の青年騎士を連れて戻ってきた。

 

「ジュン様、魔王様に御許可を頂いて戻ってまいりました。こちらが双剣術を教えてくださる近衛騎士団所属のカイエン様です」

 

「ジュン様、カイエンです。ジュン様に師事できる大任を頂けましたこと誇りに思います。よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします師匠」

 

「師匠、ですか?」

 

「あ、いやならやめとくけど…」

 

「いえ、かまいません。ですが訓練中のみでお願いします」

 

「はい、師匠」

 

「では、さっそく始めますか?」

 

「はい、師匠。お願いします」

 

 師匠の教え方は実戦形式だった。

といっても木剣ではあったけど。

 

「そこで足をとめてはダメです。もっと動いて」

 

「相手の武器にのみ集中してはいけません。相手の眼、足、自分を取り巻く周りの環境。全てを視て感じてください」

 

 師匠は感覚的な物言いもあったが自分で建てた理論なども交えて師事してくれる。

近衛騎士団に所属してるだけあって実力も確かなようだ。

ちなみにボクが剣術を習ってる間、ユウはアイとの体術訓練を継続中だ。


こうして魔法訓練に加えて体術と剣術を本格的に習い始めて数日。

その間ずっとリリーに元気がない事が気がかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