~失われた音色を求めて~3
第二奏「天才級のピアニスト1」
「それで、まずは誰の心をチューニングをすればいいですか?」
「そうね…」
僕は、あまり先輩達とは会うことがなかったから、最初は後輩、つまり中等部からいってみては?と提案した。
「いや、あなた達と同じ学年に二人、器楽部だったメンバーがいるわ。名前は、瀬名美來と環日奈子よ。」
「え?!同じ学年に二人もいたなんて…
ということは…中等部の時からいたということか…」
「美來ちゃんって器楽部だったんだ!」
凛音は色んな人とすぐに仲良くなっていたから
すぐに一人を見つけれた。
「とりあえず、美來さんを器楽部に連れ戻しましょう!」
「だな!」
そして、瀬名美來を器楽部に連れ戻すことになった。すると、
「それ、俺にも協力させろ!」
少し遠くから男の声が聞こえた。
それは、竜人だった。
「竜人!」
「言っただろ。俺はお前らと同じ部活にするって。」
改めて、器楽部部員は部長を含めた四人になった!
「そういえば、先輩じゃなかった、部長。美來ちゃんって何の楽器をやっていたんですか?」
「美來さんは、ピアノよ。しかも天才ピアニストよ。」
「へぇー…って、天才ピアニスト?!」
僕は「天才」がつくほどのピアニストという瀬名美來を良く知っていた。というか、何故今まで気づかなかったのだろうか…
「…い…ね…よ!」
「ん?何か聞こえなかった?」
「あぁ…ちょっと行ってくる」
「奏!気を付けてね…」
そして僕は声のする方にいくと、一人の女の子に三人でお金を貰おうとしてる…いわゆる「恐喝」だ。
「おい、美來ーあたし達、今金ないから少し貸せってー。」
恐喝を受けていたのは…瀬名美來だった…
「だから…私も今無いって言ってるじゃん…」
彼女は、泣きそうな声でそう言った。
「おい!お前ら!何してんだよ!」
「あ?何お前、美來の代わりに金くれんの?」
「金?金なら自分で稼げよ!それくらいできるだろ!」
僕は、恐喝をしている三人に向かってそう言った。
「んだとてめぇ!」
三人のうちの一番リーダーっぽいのが、僕の襟を掴んできた。
「俺にふれんじゃねぇ…」
何故かその言葉がひとりでに出てきた。
そう、僕が意識的に言った訳では無い。
「な、なんだよ…こいつ、おい、ずらかるぞ!」
「…」
三人組がいなくなり、僕も意識が戻った。
もちろん、今起きた事も最初の方は覚えているが、途中から覚えていない…
「大丈夫だった?美來ちゃん いや、みーちゃん」
「え?も、もしかして…かなっち?」
そう、瀬名美來は、僕のもう一人の幼なじみだった。
見ていただき、ありがとうございます!
今回の話はなんかめちゃくちゃな話になってしまいました…