第202話 水着回ですよ 2回目
「太陽がいっぱいだ…」
「太陽は一つしかありませんよ?ジュン様」
「いやいや、よく見てごらん、シャクティ。地上の太陽がいっぱいだ」
「はぁ…」
ダーバ王子とオリビアさんの結婚式も終わり。
ダーバ王子とオリビアさんだけでなく、フランコ君とクローディアさんもエルムバーンに新婚旅行に来る事になった
。
パメラさんの離婚も驚くほどスムーズに進んだ。
ヴェルリア王国とサンドーラ王国。互いに遺恨の残らないように話合いも無事に終わったらしい。
パメラさんは晴れてヴェルリアの王女に戻った。
ただ、王位継承権は放棄したので無いのだが。
そして予想通りに、離婚についてネチネチ言う人がいたので、一通り聞いた後エルムバーンに遊びに来ている。カタリナさんだけじゃなく、レティシアさんとシルヴァン君。アンナさんまで来ている。
イーノさんも約束通りエルムバーンに。
ただ、オリビアさんの事で傷心中なのにオリビアさんと一緒というのが堪えるようで。
「うぅ…オリビアァ~」
と、涙している。
ダーバ王子もワザとイーノさんの前でイチャイチャするから性質が悪い。
兎に角、折角大勢遊びに来てるので、八月だし、海に行こうと。
アイの提案でまた、シャクティの故郷である南の島に来ている。
当然、海で泳ぐ事に。
砂浜は…輝く太陽でいっぱいだ。
夏って素晴らしい。
「ジュンちゃん…そういう所は普通の男の子ね…」
「でも、この水着、というのはもう少し何とかならなかったのか?これでは下着と変わらないじゃないか」
「本当よ。誰が作ったのよ」
「ユウとアイのデザインですよ。皆さん、とても綺麗ですし、いいじゃないですか」
ヴェルリア王家の皆さんも当然水着だ。
カタリナさんとレティシアさんはビキニ。
アンナさんは子供用水着のように見えるが…ヒラヒラのついたワンピースの水着。
パメラさんは…
「大胆ですね、パメラさん」
「お、お母様がジュンさんが絶対に喜ぶからって…」
「似合ってるわよ、パメラちゃん。ね、ジュンちゃん」
「ええ、素敵です」
パメラさんの水着はマイクロビキニだ。
美人だしスタイルもいいし、ほんと素敵。
「あ、ありがとうございます」
「いいえ、こちらこそありがとうございます」
「むー…」
レティシアさんがなんだかむくれてるが触れると藪蛇になりそうだし、置いておく。
ヴェルリア組は他にアイシス達は勿論、ハニートラップ要員のメイドさん三人も来ている。
アイシスはビキニ。メイドさん達は以前ラーラさんが着ていた物と同じメイド服水着Ver。
セリアさんは…何故かスク水だ。
「セリアさん、その水着は…」
「ユウ様とアイ様に用意して貰った。似合う?」
「うん。よくお似合いで…」
「ん、ありがとう」
セリアさんは相変わらず小動物っぽいし、スク水でも違和感ないし。
御約束の「せりあ」と書いた名札も付いてる。
ユウとアイがやるとネタ何だが、セリアさんがやると普通に似合う水着に見える不思議。
ちなみにターニャさんも同じくスク水だ。
マルちゃんはタンキニ。カトリーヌさんは脇と背中とお腹が開いたワンピースの水着だ。
流石はバスト99のカトリーヌさん。実にいい。
「ジュンのスケベ」
「アイシスさんには言われたくありませんなぁ」
アイシスは鍛えてるだけあって引き締まった身体をしてる。
胸も本人は気にしてるようだが無いわけじゃないし。
スタイルはいい。実に素晴らしい。
「ところで、シードラちゃんて海の中で見ると怖いね」
「ああ、だよね。ボクも最初はそう思った」
水中で見るシードラちゃんと地上で見るシードラちゃんは迫力が違う。
何故、ああまで違うのか。
「そういえば、お祖父ちゃんは?」
「あっちで獲って来た貝や魚を焼いたのをつまみに酒を飲んでる」
ゴードンさんとブロイドさん。
父アスラッドも一緒だ。昼間っから実にいい御身分である。
「ただいま~ジュン」
「今夜のおかず、獲って来たよ~」
アイとユウが戻って来た。
またシーフードが食べたいと言った二人は貝を獲りに潜っていた。
クリステアとルチーナも一緒だ。
「また随分獲ったね」
「うん。お客さん、沢山いるしね」
「ティナ達は?一緒に行かなかった?」
「あの子達はまだ浅瀬で泳いでる。セバスンさんとマリアさんが近くにいるよ」
エルムバーンからは何時ものメンバーにティナ達メイド四人組。
それからフェンリル一家にレヴィさん。
