~失われた音色を求めて~4
第四奏「天才級のピアニスト2」
「本当にかなっちなの?」
「あぁ…そうだよ!みーちゃん!」
僕が幼なじみの奏だと知ると、美來は急に泣き出した。
「怖かった…本当に怖かった…かなっちがいなくなってからみんなにいじめられ始めて…」
それを聞いた僕は無意識に美來を…みーちゃんを抱きしめていた。みんなが見てるのを忘れて…
「奏?!」
「へぇーやるねぇ…」
「あっ!えっちょっこっこれは!」
みんなに見られていたと知るとかなり恥ずかしい…
「とっとりあえず!みーちゃん!」
「どうしたの?かなっち。」
「実はみーちゃんに、」
僕は器楽部に戻ってほしいと伝えようとした瞬間
心に音が聞こえた。
(今のは何だ?)
「奏君ちょっといいかい?」
部長からこっそりと耳元でそう言われた。
多分、部長もさっきの音が聞こえたんだ。
「今の音がもしかして…」
「あぁそうだ。初めての仕事だが、できるか?」
「やるだけやってみます。」
そして、みーちゃんの方を向き、
「みーちゃん…あのね、みーちゃんに、器楽部に戻ってほしいんだ。」
「器楽部に?」
「あぁ…ダメ、かな?」
「えーと…かなっちも器楽部に入ってるの?」
「もちろん!凜音もね!」
「凜音ちゃん…も?」
するとみーちゃんの顔色が変わった。
「なんなのよ…はっきり入りたくないって言えばいいのに…」
凜音が小さい声で呟いた。
「ご、ごめんね!かなっち!ちょっと考えさせて!」
そう言い残すとみーちゃんは走って帰ってしまった。
「みーちゃん…」
今回は少し短かったですが、楽しんで頂けていれば幸いです!