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プロローグ
僕は人のためになることが好きだ。たとえば、体の不自由な人には席を譲る。ボランティア活動をする。学校では、委員に立候補したり、先生が困ってたら荷物を運ぶことを手伝う。こんな風に。
そして、その人が本当に望んでいることをしてあげた後は心が満たされている気分になる。
『在校生代表挨拶、生徒会長 葉桐 響!』
日本、季節は春。某高校の入学式で、新入生への挨拶をそのだれもが聞き惚れるような声で言っているのが、この学校の生徒会長だ。
『…………これで在校生代表の挨拶を終わります』
いつもより大きい拍手は数分間で新入生を魅了した彼の実力を物語っている。
彼は、容姿端麗、頭脳明晰、おまけに人の役に立つことが好きで、様々な分野で華々しい活躍をしている。
これはそんな彼の物語。