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出会い
高校入学から、数ヶ月経ち、期末試験が無事終了した頃。
俺は猫と話せるようになった。
ことの始まりは、学校に行く道に白い猫に会ったときだ
「おい、たすけてくれ。はらがへった」
猫から発せられた最初の言葉がこれである。
「魚が欲しいのか」
「さかなでなくてよい、とにかくめぐんでくれぬか」
猫は好きだ。助けない理由はない。
バッグからカロリーメイトを出して差し出した。
「ほら、やるよ。これでいいか」
「よい、れいをいう。ありがとう」
白猫はカロリーメイトに食いつき始めた。
「じゃあな」
「ありがとう、あとでおんをかえす」
猫が喋ること自体おかしいのだが、おもしろいのであえて触れなかった。
後ろを振り返ると、白猫はもういなかった。
あれはなんだったのだろうか。
また会えるのかな……?