親衛隊からカイエンとリディアにユリア、他数名。
そして、豚侯爵の下から連れて来たリタ達新人四人。
リタ達は生まれて初めての海と贅沢に困惑していたが、ティナ達が上手くリードして、今じゃ楽しそうに遊んでるようだ。歳の近いレヴィさんも一緒に。
「で、イーノさんは何時までそうしてるんですか」
「だ、だって…これ恥ずかしいんですもん…」
「他の人は普通にしてるじゃないですか。イーノさんだけですよ、そんなので隠してるの」
イーノさんも勿論、海に来ている。
だが水着姿が恥ずかしいのか、タオルを何枚も巻いて小さくうずくまってる。
実に暑そうだ。
「うぅ…どうしてカタリナは平気なの?」
「どうしてと言われてもな…泳ぐ時は服は脱ぐモノだろう?この水着という物は初めてだが、悪くないぞ」
「イーノさんはスタイルいいんだから、堂々としてればいいのに」
「パ、パメラさんも平気なんですか?」
「私もカタリナと同じように、呼び捨てで構いませんよ。イーノさんの方が年上らしいですし、私達、もうお友達なのでしょう?」
「あ、うん…パ、パメラも平気なの?」
「私は、ほら。一時とはいえ人妻でしたから。ジュンさんに見られるのは少し恥ずかしかったけど…」
「う、うぅ…」
「それに、ほら。エリザ様に比べたら…ねぇ?」
「全くだ。ジュン、アレは本当に水着なのか?」
「アレは…特殊な例だと思ってください」
「ウチらも悪ノリで作っただけで…まさか御義母様が気に入るなんてね」
「本当ね…我が母ながら恐ろしい…」
ママ上は何時ぞやの貝殻ビキニを気に入ったらしく。
今回も貝殻ビキニだ。
魔族なママ上はまだ、若々しいし正直目の毒だ。
「それで、イーノさん。その恰好のままじゃ遊べないし、泳げないでしょう?」
「うぅ~…」
「水着は自分で選んだんじゃないの?イーノさん」
「イーノちゃん、何時迄経っても決められずにいたから、私が選んだわ。パメラちゃんのと色違いの」
なるほど。素晴らしい。
是非とも見なければ。
「というわけで、イーノさん。観念なさい」
「うぅ~…そ、そんなに見たいなら抱いてくれたらいいじゃないですかぁ」
「イーノさん…昔の人はこう言いました。『それはそれ!これはこれ!』と」
「ジュンちゃん…それは大人…いえオッサン臭いわよ」
「君は本当に…スケベなのかストイックなのかはっきりしたまえ」
「ジュンはスケベだよ、カタリナ」
「アイシスにだけは言われたくありません~」
「うん、アイシスは人の事言えない」
「そんな事ないもん!」
「さっき部屋の前で破幻眼で透視出来ないか試してたでしょ」
「なんで知ってるの!?」
本当にやってたのか。
カマかけだったんだが…
「アイシス…お前は…」
「まあ、アイシスちゃんの年頃だと普通よね~。でも嘘ついたりジュンちゃんを悪く言っちゃダメよ?」
「うう…はい…」
「アイシス。めっ」
セリアさんにも叱られて凹むアイシス。
しかし、アンナさんの言うようにアイシスは普通なのだろうか?
違うような気がするけども。
「で、イーノさんはまだ踏ん切りが付きませんか」
「だ、だって…やっぱり恥ずかしいし…」
「ん~…そういえばイーノさんて泳げます?」
「え?いえ…レンドでは泳げるような安全な場所が無いので」
「じゃあ、ボクが泳ぎ方を教えてあげますから。一緒に泳ぎましょ。ね?」
「うう…わ、わかりました!」
遂に決心がついたらしい。タオルを捨て去ったイーノさんの水着姿は…美の化身だった。
パメラさんと同じマイクロビキニだが…サイズの問題でイーノさんだとより小さく見える。
「ど、どうですか、ジュン殿。変ではないですか?」
「ありがとうございます」
「え?何です?」
「「む~!!!」」
とてもいいモノを見せて頂きました。
控え目に言っても最高です。
「くっ…ジュン様の関心がイーノ殿に…かくなる上はあの水着を着るしか…」
「アレだけはやめて姉さん。アレは痴女が着る水着だから」
「全くですわ。アレだけはやめときなさい、クリステア」
痴女が着る水着なんてあるのか。
デザインしたのはアイとユウだろうけど…何を思って用意したんだ、そんなの。
「ジュン様、私もまだ泳ぎに自信がありませんので…その…」
「あ、うん。じゃあノエラも一緒に練習しよっか」
今日はいい日だなぁ。
実にいいモノが見れた。
しばらく頑張ってた御褒美だろうか。きっとそうに違いない。
しばらくはこんな日が続くかな。続くといいなぁ。




